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ニコルソン・ベイカーの「中二階」を読む

こんばんは。超ミクロ小説の「中二階」をご存知でしょうか?
この本は中二階のオフィスに戻る途中のサラリーマンがエスカレーターに足を踏み出すところから、エスカレーターを降りて中二階に降り立つまでのお話です。その間に超ミクロな考察が繰り広げられます。こんなに【注釈】のついている本を見たことがない。四十代の私には字が細かすぎで、目尻がピクピクしどうしでしたが。

牛乳紙パックの菱形の注ぎ口の素晴らしさ
紐靴の正式な結び方
エスカレーターの上に落ちたゴミについて
無地背景効果の理論
トイレの洗面所でペーペータオルを引き出して、次の紙がきちんと用意される件

私は若いころよく人に「普通の人はそんなこと気にならないし、考えない」と言われました。私って変わってんのかなぁとイジイジして、自分の思っていることは人に言わないようにしてきましたが、この本を読んで、「なんだ!全然自由に思っていいんじゃん!」と顔がニンマリ崩れてくるのがわかりました。大いに励まされたのです。
そして日常の今まで適当にやっていたことを意識して感情移入するようにしています。例えば、靴紐を正式なやり方で結ぶとか、牛乳紙パックをハサミで切る時、正式な切り方で切るとか、いろいろ・・・。(この場合の正式とは自分が導き出した最高のやり方のことになります)。

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