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知らんぷり(詩)

絶対にありえないと知ってるから
期待してないような口ぶりだけど
夢の中で足を運んでしまうんだ

薄暗いのがよく似合う季節だから
ひどすぎる素顔もバレないけれど
君には知られてしまってるんだ

散らばった紙を まとめて捨てよう
積み上がった量 笑うしかないよね

雨の中でも太い管に繋がれても
待っているよ 知らんぷりしながら

コーヒーが飲めるようになっても
待っているよ 馬鹿みたいなツラでさ

君のその姿と形を知っているから
魂まで一緒みたいな口ぶりだけど
聞かれても分からん事だらけだ

歪んだ三日月はあの頃と同じなのに
どう見ても違う何かに見えてるのは
君が側にいない事が原因なんだ

別れを言うのは 寂し過ぎるから
黙っていたのは 僕の方なのにね

霧の中でも志がなくなっていても
待っているよ 知らんぷりしながら

標識の影に隠れてしまっていても
待っているよ 何もなかったみたいに

知らんぷりしているから
その後に笑っていたいから

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