102.10:02 ドラマ『この世の果て』を知っていますか?
やっと、やっと朝は秋らしい気温に落ち着いてきた。
待ち望んだ秋の気候はもうすぐそこかも。
先日、ふとしたきっかけで思い出した平成ドラマがある。
『この世の果て』
ご存じだろうか。
三上博史さんと鈴木保奈美さん主演のヒットドラマだ。
調べたところ1994年のドラマだった。
ストーリーはうろ覚えだ。
三上さんはピアニストだとか、主人公の妹は目が見えないとか、断片的には覚えているのだが、幼い私には理解できない部分も多かったので、詳しくは覚えていない。
ただ、非常に強烈に印象に残ったシーンがある。
鈴木保奈美さん演じる「まりあ」が、花嫁姿でヘリコプターから飛び降りるシーン。
何でそんなことをしたのかは思い出せないが、まりあはヘリコプターから飛び出した。
普通に考えたら自殺行為だ。
ただ、結局彼女は生きていたはず。
当時の脚本というか、ストーリーはものすごく激しいものがあった。
映像が今ほど鮮明ではなく、ドラマはドラマだと割り切って見られたので、突拍子のない事でも「ありえる」ことになっていたように思う。
ふとしたきっかけで思い出したこのドラマ。
30年まえの記憶が蘇るのは一瞬だった。
逆に言うと、これ程強烈なものを30年間記憶の底に押し込めて、思い出しもしなかった。
人間の記憶力は不思議だ。
何故忘れられるのか、何故一瞬にして蘇るのか。
そんなことを考えさせられた。
今の私が覚えていると思っていること以上に膨大な「思い出」があるのだろう。
ちょっとしたことで、それらは思い出せたり出せなかったり。
私は思い出したいことがある。
幼い頃の「じいちゃん」との思い出だ。
じいちゃんと呼んでいたが、正確には曽祖父である。
私の親代わりと言ってもいい存在だ。
赤ちゃんの頃から、小学校までずっと面倒を見てくれた。
じいちゃんとの思い出が全然思い出せないわけではない。
一緒にあぜ道を散歩したこと。
テレビで時代劇や相撲を見たこと。
思い出せるものもあるが、今はもうじいちゃんの「声」が思い出せない。
何と言ってくれたのかが思い出せない。
大好きだったじいちゃんとの思い出は決して忘れはしない。
ただ、「じいちゃん」そのもの、生きたじいちゃんの姿が私から消えかけているようで、とても悲しいのだ。
強烈なドラマを思い出せたように、じいちゃんの声や話してくれたこと、表情を思い出せたらいいのに。
そんなことを、思った。
ふとしたきっかけで、じいちゃんとの思い出が鮮やかによみがえることを願って。