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ずっちのまなざし
ずっちはよくこんな目でわたしを見ていました。
以前「ずっちが五日間戻らなかったこと」で、ずっちが家に帰りたくなくなるような状況を作ってしまっていたことを書きました。
そして大いに反省しました。あのとき軌道修正することができていたらよかったのですが。わたしの判断には、容易にまっすぐに正せない偏りがあるようです。いつでも間違った選択をして、人間と抜き差しならない関係になってしまいます。
わたしの基準では「ずっちは常に別格」であって、人と同列に考えたことなど只の一度もないのですが、その辺りのことをずっちに説明してあげなかったのは、配慮が足りなかった点だと後悔しています。
ずっちがいた十七年近くのあいだ、旅行というものをしませんでした。京都に伊藤若冲を観に行ったことがありましたけど、日帰りをしました。そうやってできるかぎり、ずっちのことを最優先に考えていたつもりでした。
一方で、わたしの悪癖には加速度がついていました。それを途中で直すことができなかったのは、わたしの判断の歪みと意志の弱さのせいでしょう。そうして、大きな岩に激突するまで転がり落ちていくのです。
写真のずっちも、「ばかだねえ」と言いたげではありませんか?