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生協DX学習会レポートvol.4~仕事の効率が大幅にアップする最新ツールと活用例~(後編)

このnoteではProduct Founderの増井雄一郎さんを講師としてお招きした生協DX学習会の後半の様子をお届けします!

今回は、DXを推進していく上で大切なこと、必要な人材について考えます。

▼前編はこちら

【増井雄一郎 プロフィール】
Product Founder & Engineer
Bloom&Co. CTO(最高技術責任者)
中学生の頃からプログラミングに興味を持ち、高校生の頃にはアルバイトでシステム制作を担うように。大学在学中、1999年にWeb制作会社を創業。その後フリーランスのエンジニアを経て、2008年アメリカに拠点を移しシアトルでBigCanvas,Inc.を創業。世界初の写真共有SNS iPhoneアプリをリリース。2011年に現ミイル(株)を、2013年に(株)トレタを創業。2019年7月にBloom&Co.に参画。著書「Ruby技術者認定試験合格教本 Silver/Gold対応 Ruby公式資格教科書」など複数。

●心理的安全性が重要

コラボレーションを行う上で最も大切なことは、「心理的安全性」だと言われます。自由に発言しても、誰からも咎められないという状況を心理的安全性がある状態といいます。会議中に「それはちょっと違うんじゃないか」と誰が言っても良く、拒絶されず、評価が下がることもない、という状態です。

元々心理学用語で、2015年にGoogleが労働改革プロジェクトで最重要項目として上げたことで広めた言葉です。それが元になって、スタートアップ界隈では心理的安全性があるかどうかを重視して、組織運営していることが多くあります。

●さまざまなシステムを使いこなしていくことが強みになる

生協は幾つかの事業連合があり、それぞれが違うシステムを持っているので、統一するのは難しいと思います。しかし、GoogleもOfficeもいつか陳腐化し、必ず何かに乗り換えることになります。システムを統一しなくてもDXが進められるということは、この先強みになりますし、今の価値として高いと思います。実際、会社を買収した後にシステムを統合しようとして失敗したという話はよくあります。そうならないためにも、いろんなシステムをうまく使いこなすことが、メリットになるのではないでしょうか。

例えば、チャットで書かれたことが指示なのか、文句なのか、ニュアンスがわからないことがあります。そのときは、基本的にポジティブに受け取る、自分は攻撃されていないと思うことが大事です。

どちらかというと書くスキルよりも、読むスキルを上げるほうがいいと思います。人間は書くよりも、読むほうが多い。読む時に「実はこう思ってるのに、こういうふうに書いているんじゃないか」と裏を取らないようにする、わからないことはきちんと聞く、聞くことが正しいことだという文化を創るなど、聞くほうのスキルを上げていく。書くほうがいくら失敗しても、聞くスキルが高ければ、「それってこういう意味に捉えたんですけど合ってますか」と聞けます。そのためには、間違ったことを聞いても責められないという心理的安全性があることが大事です。

●情熱を持った推進者が必要

DXを進めるために一番必要なのは、情熱を持って推進する人です。DX自体はトップダウンで行いますが、実際に定着させる、運用するという点については、やはり人の手や情熱が非常に重要です。

僕が以前在籍した会社では、あるドキュメント管理ツールを導入した人が、全部のドキュメントを読んで割り振ったり、検索のキーワードにするために書き方を統一するといいよとメンバーに幅広く教えてくれていました。このように、文化づくりを推進する人がいるかどうかが、DXの成功を左右します。

●人間は今より10倍便利にならないと自分の行動を変えない

「このソフトを使うと、自分は10倍便利になる」と思ったら、積極的に伝えていかないと、周りはなかなか行動を変えてくれません。こういったツールはみんなが使うことでさらに便利になっていくので、どんどん巻き込んで便利さを増やしていくのが今のやり方だと思います。

トップダウンで一気に導入すると、ほとんど失敗します。利害関係者が多いと、説得も複雑になります。自分が便利になった後に、自分とコミュニケーションを取る人が便利になり、次にコミュニケーションが多い人からチームになって、それがある日組織全体に広がるという形が理想的です。また、トップに便利さを享受してもらうというのも一つの方法論として必要だと思ってます。

●ITリテラシーよりもマインドチェンジが重要

スケジュールも、センシティブなもの以外は共有します。普通の人は、言っていいことだけを共有しますが、僕はNOと言わないかぎりYESです。マインドチェンジとして、「本当に駄目」というもの以外は、全部YESとすることをDXと同時に進める必要があります。

ITは道具でしかないので、どう活用していくかが重要です。どんどん複雑になっていく中で、人への信頼や共通認識や文化は、IT化すればするほど重要になります。ただ、その作り方自体もITに沿った作り方があります。Zoomでの会話や、どんなふうに自己開示するかということが、DXを生かせるかどうかを左右すると思っています。ツールの使い方よりも、それを使ってみんなが心地よく仕事ができるためにどうすればいいのかを考えていくことが大切です。

マインドチェンジはDXと同時に行う必要があると思っています。

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まずチームビルディングが大事、と言われることがありますが、それは「心理的安全性」の担保に繋がるなと気付くきっかけになりました。また「今より10倍便利にならないと自分の行動を変えない」など名言が続出で納得!思わず力強くうなずきました。他人を巻き込むためには、DXを「自分ゴト」に捉えてもらって、初めてマインドチェンジも進められるのではないかと思います。