2024-0905-19:37

キッチンで立ったまま食べる飯、うまい。
作ったものを作ったまま、その場で食べる。盛り付ける、分け合う、なんて概念はそこにはない。フライパンはまだ熱されたまま、次の食材を載せたまま。皿に移動したての形もぐしゃっとしたナニカを自分はその横で食らっている。
お行儀の悪さの極地だ。しかも衛生状態もあまりよろしくない。洗われていない食器、発泡トレー、包丁。流し台の上に渡されたまな板に皿を載せ、周囲はびしょびしょに濡れている。そんな場所に背を軽く預けて、片足に体重を載せつつ不定形料理を食べる。レンジから今朝チンして忘れていたご飯を取り出し、ラップを少し剥がしておにぎりみたいに持つ。それも食べる。
実家では到底許されるまい。というかそんなことをする機会も今までなかったし。ひとり暮らしをして、時々こんなふうに盛大に奔放に生活を崩してみて、自由さに怯えたり変に喜んだりする。それこそ実家を出てもうそろぼち10年も経とうというのに、未だに新鮮に不健全さを楽しんでいる。染まりきらず否定しながら、それでも時々思い切り崩れて、笑う。