金持ちジュリエット
「ジュリ」はクラス、いや学校のマドンナだった。
日本人離れした美貌と社長令嬢ということから「ジュリエット様」というあだ名が付いていた。
勇気のある男どもが何人も告白したが誰一人成功しなかった。
それは彼女の秘密が理由にあった。
ジュリは密かに同じクラスの「ミオ」と付き合っていたのだ。
ミオはジュリに比べると、目立たない普通の女子高校生だ。
しかしミオの落ち着いた雰囲気や笑顔が自然と周りを安心させる。
そんなある日、ミオとジュリが付き合っているのではないかという噂が出た。
その噂を聞いたジュリの父親は、学校を辞めさせジュリを海外へ留学させるように手配した。
悲しみに暮れたジュリは、仮死状態になる薬を飲み両親を騙し、ミオに会いに行こうとした。
しかし、ジュリの訃報を聞いたミオはショックのあまり毒薬を飲もうとしていた。
ちょうどその時、「ミオ待って!」
間一髪でジュリはミオを止められた。
それから二人は手を取り合い、とにかく走り続けた。