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SNSで人気拡大しているアイドルグループ「iLiFE!」。その人気の秘訣からわかる、今後のアイドル市場
群雄割拠な日本のアイドル市場。坂道グループやKpopアイドル、その他大手アイドル事務所がアイドルグループのトップの座を狙い、日々しのぎを削っている。
そうした中で、最近は「FRUITS ZIPPER」など、テレビといった伝統的なマスメディアではなく、SNSを巧みに使い、人気を集めたグループも多い。
今回注目したいのは、SNSを中心に人気急拡大している「iLiFE!」である。
iLiFE!の人気の秘訣、そして新興系アイドルの台頭により今後のアイドル市場がどうなるのか、考察したい。
iLiFE!(アイライフ)とは?
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iLiFE!(アイライフ)は、7人のメンバーで構成されている女性アイドルグループである。(メンバー紹介は割愛するが、特にあいすちゃん推しなので是非検索いただけると)
※ちなみに運営会社は株式会社imaginate。女性アイドルグループ、ユーチューバーのプロデュース・運営を行っている。設立日は2018年であり、事務所としては比較的新興系である。
2020年から活動を開始しており、現在SNSのフォロワーは約19万(TikTok)であり、若年女性を中心に人気を拡大しつつある。
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余談だが、2位の超ときめき♡宣伝部は「最高級にかわいいの!」のグループである
アイドルというと、近年女性層にもファンが増えつつあるが、やはりメインは男性層だろう。しかし、ILiFE!は圧倒的に女性人気が高いことが特徴である。(ライブの男女比は体感3:7くらい)
Vtuberなど、娯楽が多様化する中で、メインユーザーであった男性がアイドル市場から少なくなっている。
その中で、従来メインターゲットではなかった若年女性層(特に今まで地下アイドルと関わる機会がなかった一般層)から高い人気を獲得できたことが、iLiFE!が拡大した要因だといえる。
では、地下アイドルに馴染みがない、若年女性層からどうやって人気を得ることができたのか。
それは、SNSを活用したマーケティング戦略にある。
歌って踊れる楽曲で、TikTokバズ!
昨今、TikTokを起点として、楽曲が流行することが多い。
例としては、2024年の紅白に出場したCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」。アニメのOPに使用された曲だが、テンポ感の良さ、またOPのダンスが受け、多くのティックトックユーザーがその楽曲を使用した投稿を行った。
そこからTVなどの伝統的なマスメディアが取り上げ、全年代に拡大していき、ついに紅白に初出場も果たした。
(もちろん、Creepy Nutsは以前から高い人気があり、「Bling-Bang-Bang-Born」がここまでヒットしなくても十分参加できる可能性はあったが)
iLiFE!もまさに、TikTokを起点として、人気を拡大させている。
iLiFE!の楽曲は、①テンポが良い、②歌詞がわかりやすい、③振りコピしやすい、④コール量が多い、ことが特徴である。
特に重要なのは③振りコピしやすいことである。
TikTokでは「曲がバズる→ユーザーが振りコピ動画を投稿する→その投稿で曲を知り、さらに曲がバズる」と循環していき、人気が急拡大していく。
そして、曲のバズをきっかけに、普段アイドルを見ない層が曲やメンバーに興味を持ちはじめ、ライブにも足を運ぶようになる。
これがiLiFE!の人気の秘訣である。
新興系アイドルグループの更なる台頭、そして市場の激化
テレビなどの伝統的なマスメディアが力を失う中で、TikTokやXなどのSNSの影響力は益々力を増すばかりである。
かつては資金力を武器にTVに露出して、影響力を持つというのが王道の手法であったが、ノウハウさえあれば資金がなくてもSNSで影響力を持つことができるようになった昨今、新興系のアイドルグループがさらに力を増していくことが予想される。
また、参入障壁も低いため、今後さらに新しいアイドルグループが誕生して、競争は激化していくだろう。
(固定資産を必要とせず、要となるアイドルも人気に応じて給料が決まるのが相場で、資本があまり必要とされないことから、簡単に参入できる)
加えて、Vtuberなどの他ジャンルの躍進も脅威となりうる。
このような激化するアイドル業界で、坂道グループなどのトップアイドル層はどのようなポジショニングを取るのか。
今後もアイドル市場の動向が気になるところだ。