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52.9:39 それは「愛」なのか。ルーヴル美術館展に行って

暑くても秋の気配を感じられる。
日本人の四季を感じる力はすごい。
どこまでも繊細だ。


『ルーヴル美術館展 愛を描く』に行った。
「愛」とは一体…。
そう思った。
行く前の想像とは違う絵が多かったからだ。
神話の神様でも市井の人々でも、一方的で暴力的な愛は、果たして「愛」なのだろうか。
などと色々考えさせられた。

最近絵を見て「考える」ようになった。
以前は「感じる」ことで終わっていた。
「感じる」ことは芸術においてもっとも根源的なことだが、それに加えて「考える」ことで、より芸術作品への理解が深まる。

私の鑑賞スタイルは変わったのだ。
それは、以前ある本を読んだからだ。

『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』
とても面白く、参考になる本だった。
13歳は遠い昔になってしまっていても、読み応えのある本だ。

画家の意図も大切だが、鑑賞者なりの見方や考え方も大切だと学んだ。
そしてそれをアウトプットすることでそれらが深まることも。

今回の美術展では、心が痛くなるような絵が何点かあった。
今の価値観で、当時の絵を判断することが正しいかどうかは分からないが、絵の中の登場人物の心を思うと、悲しくなってしまった。
どうしてそう思うのか、そしてどこからそう思ったのか。
そう自分に問いかけて、考えてみた。
そうすることで、絵に対する理解が深まった。

価値のある絵だから、今回の美術展に出品されていることは間違いない。
ただ、全ての絵を好きになったり、素晴らしいと思ったりしなくていい。
感じて、考えたことが、私にとっては全てである。
好きになれなかった絵もあったが、それで良い。
そう思えた。

今回の美術展では、素晴らしい作品を見られた満足感と、頭を使って思考した充実感があった。
そうやって、アートと向き合えたことが嬉しい。

次はどの美術展に行こうか、今からワクワクしている。





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