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【臨床検査技師】個人で戦う時代は終わっている

SNSや技師会活動を見ていて思うのが「みんな、個人で戦いすぎじゃね?」ってことです。

我々臨床検査技師は、超簡単にいえば「正確な検査データを迅速に提供する」ことが目標であり使命です。そこはみんな、異論はないはずなんですよね。毎日、そういう仕事していると思うので。

で、その目標を達成するために何をしているのか?ってことなんですけど、個人のスキルを高めています。それこそ毎日自宅に帰ってから自己研鑽を積んでいる人もたくさんいますし、海外留学に行く人もいますし、勉強会に参加する人もいます。

素晴らしいですよね。

そうやって自分たちの目標を達成するために頑張っているわけです。

もちろん、自分のキャリアを高めたり、満足感を得るためにやっている人もいるとは思います。でも最終的には「正確な検査データを迅速に提供する」ことができないと評価もされないわけで。どんなルートを辿っても、ここに行き着きます。


こういう自己研鑽というのは、やらなければ成長できないのは確かなんですけど、みんな、そこにだけ囚われすぎてないかい?ってことを叫びたいです。



臨床検査って、どこまでいってもチーム戦です。個人できることなんて限られています。というか、病院や企業、協力関係にある人にとっては、その人が活躍してほしいってよりは、「臨床検査室」というチームとして結果を出して欲しいんです。個人の名誉なんて知ったこっちゃありません。

万能ないくらエース級がいたとしても、その人に何かあったとき、チームとしてのクオリティはガクンと下がることになります。これでは組織として脆弱すぎます。

チームとして機能させるには、いろんな要素が必要です。

個人の能力はもちろんですが、その上でコミュニケーション能力、上司(技師長や部長)の采配能力、メンバーのメンタルケア、職場の心理的安全性の確保……あげればキリがないですが、個人個人が安全に、かつチャレンジングに仕事できる場が必要です。

そのためにはお互いのリスペクトが必要なわけですが、ここ最近、この観点が欠けているな、と感じます。


「なんであの人はこんなこともできないの!」


よくこんな意見を散見します。

いやいや、それはブーメランになる可能性があるよってこともよく考えたほうがいいと思うんですよね。

限度ってものはありますが(食べカスをその辺に撒き散らすとかは論外ですが)、雑用が得意な人、専門的なことが得意な人、人を動かすのが得意な人、外部との連携が得意な人。さまざまな特徴があるのが人間です。それを活かさない手はないんです。


僕は検査室の責任者をやっているんですが、各人の評価をしていく上で、やっぱりみんな長所短所があります。

そして、うちのチームはそこまでないですが、他のチームを見ているとお互いにアレコレ言ってます。ほんとに、くだらないなと思いながら毎日過ごしていますが、これはお互いのことを知らなさすぎで、かつ、リスペクトしていないからって思っているんです。

自分が完璧超人で、どんな検査も、どんな雑用も、どんなチームワーキングもできるならアレコレ言ってもいいかもしれません(まあ、できる人に周りに文句言う人はいませんがね)。でも、自分にできないことをやっているなら、そこは特徴の違いなんです。


働いていない、サボっている、とかなら話は別です。盛大にディスっていいでしょう。そういう人にはチームとしても、企業としても、社会にとっても価値はありませんから。どんな手使っても追い出してもいいくらいです。

でもほとんどのケースはお互いのことを知らないが故に起きているんです。知れば、「そうなのか……」となる。


お互いを知れば、チームとしての柔軟性が出てきます。カバーリングだったり、欠員起こしたところにヘルプするなど、また、得意分野を活かした仕事の委譲など。


前提条件として、個人のスキルや能力は絶対に必要。これはプロなので、そこの能力を持つことは絶対です。その上でチームとしてどうやって機能させるか?ってところを考えないと先はないです。

しかし、勘違いしてはいけないのが、これはリーダーだけが考える問題ではないってことです。自分のいるところの環境を良くしたいなら、立場なんて関係ないんです。だから僕のところは新人の意見も採用します。それがもっともで、筋道通った意見なら大歓迎です(まあ受け入れられない頭がダイヤモンド並みに固い上司がいるから困るんですけどね世の中の検査室)。


プロスポーツチームでも、個人の能力だけで勝てるなら苦労しません。でも現実は、個人がどれだけ優秀でも、チームとしてコンセプトがなかったり、戦い方が定まっていないとどうにもなりません。見ていて動きがチグハグだったり、何をしたいかわからない……なんてことが見受けられます。

ただでさえ、臨床検査はすでに様々な検査項目が確立されてきていて、一人で全てを担うなんて不可能なんです。

もう、個人でどうこうする時代なんて終わっているんですよね。


これを我々世代(40歳手前くらいの人たち)からキチンと整理して考えて、実行に移していくってことが、未来の臨床検査室を変える、進化させることにつながると思っています。

個人のエゴを出す人間は、それ相応の結果を出してもらわないと認めらないですが、それができるの世界でも一握り……と考えれば、99%の人は組織として戦うしかないんです。そして1%の人間は絶対に近くにいません。もっとどえらいところにいるもんですから。



臨床検査にはいろんな分野があります。

働き方に思うところはあるかも知れませんが、それは検査の特徴ってものもあります。そして、お互いがお互いのことをアレコレ言うのではなく、その特徴を理解して、リスペクトして、全体として仕事していくのが良い検査室です。

逆にいえば、これができないとダメな検査室ってことです。

リーダー(技師長)はたぶん、肌感覚ではわかっているんだと思いますが、実行に移さないのは面倒だったり、もうすぐ定年だからとやる気なかったり、上からの命令が複雑だったりでいろんな事情があるかと思います。

でも、僕に言わせればそんなものは全部、言い訳です。

やるか、やらないかです。

できるか、できないかで話をしているのは低次元です。

自分のチームのスタッフには、生活もあり、キャリアもあります。その責任もリーダーは抱えているんです。

そこを誠実に、深刻に考える必要があります。

良い検査室を作る。

これがリーダーにとってもそうですが、全臨床検査技師に課せられた課題かなと思います。


ってことで、今日もチームとして戦うためにアレコレ考えながら切磋琢磨して、次につながる指示やルール作りをしていきたいなと思います。

では今日も頑張りましょう!

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だぴてぃ@noteプロクリエイター
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