Perplexity vs Claude vs Copilot比較 - FXトレード戦略のバックテスト・最適化
こんにちは。
AIの進化についていくのが大変ですが、より便利なものがあればやはり活用しない手はないかと思います。
こちらの記事にもしましたが、現時点ではプログラム作成などはClaudeを優先的に利用しています。
なお、AIはすべて無料版のみの利用です。
しかし、Perplexity AIというものが出てきて、Claudeよりもベターなプログラムを作成してくれるという記事がありました。
早速、検討したいと思っていたトレード戦略のバックテスト、最適化のスクリプトの作成に関し、ClaudeおよびCopilotを比較したので、その内容・結果を共有いたします。
なお、この記事ではプログラムの作成まで検討し、プログラムの実行・検証については続編として記事にしたいと思います。
FXトレード戦略
今回検討するFXトレード戦略は、一言でいうと高い勝率で『小利大損』を乗り切るというものです。
株式投資などでは、『損小利大』がいいとよく言われていますが、全く逆の戦略です。
小利大損であっても、大損が小利合計より小さくできればいいわけですが、高い勝率を維持することができるのかが重要です。
この高い勝率を担保すために、ヒストリカルデータを活用して十分勝てそうなトレードルールを見極めるというのが今回やろうとしていることです。
なお、勝率を上げるためにはより安定的に小利を取る必要があり、以下の方針に合うものを対象にします。
市場参加者・取引量が多く、流動性が高い
価格変動(ボラティリティ)が低め
FXでこの条件に合いそうな通貨ペアとして、USD / EUR / JPYがあり、ベストな組み合わせとして、過去3年程度の変動率から EURUSDを選びました。
なお、FXの変動率についてはマネーパートナーズのこちらのサイトが非常に分かりやすいです。
3通貨のすべての組み合わせで比較してみると、下図のとおり青線のEURUSDの変動が少なめです。
加えて、EURUSDが世界で最も多く取引されている通貨ペアであるため今回の戦略の検討では最も適していると考えます。
トレードルールは、単純にボラティリティが低下する時間帯を選び、より安定した高い勝率が出るタイミングでエントリーし、利確・損切り指定で決済されなかった場合でも当日手仕舞うというものです。
時間帯によるボラティリティの傾向については、こちらの記事のやった方法にて確認いたしました。
また、よりざっくりとした傾向については、こちらのサイトでも分かりやすく確認できます。
なお、こちらは日本時間ベースなので米国夏時間などの考慮はされていないと思われます。
AIに依頼する内容
Perplexity、Claude、Copilotにプログラム作成を依頼しますが、依頼する内容をある程度整理し、作成されたプログラムに手を加えずそのまま実行できるかという観点でも検証したいと思います。
そのため、依頼内容は細かい点も含めて記載しました。
以下のとおりです。
AIからの回答と生成されたプログラム
まず、AIとチェットする場合には、UIの使い勝手や見易さも大事なので確認したいと思います。
【Perplexity】
【Copilot】
【Claude】
コード見た目・操作感の比較
という結果になり、Claudeが総合的に最良でした。
コード表示の見易さ
Claudeはチャットが左側、コードが右側に並列で表示され非常に分かりやすいです。補足説明を確認しながら、コードのチェックができます。
また、配色もClaudeが一番落ち着いた色で個人的には好きです。コピー機能
作成プログラムはクリップボード経由でコピーして頻繁に利用しますが、こちらの大きな違いはありませんが、Claudeのみコードの最下部に配置されており一番使いやすいです。PerplexityとCopilotは上部にあるためスクロールが必要になり面倒です。コードの説明
作成されたプログラムはしっかり内容・前提など理解する必要がありますが、その説明があるか、分かりやすいかという点です。
これはClaudeが最良でした。
Copilotは短い説明文がありますが、ヘイズ最適化をお願いしたのに実装されず、補足説明もありません。
Perplexityは、こちらが指示した内容についてきっちり実装し、その内容を整理してありますが、それ以上のことはありませんでした。
Claudeについて下(↓)に記載しました。新規会話
無料アカウントでの上限、また、過去のコンテキストと関係ない話題に移る場合に新規に会話・スレッドを始める必要があります。
Perplexity、Claudeは問題ないですが、Copilotは最近インターフェースが変わり、新規会話を開始するボタンがなくなりました。
過去の履歴を考慮せずに会話する場合には、その旨AIに伝える必要があるようです。これは結構面倒であり、大きな減点ポイントです。
Claudeのコード生成の補足説明
こちらがClaudeからのコードの補足説明です。
私が優れていると思った点を太字で強調しました。
・処理内容をカテゴリ分けして説明している
・あった方がいい機能(詳細な取引履歴の保持)も追加している
・パラメータの範囲前提について明記
・追加機能の提案。可視化機能など実用的な提案ばかり。
追加機能・改善の提案をしてくるところが他のAIにはないところです。
かゆいところに手が届く感じの対応で高く評価できます。
生成されたコードの品質の比較
生成されたコード自体の品質については、Perplexityが最良でした。
ただし、Claudeも僅差で負けていないと思います。
要件およびプラスαの対応
Claudeがひとつとび抜けています。要件の対応は適切で、かつ、あった方がいい機能も実装に含まていました。
Copilotは Backtesting.pyライブラリを活用したためか、ベイズ最適化の実装が抜けていました。
コードの読みやすさ・シンプルさ
ここが一番肝心なところではありますが、Perplexityが最良23行程度でした。
ヘイズ最適化の適切なライブラリを利用し、また、データを日単位でグルーピンクすることで、トレードルール部分の実装が非常にシンプル、分かりやすくなっています。
ただし、Claudeの方が利確・損切の処理タイミングを前後を考慮して処理しより正しい実装になっている。
Copilotはコードだけでは一番シンプルですが、肝心のベイズ最適化がないためここの得点も少し下げています。
パフォーマンス対応
ベイズ最適化を利用している理由は最適化の処理時間を短縮することですが、その観点ではPerplexityは最適なライブラリを活用し、最良の実装になっています。
【Perplexity】トレードルール実装コード
# バックテスト関数
def backtest(df, entry_time, exit_time, take_profit, stop_loss):
trades = []
for date, group in df.groupby(df['datetime'].dt.date):
entry_point = group[group['datetime'].dt.time == entry_time]
if entry_point.empty:
continue
entry_price = entry_point['open'].values[0]
exit_point = group[group['datetime'].dt.time > exit_time].iloc[0]
high_after_entry = group[group['datetime'] >= entry_point['datetime'].values[0]]['high'].max()
low_after_entry = group[group['datetime'] >= entry_point['datetime'].values[0]]['low'].min()
if high_after_entry >= entry_price + take_profit:
result = 'win'
profit = take_profit
elif low_after_entry <= entry_price - stop_loss:
result = 'loss'
profit = -stop_loss
else:
result = 'timeout'
profit = exit_point['close'].values[0] - entry_price
trades.append({'date': date, 'result': result, 'profit': profit})
return pd.DataFrame(trades)
【Claude】トレードルール実装コード
class FXBacktester:
def __init__(self, data: pd.DataFrame):
self.data = data
def simulate_trade(self,
entry_time: str,
exit_timeout: int,
take_profit: float = 0.0003,
stop_loss: float,
risk_reward_ratio: float) -> Tuple[float, List[Dict]]:
trades = []
entry_hour, entry_minute = map(int, entry_time.split(':'))
# 各取引日についてループ
current_date = None
position = None
for idx, row in self.data.iterrows():
dt = row['datetime']
# 新しい日の開始
if current_date != dt.date():
current_date = dt.date()
position = None
# エントリー時間でポジションがない場合、新規購入
if dt.hour == entry_hour and dt.minute == entry_minute and position is None:
position = {
'entry_time': dt,
'entry_price': row['close'],
'take_profit': row['close'] + take_profit,
'stop_loss': row['close'] - stop_loss
}
# ポジションがある場合、決済条件をチェック
elif position is not None:
# 利確、損切り、タイムアウトのチェック
if row['high'] >= position['take_profit']:
trades.append({
'entry_time': position['entry_time'],
'exit_time': dt,
'entry_price': position['entry_price'],
'exit_price': position['take_profit'],
'profit': take_profit,
'result': 'win'
})
position = None
elif row['low'] <= position['stop_loss']:
trades.append({
'entry_time': position['entry_time'],
'exit_time': dt,
'entry_price': position['entry_price'],
'exit_price': position['stop_loss'],
'profit': -stop_loss,
'result': 'loss'
})
position = None
elif (dt - position['entry_time']).total_seconds() / 60 >= exit_timeout:
trades.append({
'entry_time': position['entry_time'],
'exit_time': dt,
'entry_price': position['entry_price'],
'exit_price': row['close'],
'profit': row['close'] - position['entry_price'],
'result': 'timeout'
})
position = None
# 勝率を計算
if not trades:
return 0, []
win_rate = sum(1 for t in trades if t['result'] == 'win') / len(trades)
return win_rate, trades
【Copilot】トレードルール実装コード
class MyStrategy(Strategy):
entry_time = None
close_time = None
stop_loss = RISK_REWARD_RATIO * TAKE_PROFIT
def init(self):
pass
def next(self):
if self.data.index[-1].hour == self.entry_time.hour and self.data.index[-1].minute == self.entry_time.minute:
self.buy(tp=self.data.Close[-1] * (1 + TAKE_PROFIT), sl=self.data.Close[-1] * (1 - self.stop_loss))
if len(self.trades) > 0 and self.data.index[-1] - self.trades[-1].entry_time >= pd.Timedelta(minutes=self.close_time):
self.position.close()
総合評価として、現時点では一つのAIがすべての点で最良であるわけではなく、それぞれいい点、悪い点が混在する形とうことになります。
Perplexityで作成したコードをClaudeに説明・改善してもらう、または、その逆にClaudeの作成したコードをPerplexityで改善するといったことをするのがいいのかもしれません。
今回作成したコードを実際にテスト、評価する部分について続編でご紹介したいと思います。
実際に作成されたコードはこちらです。
最後に
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