【第7回】米国株オプション復習QUIZ
みなさん、こんにちは!いつも、こちらのnoteをご覧いただきましてありがとうございます。
前回までの記事で、オプションの基礎的な説明は完了しました。今後は、実際にどうやってオプション取引をしていくか?という話に移っていくのですが、結構、これまで盛りだくさんの内容を駆け足で説明してきたので、理解が追い付いていない部分も多いかと思います。
そこで、今回は、これまでの知識を整理するために、QUIZをしながら復習していきたいと思います!
それでは問題スタート!
【第1問】オプション取引
以下の文章を読み括弧に当てはまる言葉を答えなさい。
「第1問」解説
第1問はオプション取引で使用される言葉の理解を確認する問題です。これは特に解説は必要ないと思いますので、下記解答を確認してわからない部分はこれまでの講座を復習していきましょう。
【第2問】米国株オプション取引
「第2問」解説
今回は米国株オプション取引に関する問題です。順番に確認していきましょう。
米国株オプション取引とは、原資産に米国株式を用いたオプション取引となりますので、No.1は正解となります。米国市場に上場している株式、ETF等を原資産にしたオプション取引となります。
米国株オプション取引では、100株単位で取引きを行いますので、No.2は不正解となります。ちなみに、日経225オプション取引は1000倍となっており、米国株オプション取引はレバレッジが低く、比較的安全な取引と考えられております。100株をオプション1枚と言うことが多いので覚えておきましょう。
米国株オプション取引はアメリカン・タイプという決済方式を採用しておりますので、満期日ではなくても自由に権利行使が可能です。よって、No.3は正解となります。ちなみに、日経225オプション取引等の指数系オプションでは、ヨーロピアン・タイプが採用されており、満期日にのみ権利行使されます。
米国株オプションでは、米国市場に上場している株式だけでなく、ETFも原資産にすることが可能ですので、No.4は不正解となります。
サクソバンク証券で米国株オプション取引を行うためには、オプション専用口座の開設が必要となります。よって、現物株とは違う口座を開設しなければいけませんので、No.5は不正解となります。
【第3問】オプション価格
今回はオプション価格に関する問題です。とても重要な問題ですので、間違えた場合は、復習しておきましょう!
「第3問」解説
コールの本質的価値は、権利行使価格で取得した現物株を所有している時の含み益と同じとなりますので、No.1は正解です。プットの場合は、株をショートしている場合の含み益と同じになります。本質的価値を計算する場合は、権利行使価格と現在の価格の差で求めることが可能です。
オプション価格(プレミアム)は時間的価値と本質的価値から構成されます。時間的価値はITMになる可能性につけられた期待値であるので、時間が経過するとITMになる期待が下がってくるので、時間的価値は減少していきます。よって、No.2は正解となります。
本質的価値はタイムディケイにより減衰することはありません。タイムディケイによる減衰するのは時間的価値のみになることも理解しておきましょう。
下図をご覧ください。原資産の価格が権利行使価格に近づくと時間的価値が大きくなっていくのがわかると思います。よって、No.3も正解となります。ちなみに、ATMでは時間的価値が最大であることもとても重要です。
DITMになると、権利行使される可能性が高まるので、時間的価値は少なくなっていきます(上図参照)。DITMになると、どんどん時間的価値が本質的価値に置き換わっていくとイメージしてください。最終的には、ほぼ本質的価値のみになっていくので、株を100株所有している状態と同意になります。よって、No.4は不正解です。
ボラティリティが大きいと時間的価値が増大しますが、本質的価値は変化しません。よって、No.5は不正解となります。本質的価値は、上図のグラフのとおり、原資産の価格が変動した時にのみ変動します。権利行使価格と原資産の価格の差に相当します。
【第4問】オプション損益図
「第4問」解説
(1)グラフを確認すると、原資産の価格が上昇すると利益が増加しておりますので、オプションの種類はコールオプションとなります。また、グラフは損失限定・利益無限大となっておりますので、売買の種類はオプションの買いとなります。
今後は、グラフの形を見て、すぐにコール買い、プット売り等を判断できるようになると、とても便利ですよ。
(2)横軸の100円は権利行使価格と呼びます。コールオプションの場合は、この権利行使価格より株価が上昇した場合に利益が得られます。プットオプションの場合は、権利行使価格より株価が下落した場合に利益が得られます。コールオプションの逆になります。
(3)オプション取引の際に、オプションに付けられる値段をプレミアムと呼びます。コールオプションの買いの場合、プレミアムを支払って、コールオプションを買うことになり、その時の最大損失はプレミアムの額になります。よって、グラフから最大損失を確認すると30円になりますので、プレミアムの価格は30円となります。
(4)コールオプションの場合、満期の価格>権利行使価格であれば買い手にメリットが発生しますので、正解は権利行使価格である100円になります。
…と言いたいところですが、問題は「買い手が権利行使可能な価格は何円か」という問いです。米国株オプションのようなアメリカンタイプの場合、満期日以外でも権利行使できることは前述してますが、実は、OTMの状態でも権利行使は可能です。よって、正解は何円でもになります。
ちょっとひっかけ問題のような感じになりましたが、これはとても重要な事であるので覚えておきましょう。
通常、OTMの状態(本質的価値がない状態)で、権利行使することは稀です。なぜなら、権利行使した時点で、権利行使価格の株を所有することになります。となると、現時点で残っている時間的価値をすべて放棄してしまうことになるからです。(これについては次回以降の講座で説明します)
【第5問】コールオプション取引
「第5問」解説
(1)『P&Gの株を150ドルで購入する権利』であるので、コールオプションとなり、Bさんにこの権利を売っているので、売買の種類はオプションの売りとなります。
(2)プレミアムはオプションの値段ですので、オプションの売り手が取得します。よって、プレミアムを受けるのはAさんになります。また、コールオプションを2枚(200株相当)をBさんに60ドルで売却してますので、1枚あたりのプレミアムは30ドルとなります。
(3)コールオプションの場合、損益分岐点は権利行使価格にプレミアムを加えた値となりますので、
正解は180ドルとなります。
(4)P&Gの株価が150ドルとなった場合、権利行使価格が150ドルであるので、この状態をAt the Money(ATM)と呼びます。また、ATMはOTMの一部であり、本質的価値を持ちませんので、本質的価値は0ドルになります。ATMは時間的価値が最大であることも覚えておきましょう。
(5)満期日にP&Gの株価が200ドルとなった場合、150CはITMとなってますので買い手が権利行使を行います。これに伴い、Aさんは、Bさんに150ドルで200株を売却する義務を持ちます。
Aさんは、幸いの事にP&Gの株を取得価格100ドルで200株を所有しておりますので、この200株を150ドルで売却すればいいわけです。
よって、Aさんは10,000ドルの利益を獲得します。また、150Cを売ったことにより、プレミアムを6,000ドル(30ドル×200株)受け取ってますので、合計で16,000ドルの利益となります。
Aさんがもしコール売りをしていなければ、市場で200ドルで売却して20,000ドル(200ドルー100ドル)の利益を獲得することができました。結果的には、Aさんは損をしてしまったのですが、P&Gの株価が必ず上がるという保証もありません。もし、P&Gの株価が満期日に150ドル以下であれば、現物株を保有したまま、6000ドルを獲得できたわけです。
実は、今回のAさんの取引こそが、今後説明するカバード・コールと呼ばれる取引そのものになります。現物株の上昇の利益を捨てる見返りに、プレミアムを獲得し、株価下落のヘッジとする手法です。
カバード¥・コールについては、今後、詳細について説明をしていきますので、まずはコール、プットのオプションの特徴を理解しておいてください。
まとめ
今回は、オプションの基礎のまとめとして復習QUIZを出してみました。皆さん、正解できたでしょうか?もし、間違った部分がありましたら、過去の講座を見直して復習いただければと思います。
本日も最後まで御覧いただきましてありがとうございました。次回はいよいよ、具体的なトレード例から実践的な手法を学んでいきたいと思います。次回の記事も御覧いただければ幸いでございます!
ありがとうございました!