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①今の私をつくった男の言葉
話しが絶望的に面白くない初めての彼
高校生の頃、恋愛が全てだった。頭の中95%は、恋愛で他の5%で他のことをまかなっていた。当時付き合っていた彼、その彼がいなくなったら本気で死ぬと思っていた。今振り返ると不思議で不思議で仕方ないけど、彼氏という存在が自分の一部のように思えた。
名前はタカサトといった。ヤンキーみたいな車やバイクが好きで、顔は細長いサル顔。痩せてて背はそこそこで、とてつもなく話しが長くて面白くない男だった。別に私の話しが面白いと言いたい訳じゃないけど、なんて言うのか人がつまんなさそうにしていたら話題を変えるという概念を持っていないそんな人だった。(めちゃくちゃ失礼)ただ、つまらない話を気付いてやめるのは、優しさであり、人といい関係を作る基本であり、マナーだと私は思うのだけど、タカサトはそれができない人だった。笑
話しが面白くないという致命的な(私にとっては絶望的な)要素を持っているタカサトのことを私は好きで好きでたまらなかった。もうどうにかなってしまうんじゃないかと思うぐらい本当に好きだった。
何が好きだったんだろう。話しが面白くない上にあんまり優しくなかったし、もう今となっては本当にわからない。わからないのだ。
はっきりは覚えていないけど、付き合って1年くらい経ったある日、いつもは結構すぐ返信をくれたり電話をしてくれたタカサトから連絡が途切れた時があった。そうだ。先輩たちとスノボに行く?そんな理由で一日以上タカサトから連絡がなかったことがあった。その時私は不安でたまらなかった。どうして連絡くれないんだろう。なんで?私のこと冷めたの?なんで?なんで?なんで?募る気持ちが前のめりに、気づくと何度も何度もメールや電話をしていた自分がいた。外はすごく寒くって実家のダサいくまさんプリントのカバーがかかったリビングのコタツの中で寝転がりながらずっとケータイと睨めっこしていた。
1日半以上経って、タカサトから電話があった。
「お前さーなんでそんな何回も電話するの?ってかさぁーそのお前の気持ち、重たいんだよね」
衝撃だった。重たいってなんだろう。確かに今、私は重たいと言われた。好きって気持ちが重たいって何だろう?大きな重たいハンマーで後ろから殴られたみたいに私は全てのやる気を失くした。ショックだった。本当にショックだった。
重たいと言われること
重たい
この言葉は高校生の私にとってかなりえぐられる言葉だった。自分の中の何かが終わっていくような、静かにゆっくりなくなっていくようなそんな感じだった。だから決めたんだ。重たくない女になろう。私は重たくない女、強い女になるんだって。
今の私は、この男のこの言葉でつくられたのだと思う。