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【詩】まっすぐに明日へと続く道の歩き方
一度繋いだこの手を
もう一度ギュッと握りしめて
ふたりが決して離れないように
先の見えない暗い闇でも
ふたりなら迷わずに進める
君が教えてくれたんだ
まっすぐに明日へと続く道の歩き方を
だからもう振り返らずに
ただ前を向いて疾り抜ければいい
一度は繋いだ手を
もしも離してしまっても
君のことは見つけられるよ
だって僕らの約束の場所には
僕と君が必ず一緒に居るから
【詩】ライトシアンの風
ぽつんとひとり道に立って
僕は空を見上げている
君のいない この景色に
代わりに何を描けばいい
空の色はライトシアンを水で薄めて
白い雲は そのまま白紙でいい
やがてマゼンタに染まりゆく
今はまだ 透き通った蒼
手を伸ばしても届かなくて
いくつもの思い出が揺らめく
君の声が聞こえた気がして振り返る
風に揺れて 星が瞬く
それとも星の瞬きが風になったのか
しがない水彩画家の恋は
油絵の
【詩】菜の花を一輪ください
その菜の花を一輪ください
テーブルの花瓶に生けたいのです
家族に笑顔がこぼれるように
その菜の花を一輪ください
あの人のポケットに挿したいのです
あの人に笑顔が向けられるように
その菜の花を一輪ください
道の片隅に植えたいのです
街中に笑顔があふれるように
その菜の花を一輪ください
花束ではなく一輪でいいのです。
葉も茎も見ていたいから
【詩】辛口マスタード
君は辛口マスタード
その刺激で男を殺す
近づく男をしびれさせ
目にも止まらぬ
knock down
僕は甘い言葉で誘うけど
君のガードは固くって
容易く落ちるほど甘くない
君は辛口マスタード
僕のハートを粉々に
右ストレートで
knock down
【詩】食前食後おやすみ前に
白んでゆく空に
鳥たちの声と薫る珈琲
透き通るほどの翠と
羽ばたく高積雲
赤紫のグラデーションに
滲む三日月
食前食後おやすみ前に
あなたが処方した笑顔が効いてくる
そして優しい時間に包まれて
いい夢を
また夢の中で
あなたが処方した特効薬も
今の二人には効かないようだ
【詩】夢見るあじさい恋物語
つばめが巣立った軒下に
今は揺れるてるてる坊主
真似して風に揺れてみる
水無月
白いあじさい雨物語
梅雨の合間の晴れた日に
透き通る青空見上げてる
こころに写った空の色
晴れの日
蒼いあじさい夏物語
月の綺麗な真夜中に
一緒に游ぐ水鏡
闇に溶けてしまわぬように
十六夜の月
紫あじさい夢物語
私に水をくれる人
私に命を与えてくれる
あなたの笑顔が見たいから
想いの限りに咲き誇る