藍を始めてわかったこと。動画ならこうして。
沖縄の藍型はインターネットでの動画の情報がほとんどない。唯一藍型を染めている城間紅型工房で実際染めている所は見せてもらったことは何度かあったが、いざやってみると細かいところがわからな過ぎて困った。そんな時ものすごく役立ったものがある。藍染師田中昭夫さんが淡々と藍を染めている動画だ。田中さんの住む埼玉県川口市が撮影した動画のDVDをいただいた。
本土の藍は沖縄の藍とは種類が違うので藍の建て方が異なるのだが、型染めにおける藍の扱い方は同じだ。だから沖縄でも全部参考になる
この動画はただそのままの田中さんを映しているのがとてもいい。音楽もないからちょっとした音も聞こえる。音は意外に重要で力の入れ具合など多くの情報がある。編集もあまり入れずに長く撮っているので、どのくらいの速度やリズムでやるのか動きと流れが逐一参考になった。
型置きの糊のねばり、水につけた時の布の様子、藍甕に浸す時の速度、布を持つ伸子(しんし)の掛け方と間隔、端が少し余った時の処理、この動作のときに左手はどこを持つのか?とかとか、もう全ての動きが参考になる。完成された動きから学ぶことは計り知れない。作業中疑問が浮かんだら夜な夜な動画を見返した。そして見るたび発見がある。自分がやればやるほど田中さんの無駄のないきれいな所作がわかり関心した。ほんと始めた頃なんて慌ててバタバタしてワーワーしながら動いてひどい動きだったはす。
田中さんは力強い訳でもなくキビキビ早い動きをする訳でもない、ただ淡々と時が過ぎていくような自然な動き、職人というのは極めたらこんな美しさになるんだ、鑑賞用としても良いと思う。気持ちよく眠りにつくためにもいい感じ。
だからだから、これから職人さん達の動画を撮ろうとしている関係者の人に届け、かっこよく編集したものは少しでいいから、ただただ動きを長く撮ったものもほしい。睡眠導入になるようなまったりした動画になると思うがそれが参考になる人は必ずいます!
そして藍型をやる人が増えてほしいので、私達もいずれ動画を残せたらなと思っています。