「身のほどを知れ」第一話
一四〇六年の信濃国。大姥山に棲む山姥で外法使いの紅葉鬼人(88)のもとへ、大和防(56)と名乗る山伏が地元守護の放った刺客としてやってくる。その正体は、人に憑依しては転生する術を駆使して生き長らえている大伴仙人(年齢不明)であった。紅葉鬼人は大和坊を撃退するが、自らも封印されてしまう。
そして、現在。阿藤沙織(17)は、親友の多岐夏海(18)と大学合格の記念旅行で消息不明となる。大姥山でトレッキング中だった。夏海や看護師の玉藻(27)、沙織を救助した江ノ島(36)、医師の