2023年7月18日

相変わらず、どうしても午前中は使い物にならない。難儀な心と体である。

デヴィッド・クローネンバーグ監督の『裸のランチ』をみた。ビートニクの神様、ウィリアム・バロウズの原作とはだいぶ違う話になっているらしい(私は原作を読んでいないのでわからない)。映画版はバロウズの人生を踏まえている。主人公の名前がウィリアムだし、害虫駆除員だし、酔って妻を「ウィリアム・テルごっこ」で殺してしまうし、というか、バロウズが『裸のランチ』を書いている様子を描いているという感じ。デカい虫が何回も出てきて気持ち悪かったが、物語自体がやたら面白いので良かった。きっと原作はもっと脈絡がなくて訳わからないんだろう。インターゾーンでフロスト夫妻と関わりを持つ男娼のキキがすごく綺麗でかっこよくて可愛かった。

そのあと書店に寄ったけれど、『裸のランチ』は意外と高くてやめた。森博嗣『馬鹿と嘘の弓』(講談社文庫)が出ていたので買った。ノベルスですでに読んでいたけれど、森博嗣の本は文庫で揃えたいと思っている。

「持てる者は、頭を下げてひれ伏す者には与える。今の世の中はそういった仕組みのように見えます。しかし、本来の基本的人権というのは、そうではありません。持てる者も持たざる者も、人間として平等であり、同じだけ生きる権利を持っている、自由に振る舞う権利を持っている、という意味です。はたして、今の社会は、そうなっているでしょうか? 昔よりは、だいぶましになっているとは思いますけれど」

森博嗣『馬鹿と嘘の弓』(講談社文庫)、p.198


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