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ずっちともう一度
ずっちの二重生活が発覚してから半年が経ちました。今は2005年1月です。
来月にはこの渋谷区の部屋を出て、練馬区の「はんの木緑地」を背にした家の2階に移ることにしました。
1995年11月にここへ越してきましたから、9年半ほど住んでいたことになります。ずっちはもうすぐ10歳、2回目の引っ越しです。
ここに住み続けていたのは、ずっちが憩っていたあのすばらしい野原があったからです。ところが、しばらく前に野原は潰されて、大きなマンションが建ってしまいました。猫たちが辛うじて自然らしくいられた、あの土も茂みももうありません。
わたしも心機一転、春から校閲局で働くことが決まり(そこに今も在籍しているのですが)、忙しくなる前に会社の近くに移ることにしました。
ずっちにしてみれば、野原がなくなったらなくなったでなんとかやっていくわけで、屋根伝いにいつでもお姉さんに会いに行けるこの場所にずっといたかったでしょう。それをわかっているのに、大好きなお姉さんからも、10年近くかけて築き上げたテリトリーからも有無を言わさず引き離すのですから、ずっちにはほんとうに申し訳ないことをしたと思っています。
これからずっちとわたしの関係はどうなっていくのでしょう。
新年より、いよいよずっちの後半生に入っていきます。
(「ずっちのこと」前篇・終わり)