カバーアルバムを出すなら(エッセイ)
最近知って驚いた事がある。眠れない夜に妄想するのって、一般的じゃないんですね。
若干不眠気味な体質のせいもあって、僕の中の妄想の種類は多分百を超えている。それはストーリー性を伴うものもあるし、単発企画のようなものもある。頭の中では、野球選手に、ヒーローに、独裁者に、ロックスターに、社長に、学生に、と多くの誰に知られない物語が展開されている。誰にも明かすつもりはないけれど(恥ずかしすぎる)。
さて、今回は妄想の中でも単発企画のものを取り上げてみたいと思う。これは、頭の中で作ったお題について真剣に考えるというものだ。例えば、「カバーアルバムを出すとしたら、曲順どうする？」とか、「今の自分のまま、那須川天心に勝つためにはどうしたらいいか？」とか、くっだらない問いについて真剣に考えるという事だ。これを妄想と呼んでいいかは自分でもよく分からないが、他の呼称が思いつかないのでとりあえずそう呼ぶ事にする。
さて、今回はカバーアルバムについて発表しよう。一晩考えた結果がこれである。
1 キルミー/Sunny Car Wash
2 ワンダーフォーゲル/くるり
3 夜明けのBEAT/フジファブリック
4 踊り子/村下孝蔵
5 ピカピカ/川本真琴
6 水星/tofubeats
7 キャノンボール/中村一義
8 制服/松田聖子
9 フロントメモリー /神聖かまってちゃん
10 卵とじ/倉橋ヨエコ
11 雪風/スピッツ
12 Goodbye, our Pastels Badges/The Flipper‘s Guitar
グッチャグチャだな、おい。でも構わない。僕のカバーアルバムなんだから。僕が良ければそれでいい。解説を入れる事にする。
1 キルミー/Sunny Car Wash
この中では一番最近の曲。勢いがある曲なのに、不思議と閉塞感みたいなものが漂っている感じがある。笑顔なんだけど目が死んでるみたいな。それでも、「故郷には緑を」のシャウトで生を叩きつけてくる。すごい好きな曲です。
2 ワンダーフォーゲル/くるり
この曲も明るい曲調なのに、明るいなあでは終わらない。聴いているとなんだか寂しくなってくる。おそらく、歌詞とメロディーの相乗効果だろう。くるりはいろんなタイプの名曲があるが、この曲はシンプルに良い。
3 夜明けのBEAT/フジファブリック
この曲は夜明けに向かってクールに駆けていくイメージ。歌う時はちょっと抜け感をだして、夜の気だるさを表現しつつ、疾走感を残したらアルバムの流れ的に最高なんじゃないかなと思う。フジファブリックは大好きなバンドが故に選曲に迷ったが、踊れるこの曲をチョイス。
4 踊り子/村下孝蔵
村下孝蔵は初恋がフューチャーされがちだが、この曲も名曲。不安定な恋愛を踊り子と表現するセンスが凄い。これは、夜明けのBEATとの対比で、夜が中々明けないようなイメージで歌う。
5 ピカピカ/川本真琴
ホーリーさと狂気を兼ね備えた川本真琴の隠れた名曲。メロディーがグニャグニャなのに、聞いた後に疲れる事なく、スッキリした感覚になるのは流石としか言いようがない。前曲が明確に男女の夜だったのに対し、これは一個人の夜と解釈して歌う。
6 水星/tofubeats
レコードで言うなら、ここまでがA面。夜明けのBEATから続いた夜シリーズのクライマックスがこの曲。ピカピカとはまた違う浮遊感で気持ちよくなるはず。機械で声を変えて、女声を出したい。
7 キャノンボール/中村一義
ここからB面。ある意味一曲目なので、ガラッと雰囲気を変えるために強めの曲を入れる。「僕は死ぬように生きていたくはない」は名文。また、アルバムとしても大人しめの曲が続いたので、ここで明るめの曲を入れたかった。
8 制服/松田聖子
スピッツのファンクラブイベントにおいて、客入れBGMとしてかかっていて好きになった。歌詞的には前曲と落差があるが、まあ入れたいのでしょうがない
9 フロントメモリー /神聖かまってちゃん
川本真琴verではなく、の子verをベースにカバーする。全曲のアウトロを長くして、突然スクラッチ音で掻き消したい。ここは盛り上げパートなので、頑張って歌いたい。
10 卵とじ/倉橋ヨエコ
倉橋ヨエコの中でも明るめのサウンドの曲。フロントメモリー と共にアルバムのクライマックスになる。制服からここまでも割と共通点がある感じ。しかし、「言えない気持ちを卵とじ お弁当に詰めまして」という言語センスは感服する。
11 雪風/スピッツ
スピッツの中でもかなり穏やかな曲。アルバムがエンディングに近づいてる事を教える役割。個人的には、アルバムとしてはここで終わっていて、最後の曲はボーナストラック的な存在。それにしても、シンプルだけど聴かせる曲である。
12 Goodbye, our Pastels Badges/The Flipper‘s Guitar
僕が人生で一番好きな曲なので、是が非でもねじ込みます。流れとか知名度とか関係ない。好きだから入れた。それだけ。この曲を聞くたびに胸が締め付けられて、昔好きだったけれど捨ててしまったものに想いを馳せてしまう。一番好きな曲です(大事な事なので2回言いました。)
僕のカバーアルバムはこんな感じだ。皆さんはどんなカバーアルバムを作るか、教えてもらえたら嬉しい。
え、歌唱力？気にしない気にしない。だって、これは妄想なんだから。頭の中では世界一歌上手いに決まってるじゃん。あっはっは。
…寝よ。