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写真に残らない瞬間、忘れられない想い
その一歩はいつでもやってくる。
準備した先に劇的にやってくる場合もあれば、
たった今、玄関に向かう一歩がそれになることだってある。
旅の中で必ず訪れる場所、
バスターミナル。
バスターミナルには魅力がある。
写真に残ることも少なく、
目的地とされることもなく、
短いときは数分しか滞在しないことだってある。
行き先の分からないバスがずらっと並び発進する時を待っている。
行き先の分からないバスのひとつに乗り込み、
感じても仕方のない少しの不安と、
着いたら考えよう・・と
言葉にならない気持ちを抱き、
買い込んだお菓子を頬張る。
そして
5時間後なのか、
16時間後なのか、
24時間後なのか、
突如出現する「目的地である町の最寄りのバス停」は、
バックパックにカメラをしまっているし、撮ることもなく通り過ぎる。
またこのバス停に来るのか、もう2度と来ないかも・・なんてことも考えない。
思いもよらぬドラマに巻き込まれることもなく通り過ぎていく。
寝起きな場合も多く、いまいち憶えていないし、気合みたいものもない。
初めてみる風景、
初めて耳にする言語、
初めてみる文字、
町までどのくらいの距離があるのか、
どっちにあるのか、
ここで合っているのか。
軽くストレッチをして、
とりあえず近くの売店で
初めてみるパッケージのお菓子と、
初めてみるラベルの水を買う。
・・さて、と
希望しかないけど・・やや重めの一歩。
その後面倒なことになる可能性が80%くらい。
そんなときでも、
間違いなくこれまでに感じたことのない何かにむかう「心地よさ」がある。