編集人の京都の朝をぶらぶら◉外から二条城を見てみると【神泉苑 編】
京都在住の編集人のモリタです。最近は少し観光客で賑わい過ぎの京都ですが、早起きして、じっくり街を歩くと意外な京都が見えてきます。
今回は6月16日に投稿した「二条通 編」に続き、NHK「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」の『二条城』の放送回で紹介された『神泉苑』の視点からぶらぶらしたいと思います。
まずは、二条城から押小路通を挟んで南側にある神泉苑へ。
神泉苑は、延暦13年(794年)、桓武天皇により禁苑として造営の後、歴代の天皇の行幸が行われた天皇家と深い関わりを持つ場所です。
山沿いでもなければ紙屋川や鴨川などの河川の近くでもない場所に、境内のほとんどを占める池の水量が確保できていることを考えると、このエリアの豊富な湧水の存在をイメージできます。
では、その湧水を二条城は何に必要としたのか。
これは、東から西にほぼ一直線に続く外堀が急にラインを内側に変える、徳川秀忠から家光の時代に拡張した際の二条城の外堀の跡です。
神泉苑を出て外堀を見ると、拡張した二条城の内堀と外堀に相当な水量が必要であったことが分かります。
それを支えたのが神泉苑エリアの湧水なのでしょう。
そして、番組の中でも紹介された、湧水の水量がイメージできる神泉苑の西側の石垣へ。
これが湧水の貯水池跡です。
実際に見てみると、かなりの高低差の盛り土に驚きます。盛り土の高さだけでなく、周辺を歩くとこの辺りに相当な水量のダムが築かれていたことがイメージできます。
そして、絶景にも出会えます。
貯水池側から見た二条城の南西櫓。二条城を外から見たご褒美のような景色です。
二条城を2回に渡って外からぶらぶらしました。
映像で観た場所を実際に歩いてみると、さらにイメージが膨らみます。まずは人が少ない早朝に城外を訪れ、そのあと城内で理解を深める。そんな楽しみ方、おすすめです。