『空飛ぶストレート』
「全員、剣は持ったか?準備はできてるな?」
みんな剣を持つその手は、緊張で汗びっしょりである。
「よし…!」
「じゃぁ、私から始めるとする。他の者は私に続いて、順番に思いっきり刺していくんだ!」
各々が自分の直感を信じて、1つのターゲットに向かって剣をブスブスと刺していく。
それぞれが1回ずつ、ターゲットに対して剣を刺し終えた。しかし、そのターゲットはかなりの数の剣が刺されているのにも関わらず、まだビクともしない。
2週目のターンに入る。
ゴツゴツした大きな手の男が剣を刺した。
次の瞬間………!!!
「ポン!!!」
先程までビクともしなかったターゲットが、急に空に向かって、真っ直ぐに勢いよく飛び出した!
「あーーーーー!!やってしまったーーー」
剣を刺したその男が叫ぶ。
「はい、お前の負けー!罰ゲームで一発ギャグな!」
ダダ滑りしたその男の足元には、虚しくも笑っている黒髭の海賊が横たわっていた。