藍を始めてわかったこと。薄くなるのは色褪せ。
前回、本藍は色落ちしにくいということを書いたけれど、今回は色褪せについてです。
色褪せ、いろがあせるとは色落ちと似てるけど違う。色落ちは洗濯で落ちるだけど、色褪せはほっといたら色がどこかに飛んでいくという感じ。ほんと、どこに飛んでいっちゃってるんだろう。藍が飛んでいって帰ってこない。
藍布はジーンズみたいに使い古して薄くなっていくということ以外にも色が薄くなる大きな原因がある。それは光。光が苦手。ドラキュラは日の光にあたるとギャーってなるけど、藍は電気の光もダメ。蛍光灯がダメでLEDは大丈夫ときいたが、私は実験した訳ではない。
藍の服を部屋にしばらく吊るしておいたら光の当たっている部分だけ薄くなったり、お店に畳みっぱなしのTシャツがあったら表に出ているところだけ四角く色が薄くなって売り物にならなくなる、という経験をした人はたまにいる。これこそ色褪せ。
染めたてはとくに褪せやすい。染めてすぐの布をポイっと窓側の机の上にひと月ほど放置したらまんまとやられて、その後からはすぐに黒い袋に入れるようにしている。
でも、しばらく暗い所で寝かしておくと少し落ち着いてくる。時間が経つと色が飛びにくくなってくる。紅型染めにも同じことが言える。染めてすぐは強く洗うと色がすれて落ちるけど、何年も経った紅型は洗濯機でガンガン洗っても全然大丈夫。
布と染料と時間の間にはなにか作用があるんだろう。染色科学の世界は難しいから実体験でわかりやすくいうと、服についたシミはついてすぐなら洗って落ちるけど、乾いて何ヶ月もほっておくとシミが定着してしまう、というのと同じことだと思う。
とにかく藍製品は必ず暗いところにしまうが鉄則です。気をつけて下さい。