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仮説の立て方、知っていますか?

こんにちは。
税理士法人上坂会計 DXメンターチームの笹岡です。

仕事の中で、「仮説を立てる」ことの重要性は、よく言われます。
今の業務の課題を発見する際にも、新しい商品サービスを企画する際にも、まずはちゃんと仮説を立てて考えることが、打率を上げる有効な方法であるとされています。

でも、仮説の立て方を、誰かに教わったことありますか?

教わったことが無いという方が多いのではないでしょうか。

仮説を立てることの大切さは知っているけど、そのやり方は知らない、という人に向けて、今回は仮説の立てるための手法の1つである、アブダクションをご紹介したいと思います。

アブダクションというのは、仮説推論とも呼ばれ、ロジカルシンキング系の書籍を読まれたことがある方なら、聞いたことがあるかもしれません。

アブダクションとは、一言で説明すると、すでに知っている知識(前提)を基にして、実際に起こっている事実を説明付けるような考え(仮説)を導く推論方法のことです。

百聞は一見に如かず。
以下の図を見てください。

アブダクション①

前提、事実、仮説という3つの箱があります。

事実には、「恋人が怒っている」と書かれています。
これは、今あなたの目の前に恋人がいて、恋人がムスッと不機嫌そうにしている状況を想像してください。

あなたは、なぜ恋人が怒っているのか、全く心当たりがありません。
恋人が怒っている理由を探るために、アブダクションを使って仮説を立ててみたいと思います。

アブダクションにおいては、現在目の前で起こっている事実に対して、前提を設定します。前提には、自分が知っている別の事実や一般常識などを当てはめます。

例えば、「恋人はお昼ごはんを食べ損ねている」という事実があったとします。それを、前提に当てはめてみます。

アブダクション②

前提から事実に向かって、矢印が伸びています。
「恋人はお昼ごはんを食べ損ねている」という前提があり、そして事実として「恋人が怒っている」。

前提と事実、この2つを繋ぐためには、何が成立すればよいのでしょうか。
これを考えるのが、仮説になります。

この例では、「恋人はお腹を空かせて、不機嫌になっているのではないか?」という仮説が一番あり得そうですね。

アブダクション③

これが、アブダクションにおける仮説の立て方の一連の流れです。

ここではまず、仮説を立てたい事実「恋人が怒っている」を設定しました。
その後、その事実の前提となる別の情報「恋人はお昼ごはんを食べ損ねている」を設定しました。すると、その間をつなぐための仮説「恋人はお腹を空かせて、不機嫌になっているのではないか?」が自然と浮かび上がりました。

アブダクションには、いくつかのメリットがあります。

一つ目が、シンプルに考えられるという点です。事実、前提を埋めれば、感覚的に仮説を考えられるようになっていますので、取り組みやすいです。

二つ目が、非常に直感的に仮説を立てられるということです。仮説を立てるために、別途データを必要とせず、自分が知っていることベースで仮説を考えられるため、手軽に仮説を得られます。

三つ目が、前提を変えれば、色んな仮説を立てられるという点です。先ほどは前提として「恋人はお昼ごはんを食べ損ねている」としましたが、他の情報を前提とすることもできますよね。
例えば、「(世間一般として)自分の恋人が異性を話しているところを見ると、腹を立てる人もいる」という前提を設定してみます。

アブダクション④

すると、「自分が異性の友達と話しているのを見て腹を立てたのではないか?」という仮説が立ちます。
アブダクションのユニークさは、何を前提に置くかで全然違った仮説を立てられることにあります。事実に対して、いきなり仮説を考えると、自分がすぐに思いつくような思考に囚われてしまい、それ以上に思考の幅を広げることができません。一方、アブダクションのように前提をベースに仮説を考えることで、それまで自分が思ってもみなかった別の視点から仮説を立てることができることもあります。

どのような前提がありうるのか、複数人でブレストして案を出し合ってみると、より一層の効果が出るでしょう。


仮説を立てるための手法としては、アブダクション以外にもいろいろな手段があります。しかし、それらはなかなか取り組みにくいものも多いので、気軽にできるアブダクションは非常におすすめの手法だと思います。

是非、皆さんの業務の中でも試してみてください。


今回の記事が、少しでも皆さんのDXの理解に役立てば幸いです。
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