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Eternal Weekend NA2024 Pittuburgh放蕩紀
「世界一不幸」
皆さんは、どういったときにこの言葉を使いますか?
受験に失敗したとき──
株を買った翌日に日経平均4000円値下がりしたとき──
これ以上はいないと感じていた恋人にフラれたとき──
些か大仰な例を出しましたが、我々競技mtgプレイヤーの間では、
「権利や賞金の獲得が自分より1つ上の順位までだった」ときに使います。
要はその程度ってことです。
それでは、ピッツバーグ編スタートです。
1日目
今回は関空-サンフランシスコ-ダラス-ピッツバーグの2回乗り換えです。
費用をできる限り抑えるべく、現地到着は木曜の夜。会場自体は木曜から空いているので、他のメンバーより1日弱遅れての参加となります。
なお、前回のベガスに同じく一睡もできませんでした。そんな今回の暇潰しは世界地理や歴史のまとめ動画。知識欲を満たしたい方にお勧めです。
さて、早速ですがトラブルのお時間です。
ダラス空港での乗継ぎ。ユナイテッド航空の勧めるままの航空券を取った私ですが、ここが僅か1時間10分しかありません。そんな中でサンフランシスコ-ダラス間のフライトが45分の遅延予告。瞬く間にこれが1時間、そして1時間半となり乗継ぎの失敗が確定します。
機内WiFiでの問い合わせにろくな対応はなく、代替便の案内は翌日便のみ。翌日便だとピッツバーグ空港への到着が朝9時となり、ヴィンテージの開始に間に合いません。何ならホテルの案内もなく、3時間以内の遅延のためキャンセルしても返金はありません。仕方なく、午前1時着の他社便を$500で取ることになります。
更には荷物がピックアップできず、翌日に再度空港へ来ることになりました。文句を言いたいのは山々ですがこの他社便も時間に猶予がなく、我慢してピッツバーグへの到着を優先。何とか辿り着くと、雪が降っています。
マフラーもカイロも荷物内にあるため、凍えながら深夜の割高Uberを待つことになりました。深夜なので到着にも時間がかかります。そういえば、ご飯も15時間ほど食べてません。泣けてきました。
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1時間後、ホテルに無事到着。2時過ぎにも関わらず、皆がピザを用意して待ってくれていました。誇張抜きにここ数年で一番人の温かさを感じました。
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更には一番良い部屋をあてがってくれていました。
なおこのベッドは木枠に布団が乗った形で、赤線に沿って木枠の当たり判定があります。これに騙され、滞在4日間で4発を脛に貰うことになります。
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そして日本のEWでトップ8だったジョー。感謝。
2日目
初日のフォーマットはヴィンテージ。日本で3位に入賞したときと同様、使用したのはジュエルショップです。このデッキはとにかく回ったときのパワーが凄まじく、1ターン目の《一つの指輪》プレイは当たり前。そこに《意志の力》のバックアップがつくこともザラです。知人に持っている人がいるなら是非一度触らせて貰ってください。脳に良いです。
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1、2回戦を快勝した後にオースに敗北、迎えた4回戦のミラーマッチでダイスに負け。《古えの墳墓》から《苛立たしいガラクタ》、やむを得ず《Ancestral Recall》を切って《意志の力》すると相手からも《意志の力》。そこに《魔力の墓所》と《Mox》から《大いなる創造者、カーン》で本日初の1killです。2本目を取り返した3本目、1マリガンに対して相手は《Moxen》と《太陽の指輪》を並べて《逆説的な結果》。《Black Lotus》を切っての《朦朧への没入》で1ターンを稼ぐも、2発目の前に撃沈。
32位以内を目指して続けますが、特に良いところもなく無念のドロップ。
今回、対エスパールールスに採った《オルサンクのパランティール》は失敗でした。《Mishra's Workshop》1枚からプレイできるリソース源で《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》には良いものの、ドローに《オークの弓使い》が反応してすぐにライフが溶けてしまいます。
この日の夕食はタコス。味は中々でした。
またベガスに同じく、会場のジャンク飯に$15払うのを嫌って昼食は抜いています。但しピッツバーグは地方都市ということもあり、街中ではそれなりな金額でも食事を取ることができました。その話はまた翌日に。
そういえば、無事に荷物はピックアップできました。耐えました。
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3日目
さて、本番のレガシーです。参加者は過去最大の1155人、トップ8に残るには10-1が必要となります。端的に言って地獄です。
そんな今回の使用デッキは赤単ストンピィ。日本で16位に入賞したデスタクはこの赤単に不利であり、使用を避けることとしました。
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結論から言うと、デッキの習熟度が足りませんでした。3-0したまでは良かったものの、カーンフォージを相手に痛恨のリーサル逃し、返しでトップ《神秘の炉》から大連鎖。相手のライフを狙う意識が足りませんでした。
その後UBリアニに事故事故で2敗目、ミラーマッチでダイス負けからの負勝負で3敗目。《パイロゴイフ》を2連打されると人は死にます。
ミラーは先手が圧倒的に有利で、終ぞ後手側での回答を用意できませんでした。辛うじて《稲妻》の増量を検討しましたが、《死亡//退場》の枠が削れることで、リアニメイトへのガードが下がることを嫌った形です。《変化の狂信者》や、出てしまった《残虐の執政官》を触れなくなってしまいます。
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優勝賞金$1万という大会ではありますが、再現性皆無のガハハ系デッキ、インフレに取り残された過去のデッキを持ち込むなど、カジュアル寄りなプレイヤーも多かったです。プレイ前後に雑談が入ることも多く、総じて楽しいイベントでした。
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そんな日の夕食は、対戦相手に教えて貰った地元の有名店、PIZZA PARMA。8枚切りの「M」サイズを頼んだはずが、大きすぎて机に乗りません。何ならまだ上には12枚切りの「L」と20枚切りの「XL」が控えています。味は文句なしに旨く、チキンとドリンクを加えた費用が1人あたり$20。決して安いとは言いませんが、ベガスを含めても最も納得感のある食事となりました。
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4日目
この日はめぼしいイベントが無く、他のメンバーがチーム戦へ出るのを横目に単身観光へ向かいます。本日の目的地はカーネギー美術館。ついでにこのタイミングで、渡航前に手配していた荷物も拾ってしまいましょう。
……
…………
……………………
早速観光パートに移りたいところではありますが、そうはいきません。
そう皆さんお待ちかね、再びのトラブル発生です。
何とピックアップ先にしていた薬局、土日祝が閉店でした。そのため荷物を受け取るはおろか、店頭にすら届いておりません。翌日が月曜とはいえ、フライトは朝の7時前。薬局が空くのは午前6時。移動を考えると詰んでいます。
ここでの選択肢は2つ。
配送業者に依頼して送り主へ返送して貰い、そこから日本に再転送する
飛行機を遅らせてあくまで現地でピックアップする
そして私が選んだのが後者でした。説明が面倒な上に送料を合算すると一泊の費用より高く、何より荷物が行方不明となるリスクがあります。
キャンセルや変更が不可の最安便を避けたのが、賢明にして功を奏した形ですね。それでは、改めて観光パートスタートです。
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カーネギー「美術館」という名称ではありますが、美術品のパートは一部だけであり、その実態は博物館です。ピッツバーグの歴史や地層にはじまり、鉱物、恐竜や動植物の化石や剥製などあらゆる分野の展示が並んでおり、理系人間にはたまらない空間でした。あっという間に3時間が経ってました。
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このままだと写真だらけになってしまうので、残りは有料パートで紹介します。入場料は$25と良心的なので、ピッツバーグへ行った際は是非に。
皆と合流してホテルへ戻り、この日の夕食は米山んさんが日本から持ち込んでくれた乾麺。今回の旅で彼には大変お世話になりました。
さて、さっさと明日のフライトの時間変更をしてしまいましょう。ユナイテッド航空はアプリがチケットと連携しており、そこから変えられます……?
エラー。
確かに変更したい日時は指定が可能で、チケットの新規購入画面を見ても空席がたくさん残っています。何度試しても埒が明かないので、諦めてチャットを立ち上げてユナイテッド側に変えて貰います。
対応の遅さ、状況理解力のなさから押し問答に1時間半を費やし、漸く変更手続きにまで漕ぎつけました。やれやれ……
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困惑しすぎて文法間違えてますねこれ
往復18万の帰りの便を変更するのに、変更費用20万円と言い始めました。ちなみに、新しくチケットを購入した場合は約7万円。これ以上のやり取りに意味は無さそうです。電話で対応をして貰いましょう。
さて、ここで問題となるのが私の英語力です。ざっくり言うと、
・多少なりの手加減をして貰える → ほぼ完璧にわかる、答えられる
・ネイティブな喋りが入る → 8割はわかる。笑って誤魔化すこともある
・くっそ早いバリバリネイティブ英語 → 半分わかれば良い方
とまあ損失続きのこの状況、7万円は絶対に払いたくありません。
ということで、この男に頼ることにしました。
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そう、今回のメンバーにはバリバリのネイティブスピーカーがいます。
「ええかべーす、こういう時は相手の落ち度に漬け込むんや。自分来るときの便で遅延したやろ?これで仕事の会議に遅刻して、全部の日程が遅れたことにしたらええんや。まあ任せとき」(意訳)
彼は非常に頭が良く口達者で、まず間違いなく関西人の血が混入していると思われます。気がつくと私は英語が全然ダメで、スケジュールの遅れにキレ散らかしてるクソ上司ってキャラクターになってました。
とにかく、翌日7時前の便を11時前に変更することに成功。色んな意味で、もっと英語力をつけたいと思わされる一件でした。
5日目
他のメンバーは早朝便に乗るべく深夜に移動しており、ホテルは私と、別途ニューヨークへ向かうジョーだけが残っている状況です。
そして結論から言うと、私は変更した便を逃しました。
というのが薬局の開店は6時でも、配送業者の配達が10時前でした。これは荷物追跡である程度わかっていたことで、9~10時頃の配達と聞いていたのが下ブレた形です。ピッツバーグの大阪行きは、実質的に午前7時前と11時前の2本だけで、残りは乗継ぎ先の空港で長時間待つことになります。初めから帰国を遅らせるよりもリスクを取り、失敗した形ですね。
こうなると仕方ありません、一先ずは空港で再変更の交渉です。
「ええで、明日の朝7時な」
行きと昨日の押し問答はどこへやら、親切なスタッフの協力により10分で問題は解決しました。費用の請求もなく、図らずも追加の観光フェイズを手に入れた格好です。Uber代やらホテル代やらで2万円弱はかかりますが、まあこうなれば誤差の範疇でしょう。
ということで、本日の目的地はフィップス温室植物園。昨日行ったカーネギー美術館のすぐ近くにあり、時間がなく訪問を断念した場所になります。
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こいつ無駄歩き好きすぎんか?
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植物園そのものは、まあ端的に言って最高でした。受付のお姉さんに「飛行機乗れなくてラッキーやったやん!」とまで言われたものの、追加2万でここが観光できたと考えると、なるほど悪い話ではありません。神社仏閣巡りが大好きな私ですが、植物園も相応に好きなカテゴリーです。
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大量に写真を撮っていますが、ここも残りは有料パートでの紹介とします。
入場料は$22.5。ライトアップが入る午後5時以降が若干の追加料金になります。見たいのは山々でしたが、体力の限界も近くこれにてホテルへ。
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ああ、食事は道端にあった適当なバーガーショップに入りました。バターで焼いたパンズ、フライドチキンにカットトマト、葉っぱを挟んでサウザンソースで味付けがされています。パーツ間に特段のシナジーはなく、ただ味を足し算しただけといういかにもアメリカンなハンバーガーでした。$12也。
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郊外にあるので1泊8000円と比較的安め。代わりに空港へのUber代がほぼ同額かかります。この後は特段のトラブルも無く帰国することができました。
もうええでしょう。
今回トータルでかかった費用は約38万円(遅延リカバリー分含む)、ここに追加滞在で2万円ってところです。これは日本のものと同様ですが、エターナルウィーケンドはその人数の多さもあり、決して賞品目的に参加するものではないと感じました。観光はもちろん、何かしら他に目的を見出せるなら、遠征してみても良いかもしれません。
さて、ここからは有料パートになりす。
2か所の観光スポットや町中の追加写真、大会に関するこぼれ話、実は1日目に起こっていた更なるトラブルについて書いています。
今回、前述の遅延で本当にただ8万円を失っているので、興味を持って頂ける方は是非覗いてやってください。それでは。
そういえば、執筆中にこんな企画が流れてきたので便乗してみました。
毎日誰かしらの記事が上がるようなので、是非読んでみてください~
https://adventar.org/calendars/10884
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