生協DX学習会レポートvol.8~SNSの使い方から考えるZ世代へのアプローチ~(後編)
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントの長田麻衣(おさだ まい)さんによる、Z世代へのアプローチについてのプレゼンの後編と、生協でのSNS活用のディスカッションを振り返ります。
▼前編はこちら
●Z世代がSNSで大切にしていることを見極める
Z世代にとってSNSはコミュニケーションの場なので、企業としても自分たちの伝えたいことを伝えるだけの連絡網にしてしまうことは避けて、しっかりコミュニケーションの場にしていくことが重要です。
たとえば、よくあるリツイートキャンペーンもZ世代の場合は「このリツイートをすると周りの人たちにどう思われるだろう」と考えて、それが気になるから誰も見てない鍵アカ(※)でリツイートしよう、となる場合もあります。
それでは情報が拡散されなくなってしまうので、彼らが何をSNSで大事にしてるのかを意識して、そこに寄り添った関わり方をすることがポイントです。
●【事例紹介】2つの企業アカウントを使い分け
前回は、Z世代では複数アカウントの使い分けが当たり前と紹介しましたが、SHIBUYA109でも公式Instagramを2つ運用しています。1つはメインのアカウント、そしてもう1つが「やみかわ渋谷」というアカウントです。今「やみかわ」というファッションテイストが流行しているので、これが好きな人たちに向けた情報を発信しています。
「やみかわ渋谷」アカウントでは、24時間限定で投稿が表示される「ストーリー」という機能を使ってフォロワーに質問をしたり、投稿の参考にする写真を募集したりなど、フォロワーとコミュニケーションをとっています。
また、SHIBUYA109のファンと一緒に作っていくことを感じてもらえる場となるために、「写真アプリの盛れるエフェクト」などの直接関係ない投稿も混ぜ、親しみを感じてもらえる工夫をしています。
「誰に向けての情報なのか」「どうしたらストレスなく情報を受け入れてくれるか」「何をすればコミュニケーションを取りやすくなるか」を考えながらアカウントを運用していくことが大切だと思っています。
●Z世代とどうやってSNSでコミュニケーションしていけばよいか?
続いて、3〜5名でチームとなり、個人ワークで「明日から実践したいZ世代とのコミュニケーション」をテーマに、まずは個人でアイディアを考え、その結果をグループで話し合いました。
「Z世代とどうやってSNSでコミュニケーションしていけばよいか?」「Z世代の感覚を理解するにはどうしたらよいか」について、参加者から活発な意見が出ました。
参加者からは「手段云々というよりも、自己演出に長けているこの世代に向けて共感を目的に一緒に取り組むのか、その姿勢が大事だと思う。そのためには、まずは企業のマインドの醸成が大事でしょう」という意見が出たのが印象的でした。
その後、長田さんからのフィードバックでは「体験起点の商品のエピソードを作りたい」という意見に対して「韓国カルチャーが好きなZ世代の間では、韓国のお菓子とかテイクアウトをたくさん買ってきて、おしゃれな韓国ホテルにいるような写真を撮る『渡韓ごっこ』が流行しています。それをサポートするような、韓国料理のキットを販売するのもよいかもしれません」と助言がありました。
●まずは自身で体験してみること
長田さんからは、「生協のみなさんの熱量に感動しました。既に取り組まれていることや、これから実施したいことなど積極的な情報共有が見られ、とても嬉しく思います」という言葉をいただきました。
最後に長田さんからまとめとして、次のようなアドバイスをいただきました。
「Z世代にアプローチしていくときには、実際にInstagramのアカウントを作ってみるなどして、彼らが普段やっているコミュニケーションや情報収集の方法を実践してみることが大切だと思います。たとえば『ハッシュタグ検索はこう使うのか』といったことを体験してみるだけでも、かなり身近に感じられるようになってくると思いますので、ぜひトライしてみていただければと思います」
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次の時代の消費の中心になっていくZ世代。勉強会を通して彼らの価値観を知り、少し身近に感じられるようになったかもしれません。
SNSはつい情報発信の場にしてしまいがちですが、伝えたい相手に寄り添った投稿をしていきたいと思いました。このnoteもコミュニケーションの場にできるよう読者の皆様の立場に立って発信していきたいと思います!