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生協DX学習会レポートvol.8~SNSの使い方から考えるZ世代へのアプローチ~(前編)

生協では、若い組合員さんの加入や利用が伸びないことが課題となっていました。そこでZ世代をテーマに、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントで若者に特化したマーケティングチーム「SHIBUYA109 lab.」の所長を務める長田 麻衣(おさだ まい)さんをお招きして生協DX学習会を開催しました。今回のnoteではその様子をお届けします。

【長田麻衣 プロフィール】
総合マーケティング会社にて商品開発やブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109エンタテイメント入社。SHIBUYA109マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018年5月に若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」設立。毎月200人のaround20(15〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。

 

プレゼン「SNSの使い方から考えるZ世代へのアプローチ」

Z世代とは1990年代半ばから2010年代生まれの世代を指します。SHIBUYA109 lab.では、Z世代の中でも特に15〜24歳を「around20」と呼び、この世代の価値観を理解することをミッションに活動しています。

Z世代への理解を深めるうえで重要なポイントとなるのが、デジタルネイティブである彼らの価値観のベースにはSNSがあるという点です。

SNSで24時間365日友達や知り合いと緩くつながっている環境が当たり前なので、周りの目を常に気にしたり、周りとの調和を重視する人が多いです。実際にインタビューをしていても、「周りの目が気になるからこういうことはできません」「周りがこう思ってるから、こういう自分でいようと思う」といった言葉をよく耳にします。

講師を務めていただいた「SHIBUYA109 lab.」所長 長田 麻衣 さん

●Z世代のSNSの使い方

Z世代のSNSの使い方は、コミュニケーションと情報収集の2つに大別できます。コミュニケーションに関しては、ほとんどの人が初対面でInstagramのアカウントを交換します。画像なら投稿内容からその人の性格などを読み取りやすいのだと思います。SNS上で友達を作ることも積極的で、投稿されている写真を見て同世代かどうかを読み取るスキルがとても長けています。

そして、何かを体験した後はほぼ必ずSNSに投稿することもZ世代の大きな特徴です。大人からは「若者って発信したいんでしょ」「フォロワーを増やしたいからでしょ」と思われがちですが、実際はコミュニケーションを生みたいというモチベーションで投稿しています。Z世代は、自分が体験したことや好きな商品を共有することを通して共感でつながっていくことに価値を感じています。

●複数アカウントの使い分けが当たり前

もう一つ知っておきたいのは、Z世代は各SNSでアカウントを1人3本くらい持っていて、使い分けているということです。

「そんなことをしていたら疲れるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は「この話題はこのアカウントでしよう」「この投稿はこのアカウントのほうが盛り上がるな」という使い分けをして相手との距離感を調節し、ストレスなくコミュニケーションを取っています。
常に「見せたい自分」「見られている自分」を意識し、それに合わせてアカウントを使い分けることは特別なことではないようです。

Z世代は情報収集でも自分の欲しい情報に合わせてSNSの使い分けをしています。たとえばTwitterは新聞やYahoo!トップページと同様に、今どんなことが世の中で起きているのかを見るためのツールになっています。
また、YouTubeはメイクのやり方や料理のようにプロセスを見たいときによく使われ、Instagramはすべての情報を網羅しているためSNSの中心的な存在になっています。この2年ほどはTikTokもよく使われていますが、これは同世代がどんなことをトレンドとして楽しんでいるのかを知るために使われていることが多いです。

それぞれの特徴に応じた使い分けをしているので、企業がSNSでアプローチをする場合にも、共有したい情報の内容によってSNSを使い分けていく必要があると思います。

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世代によって大きく違うSNSの使い方。世代ごとで「当たり前」が異なることが長田さんのお話からよくわかりました。実際に私もSNSで複数アカウントを作成していますが、使いこなすまで少し時間がかかりそうです…(さきむらはギリギリZ世代なのですが😂)
後編では、Z世代に向けたSNSでのコミュニケーションの実例や、そこから考えた生協でのSNS活用のディスカッションの様子をご紹介します。