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麦茶(詩)

丸い雫の跡 畳の匂い 
座布団を枕にしている

風鈴も鳴かない 時は止まった
緩やかさだけがそこにある

もう少ししたら野球中継とわらび餅屋さんが
1日の終わりに告げに来るっていうのにさ

僕の怠惰さ 
出しっぱなしの麦茶だけが知ってる

にわか雨上がり はしゃぎ出す子供達
跳ね回っている雫

風は吹かない方が それすら暑い
心地よさだけがそこにある

夜中には蚊が20匹くらい飛んできて
体を痒くしていくっていうのにさ

僕の悲しさ
出しっぱなしの麦茶だけが知ってる

この人生のいく先
出しっぱなしの麦茶だけが知ってる

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