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全国の力で生協の未来を創る ~デジタル活用で組合員の願いを叶えるために七夕本部長が想うこと~

DX-CO・OPプロジェクトでは毎年、新任のメンバーが加わっています。
そのうちのひとりで、新たに着任された七夕本部長にDX-CO・OPプロジェクトへの想いを聞いてみました。

(プロフィール)
七夕誠司(たなばたせいじ)
日本生活協同組合連合会 事業企画・デジタル推進本部本部長。
コープかごしまに入協し、支所長、店長、グロッサリー商品部長など経験。その後、コープ九州事業連合へ出向し、食品商品部・商品政策部・事業政策支援本部を経て、2023年、日本生協連へ移籍。 
好きな言葉は「悠々として急げ」「酒は飲んでも飲まれるな」・・・(笑)


――着任されてからプロジェクトに入ってどう感じられましたか?
DX-CO・OPプロジェクトをはじめる際、『これからの生協』という資料をまとめていますよね。冒頭に書いてある「組合員のみなさんがどんなことに困っているか・・・」という課題から検討していく点に、とても共感しています。

「デジタルでこんなことができる」よりも前に、組合員のみなさんや地域の消費者や関係者のみなさんが、生協に何を期待し、あるいは現在どんなことに不便を感じているのか、検討はそこから行わないといけない

(「これからの生協」‐アフターデジタルで進化する、生協の提供価値‐より抜粋)

ただ、現状の中で、「仕組みを作ること」が目的になってしまっているように感じる場面があります。また、アジャイルで取り組み、トライ&エラーでスピード感を持って進めていくイメージでしたが、判断が必要な際にトレードオフで考えられていないのではと思うこともあります。『これからの生協』に立ち返ると、本質的に意味のあることなのかを評価していかなくてはいけないのですが、本当に組合員のために、役に立つものなのかの評価が置いていかれている場面もあるように感じることもあります。
そのため、プロジェクトや、関わるメンバーがより闊達に課題や仕事に向き合えるような、全体の会議やミーティングの見直しも始めています。
プロジェクト全体のスピードを上げていく必要はありますが、それぞれのチームの開発テーマのもとになる、コンセプトとの関係性を常に意識しながら、本質を見失うことなく、取り組みのスピードをあげていかなくてはいけません。そこで大事なことは、「こんなことができる」ではなく「組合員がなにを求めているのか、組合員の役に立つことか」
このような仕事への向き合い方を通して、日本生協連の中だけではなく、全国の生協で一緒に取り組む、全国レベルでのDX-CO・OPプロジェクトにしていきたいと考えています。
 

――七夕本部長が期待されていると思うことは?
もともと、デジタル推進委員の委員長を務めていました(全国の主要生協のデジタル担当者が集まる委員会)。その際、委員長として「誰かがやるのではなく、全国の生協の力で進めデジタルを活用した、変革の機運と場づくり」の役割を感じていました。
今回から、日本生協連の職員の立場となりましたが、会員生協との関係を「日本生協連」ではなく「日本生協連」と言われるようにしたいですね。なぜなら、組合員から見るとそれぞれの組織は「役割分担」をしているだけですから。そのような関係性や、全国の皆さん一緒に取り組んでいける場をつくっていくことが役割だと思っています。
また、日本生協連の内部は「縦割り組織だ」と言われることもありますが、例えば、縦割りの組織や仕事でコープ商品(プライベートブランド)を作ることはできません。商品を開発し、品質の検査を通し安全性が担保され、物流網があるから全国の組合員のもとに届きます。基本的に部署間で協力して仕事をしていますが、部署横断のコミュニケーションを取る場やチャンスが少ないだけで、有機的に繋がっている組織だと感じています。その、有機的な繋がりをさらに良くし、日本生協連の組織としての総合力を、より高めていくことにも、微力ですが貢献していきたいと思います。

――七夕本部長から見て、日本生協連の役割はなんでしょうか?
色々ありますが、一つは「(全国連帯の)縁の下の力持ち的なまとめ役」だと思っています。
取引先から見ると、日本生協連が本部のような立場に見えることがあるようですが、そんなことありません。
組合員のための会員生協であり、事業連合があり、それを支えるのが日本生協連です。

▲生協の組織を表すとこのような形になります

その意味では、日本生協連の職員は少ない人数で一人ひとりの能力を高めながら、全国の生協への貢献を果たしていると思います。
だから、なんだかんだ頼りにされる存在になっていると思います。
いざ自分がこの立場になると、こんなに大変とは思わなかったけど(笑)
生協の中での「連帯」とは、全国の生協にそれぞれのルールがある中で共通項を見つけて前に進めること。言うのは簡単だけれども、想像以上にエネルギーがいるなと実感しています。

――では、DX-CO・OPプロジェクトの目指す姿は?
「デジタル技術を使って、組合員の願いを叶える。そのために、一人の力ではなく、全国の仲間と!」
これに尽きます。デジタル活用での全国の取り組みは求心力があると思います。自分たちだけではできないが、全国でやればできることはあるはずで、大きな可能性がありますね。
ただ、金の鉱脈はすぐに見つかるわけではないから、矛盾する言い方ですが、根気とスピード感の両方を持つ必要がありますが。
 
「デジタルでこんなことができる」「今の技術はこんなことができる」と語れる人は、世の中にたくさんいます。ですが私たちに大事なのは、デジタルを活用していくことで「実現したい組合員の願いや、世の中の豊かな暮らし」の未来を描き、語りあうことです。
会員生協、事業連合、日本生協連の多くの仲間が全国はいます。それぞれの組織で役割があり、立ち位置も違いますが、目指す峰は同じで、行く先は一緒のはずです。
気が付いたら同じ方向を目指している。だったら一緒に荷物をもっていこう、となるはず。
決して一人ではないです。
デジタルに対する未来、なんて話せないけど、みんなで未来を描き、実現するためにみんなで力をあわせて頑張っていこうと思います。

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「それでなにができると?」と、時折、九州の方言を交えながら話していただきました。
最後に「決して一人ではない、うん、良い決め台詞!」とお茶目に言っていたのが七夕本部長のお人柄が出ており、非常に和やかなムードでインタビューさせてもらいました。
デジタルを手段に、生協の、そして組合員さんの明るく楽しい未来を作っていきたいと、原点を思い出させていただきました。
これからも七夕本部長についていきます!
今回もお読みいただきありがとうございました♪