【アドカレ】「ゲーム開発」を目的としなくなった話
この記事はUnityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2021、25日目の記事です。前日の記事はCz_mirrorさんの「Unityでアプリを初めてリリースした頃の話」だそうです。
こんにちは、M橋です。Unityゲーム開発者ギルド(以下、ギルド)に入って2年目の新人です。中身は四捨五入して40歳のおじさんです。
AdventCalenderの最後の記事ということで、少し方向性の変わったお話をしようと思います。次に述べるように、私自身は大した経験も知識も実績もないへっぽこですが、最後までお読みいただけると幸いです。
M橋 is 誰?
本業はゲームと無縁なSEをやってます。ゲーム開発はおろか、創作活動自体にほとんど経験がありません。
ちなみに、最初に触ったゲーム機はゲームボーイでした。
その私ですが、2020年6月に発売されたリトルウィッチノベタをプレイした時に感動を覚えます。可愛らしく遊び心を感じるキャラクター達に加え、幻想的でいて静かな威厳で圧倒する風景(特にマグマ遺跡)に震えました。
モニカ可愛いよねモニカ。
Unity自体は以前から知っていて、個人レベルでUnityのゲーム開発をしているケースも知っていました。ただ、昔に一度触ってみたものの、よく分からないまま放置となっていたのです。
ただし今回は違いました。
感動がそのまま理性を突き動かし、「自分もやってみたい」という思いだけでUnityを触るようになっていました。
ギルドに入るまで
Unityを触るのは良いとして、何から始めたものか。
いきなり大掛かりなゲームが作れるはずもなく、かといって小さなものを作るにも何も知らない状態です。
そんなわけで、私はとりあえず一冊の本を買うことにします。
特にこだわった選定の基準はありませんでした。何も知らないので、こだわっても仕方ないと割り切っていたような気がします。
まずは触ってみて、感覚を掴んでみたいという思いでした。
Amazonでおもむろに選んだのはこちら。
本の内容に沿ってUnityと格闘していたのは1カ月弱くらいです。なぞるだけなので、まぁまぁ何となく雰囲気が分かった程度です。
さて、次の題材を探そうかなというところに、本の末尾にこんな記載を見つけました。
時、折しも2020年の7月末。Twitterでたまたま告知がされているのを見かけたのもあり、次の題材としてUnity1週間ゲームジャムに参加することにしました。
その時の私の投稿したゲームがこれです。
私が特定のテーマに対して作ったゲームとしては、初めての作品です。
初めてというわけで、見栄えとか捻りとかはありません。それでも見よう見まねを重ねて、一つのゲームを作りました。
その後、unityroomで他の人のゲームを遊んだり、青木ととさんのOnline共有会の流れがやってきたので勢いのままにLT枠に飛び込んだりしてるうちに、Unityゲーム開発者ギルドの名前を耳にします。
UnityMeetupでイベントを見たりするけど、なんか物足りない。その思いから、naichiさんへ連絡したのが2020年の10月の事です。
なお、本記事用に過去のTwitterを探っていたらこんなものが見つかりました。ギルドにはドット絵部というものがあり、毎週土曜日に10分でドット絵を描くという企画があります。
当時はまだギルドには入っていなかったのですが、ドット絵部の話は聞いていたのでこれも勢いで作ったものです。
個人的に非常に気に入っています。
1つ目の回答
さて、初めてのゲーム制作と並行して、絵の方面にも興味を向けていました。自分で作ったキャラクターを動かせるのって夢がありますよね。
イラストに関する本を買ってみたり、イラストレーターさんのYoutube動画を見たり、実際に描いてみたり。
ちなみに絵描きの経験はほぼ無いです。美術の授業とか、幽霊部員だったサークル活動とか、その辺で数回描いたくらい。
ちゃんと描けなきゃ、と思っていた萎縮していたこともありましたが、この時はノベタの感動が原動力でした。
なお、いずれもアナログ(鉛筆/色鉛筆)なのはデジタルツールの使い方が分からなかったからです。絵描きとツール、"両方から分からない"のダブルパンチはつらいので。
ゲーム制作の方も続けていました。
折角なのでここで紹介します。
没作品2個(うち一つは進捗も残しておらず)
ゲームジャム作品2個
オリジナル作品1個
これは没作品。マス目に区切られない落ちものパズルを目指していたものです。ブロックが自由に動くので、どうやって消す判定をするべきかですごく悩まされました。
Unity1週間ゲームジャム お題「あける」の投稿作品。この時はとにかくオブジェクトを吹き飛ばしてみたかったんですよね。それでえいやっとばかりに散らかしています。
Unity1週間ゲームジャム お題「回」の投稿作品。最初はおもちゃの立体迷路を想像していたのが、制作中に謎の方向へ向かっていったようです。
イベント以外で初めて「完成」させたゲーム。きっかけは
"そうだ、Cubeを転がそう"
という天啓でした。
Cubeの見た目は堅そうな印象。だったら、柔らかそうな見た目にしたいよね。というわけで作ったものです。
ぽよぽよっとした感触は割と表現できたかなと思っています。
ここまで、色々と紹介させて頂きましたが、これらを通じて私が感じたものがあります。それは
ゲームを作っても達成感がない
というものでした。
沈黙期
実はこの頃、職場が変わっており、慣れていない技術・慣れていない手順・慣れていないチームで四苦八苦していました。特に問題だったのは、異動先での人間関係が非常に良くない状況になっていたことです。
私は指導される立場にあったのですが、どうも上司から"サボっているんじゃないか"、"嘘をついているんじゃないか"と思われている空気を感じていました。("嘘をついて~"は実際に対面で言われました)
もちろん私にはそのような意図はありません。しかし、実際に言われてしまったことは事実です。
意図と現実の乖離。
上司のさらに上司に状況を相談をしたものの、状況は一切好転せず、日に日に心理的安全性の最悪値を更新している状態でした。
結局、職場を変えることでようやく落ち着きを取り戻します。それまでの間、無意識にずっと緊張状態が続いていたらしく、そこから5カ月ほど何もする気が起きてきませんでした。
その様子はTwitterの呟き数に顕著に表れています。
2つ目の回答
さて、紆余曲折を経て2020年9月です。
Twitterにはこんな投稿をしていました。
でかい。
この日から、再びUnityを触り始めます。
そのうちのいくつか掲載すると、下のようになります。
クッキーの型抜き?
TPSゲームの一幕?
???
ドリf
おわかりいただけたでしょうか。
そう、ゲームを作っていないのです。
ちょうど11月11日には、UnityAssetStoreにてセールが開催されていました。そしてStoreを眺めていた時の事です。
大量に表示されたAssetを見て、瞬間、頭に浮かんだ言葉が
面白そう!
でした。
とても単純です。しかし、だから良かったのです。
私にはこのくらいの単純な理由がちょうど良かったんです。
これらを使えば、どんなことが表現できるのか。どんな想像ができるようになるのか。そう考えただけで楽しさが湧いてきました。
表現したいものを表現する。
上手くいけば楽しい。
失敗すれば可笑しい。
ただそれだけのことでした。
そして現在
以前はTwitterでの呟きが多かったのが、今はギルドのSlackに住み着いています。大体、20回/日のペースで何か言っているようです。
他のギルドメンバーのチャンネルにも書き込んだりしています。
私の実感するギルドの良い所として、Unityでゲームを作っている/作ろうとしているという共通軸のもと、多くの人が意見交換している点があります。
知識の豊富な人からは、多くの情報を知ることが出来ます。
経験の豊富な人からは、多くの知恵を得ることが出来ます。
そしてそれらが不足している人に対してさえも、私自身の知識・経験を確かめることで学ぶことが出来ます。
同じ志を持っているため、周りのメンバーは全員が私の先生になっています。
最後に、最近読んでいた「論語」から最も印象に残った一節を借用して、記事の締めとさせて頂きます。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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