見出し画像

【個人的読書メモ】影響力の武器

1.自動的反応(カチッ・サー)

状況内のそれ以外の情報を慎重かつ完璧に分析しなくても一連の正しい行動を導き出せるため、大変貴重なものとなる。(効率的かつ経済的に判断が下せるため。)

ただし、自動的に考えなしでの判断となるため、愚かで高くつく間違いを犯しやすくなるという欠点もある。特に他の人間が何か利益を得ようと企んでいるときには注意が必要。

2.返報性のルール

他者から与えられた厚意を同じように相手に返すことを求めるルール。将来への義務感が含まれており、このルールによって社会にとって有益な持続的人間関係や交流、交換が発達してきた。

〈返報性のルールの特徴〉
・社会的なルールとして定着しており、非常に強い力を持っている。
・望まない厚意を最初に相手から受けた場合にも適用される。
・不公平な交換を助長することがある
 ➡︎恩義を受けっぱなししているという不快感を取り除くため、受けた恩義よりも大きな頼みを聞いてしまうことがある。

返報性のルールを応用し、最初に譲歩し、そのお返しとして相手の譲歩を引き出す「拒否されたら譲歩」法(ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック)が存在する。確実に拒否されるような極端に大きな要求を最初に出すことで、要求の引き下げを譲歩と思わせ、小さな要求が通る可能性を高める手法。

〈防衛法〉
あとで計略とわかった時点でそれを計略だと再定義できるようにすること。

3.コミットメントと一貫性

自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、他者からそう見られたいという欲求。以下の三つの要素でもたらされる。

・一貫性を保つ事で社会から高い評価をうけられる。
・一貫性を保つ行動は一般的に日常生活にとって有益である。
・思考の近道が得られる。
➡︎以前の決定と一貫性を保つ事で、将来類似した状況で全ての情報を処理する必要が少なくなる。

最初のコミットメントの確保が重要。コミットメント(意見の表明、立場の明確化)すると、人はそれに合致した要求を受け入れやすくなる。コミットメントは「行動を含み」「広く知られ」「努力を要し」「自分の意思に基づく(強制されていない)」と考えられる時に最も効率的に働く。

コミットメントにより、人はその決定に固執するようになる。そのため、一度コミットメントすると、状況が変化してもその効果は持続する。

〈防衛法〉
「今知っていることをそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするか?」と自分自身に問いかける。

4.社会的証明の原理

他人を模倣しようとする強い作用は、購買時の意思決定、寄付行為、恐怖心の低減などさまざまな行動領域で子どもにも大人にも認められる。他の多くの人が要請に応じたあるいは応じていると告げることで、ある人をその要請に応じるよう促すことができる。

〈社会的証明が強く影響する条件〉
不確かな状況
➡︎自分の決定に確信を持てない時や、状況が曖昧な時に他の人々の行動に強く影響される。

類似性
➡︎自分と似た他者の行動に強く影響される。
〈防衛法〉
類似した他者の明らかに偽りの行動の証拠に敏感になる。
自分の行動を決定するさいには、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしない。

5.好意

人は自分が好意を感じている知人に対してイエスという傾向がある。

身体的魅力
身体的な魅力はハロー効果を生じさせ、才能や知性など他の特性に関する評価を高める。

類似性
自分と似た人に好意を感じる。

お世辞(称賛)
称賛(お世辞)も好意を高め、承諾を引き出す効果がある。

接触と共同
快適な環境で接触を繰り返し馴染みを持つことも好意を促進する要因となる。相互の協力で最高がもたらされる場合、特に強くなる。

条件づけと連合
好ましいものと結びつけること、好ましく無いものと切り離されていることで好意と結びつけることができる。

〈防衛法〉
承諾を引き出そうとしてくる相手に対して、過度の好意を持っていないかということにびんかんになること。相手への好意は切り出し、申し出のメリットだけを考えて承諾するか判断することが必要。

6.権威

本当の権威者は優れた知識と力を持つことが普通であり、権威者の命令に従うことは適応的な行為である場合が多いため、権威者に対する服従は短絡的な意思決定として、思考が伴わずに生じてしまう。

権威者に自動的に反応する場合、単なるシンボル(肩書き、服装、自動車)に反応してしまう傾向がある。

〈防衛法〉
「この権威者は本当に専門家だろうか」
「この専門家は、どの程度誠実だろうか」
と自身に問いかける。

ただし、自分自身にとって少し不利な情報を最初に提供することで自分を誠実に見せかける策略があることに注意が必要。

7.希少性

人は機会を失いかけると、その機会をより価値のあるものとみなす。「数量限定」「最終期限」などの承諾誘導の戦術に利用される。

〈希少性の原理が効果をあげる二つの理由〉
・手に入れにくいものはそれだけ貴重なものであることが多く、入手できる可能性がその質を判定する手っ取り早い手がかりとなる。

・ある品やサービスが手に入りにくくなるとき、私たちは自由を失っている。

希少性の原理は情報の評価のされ方にも適用できる。情報へのアクセスが制限されると、人はそれを手に入れたくなり、賛同するようになる。➡︎制限された情報はより説得力がある。

〈希少性の原理が最も良く適用できる条件〉
・新たに希少なものとなった場合
➡︎すでに制限されているものより、新たに制限されたものの方がより希少性が増す。

・他人と競い合っている場合
〈防衛法〉
興奮をおさめ、なぜそれが欲しいのかという観点からその機会の利点を評価するステップで対処する。

いいなと思ったら応援しよう!