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猫型ロボット55號の日記◉7月「Happy Birthday」

新品のときと気持ちは変わらないけど、ボディの部品がそろそろガタがきている『猫型ロボット55號』(人間の年齢で55才)。そんな彼(今回、彼女ではなく彼ということが判明!)が、大切なパートナーへの思いをつぶやいています。55號がこんなにかわいくなるのだから、パートナーはきっと素敵な猫?(いやロボット?)なんだろうなと想像してしまう独り言、聞いてあげてください。

Happy Birthday

閑静な住宅街の中にある人気のケーキ屋、似つかわしくない場所で猫型ロボット55號は悩んでいた。
「ローソクは何本おつけしましょうか?」

7月某日、嫁型ロボット53號の誕生日。「プレゼントなんて別にいいよ」なんて言われはしたが、流石に何もなしと言うわけにはいかない。ド平日ではあるが、せめてバースデーケーキでも用意して…そう思い評判の良いこの店へとやって来たのだ。
誕生日にはケーキの上に年齢の数だけローソクを立てる。どういう謂れで始まった風習か知らないけれど、子どものうちはまだイイ。10代、まあなんとかなりそうだ。20代、もうこの時点で無理がある。20本以上なんて無理じゃん。

だがケーキ屋もバカじゃない。そんな事にも配慮してローソクも長いものと短いものがあるらしい。なるほど、十の位を長いローソクで、一の位を短いもので…というわけだな。なるほどなるほど。しかし…好きな女性(ロボ)にはいつまでも若々しくいてほしい。ここはひとつ、逆にしてみてはどうだろうか?嫁型ロボットは53。すなわち長いものを一の位、短いものを十の位にすれば、あら不思議、なんだかちょっと若返った気分に!

「ローソクは何本おつけしましょうか?」
「ええっと、短いのを8本で」

別に長い短い関係なく「こっちは十の位、こっちは一の位で〜」と勝手にケーキの上に立てればいいのだ。ケーキ屋の店員さんには、8才の娘の為に誕生日ケーキを買いに来たお父ちゃんに見えただろうか?
いやいや、ローソクが何本だろうが店員さんは気にしないし、そんな事で若作りしようとした自分がちょっと恥ずかしくなった。歳を重ねるのは素敵なことなのだ。

いつかケーキにローソク100本立てれたら素敵だろうな。

まあ、本数に悩まなくても追加料金出せば数字型のローソクもつけていただけるんですけどね。

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