【レガシー】豆の木コントロール完全ガイド
こんにちは、べーす(@Dull04)です。
EWに参加された皆様、お疲れ様でした。私自身は今回Death&Taxesをプレイし8-2の16位、《輪作》nonfoilを獲得という結果となりました。
相談に乗ってくれた面々は青をタッチし、《金粉のドレイク》等を採った青白型を使用しましたが、私は白単型を選択しました。青い要素が既に十分有利な対クリーチャーデッキにしか強くなく、サイドの《記憶への放逐》程度ではエルドラージを抑え込むには不足との判断です。《不毛の大地》に当たりやすくなる点も不満でした。代わりに、対エルドラージには《大変動》を3枚採用。エルドラージは場と土地は伸びるものの、手札が枯れやすい傾向にあるのでそこを全て流してしまうプランです。
しかし直前となる3週間前まで、本命デッキとして検討していたのはタイトルにもある豆の木コントロールです。MOリーグを4-0する度にトスして情報を封鎖するなど、相当に気合を入れて調整していましたが、最終的には断念することとなりました。今回はその過程と結果について解説していきます。
"エルドレインの森"で《豆の木をのぼれ》が登場して以来、約1年前に成立した息の長いデッキでありながら、実は4c型の解説記事は存在しませんでした。今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。
またデスタクの解説に関しては、年末のコミケでカードショップくじからより頒布予定の、レガシー解説本にご期待下さい。私もLandsについて寄稿する予定ですので、どうぞ宜しくお願いいたします。
■はじめに
まずはデッキコンセプトの紹介から。5マナ以上のカードをプレイした際に1枚ドローできる《豆の木》ですが、レガシーにおいては《意志の力》が使用可能です。これにより0マナでテンポを取りつつ手札を損しない、スーパーカードと化します。周知の通りこの効果は重複するため、これを重ねつつ《力線の束縛》等で除去とドローを繰り返し、リソース差をつけるのが分かりやすい勝ち手段となります。
青のドローに白の除去を組み合わせた古典的なコントロールベースに、《豆の木》の緑が加わることで《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を足したバント型。ここに相手の《オークの弓使い》に対抗できるよう《オーク》や《超能力蛙》を追加した4c型。更に《進め、エオルの家の子よ!》や《一つの指輪》まで追加した5c型が存在します。5cについてはカードスロットの関係上、80枚として《空を放浪する者、ヨーリオン》を採用することが多いですね。《ウィザーブルームの命令》や《不毛》を採ったBUG型も存在しますが、これはテンポに寄せた別デッキという認識です。
総じて《豆の木》の継戦能力が高く、中終盤の封殺力が特徴といえるデッキです。弱点としては4c故の脆弱なマナベース、そしてクロックの細さが挙げられます。これらには調整過程で腐心することとなりました。まずは環境分析、次いでデッキリストを紹介し、その後に詳細を解説させて頂きます。
■悲嘆禁止後の環境について
まずは、現在のレガシー環境について簡単に触れていきましょう。
前置きが続きますので、さっさとリストをよこせ!という方は、もくじよりジャンプして頂ければと思います。
UBリアニが最強です。
……というのはあまりに簡単すぎるのでもう少し噛み砕いていきましょう。
《悲嘆》の禁止により《悲嘆》→《再活性》という2ハンデスルート、及び《偉大なる統一者、アトラクサ》→《悲嘆》+《意志の力》という詰めパターンが消滅しました。これが明確な弱体化である一方で、MH3による強化が顕在化することとなります。
すなわち《知りたがりの学徒、タミヨウ》によるリソース確保と奥義勝ち、及び《超能力蛙》による釣り先準備の安定化とビートダウンです。これにより勝ち筋が多角化し、常にプレッシャーをかけた状態からリアニメイトを仕掛けることが可能となりました。《悲嘆》のようにハンデスで下地を整えるのでなく、圧をかけて隙を作らせる構図ですね。
《タミヨウ》は奥義が必殺であり、変身後に1tでも猶予を与えると除去へのカウンターを回収されてしまいます。また変身はゲーム後半、あるいは《渦まく知識》プレイ時に限られるものの、放置するとそれはそれで2t目からリソースを稼がれてしまいます。加えて半端な除去は上述の《渦まく知識》で回避が可能であり、変身後を一撃で処理できる《紅蓮破》や《虹色の終焉》が下火と、環境面でも非常に強力なカードです。
なお、最近は《変化の狂信者》に押されてスロットを削られがちです。
《超能力蛙》は止めるのが非常に困難なリソース源兼クロックであり、手札に来てしまった大型クリーチャーの処理手段でもあります。特に後者はこれまで《渦まく知識》+《地底街の下水道》、あるいは《納墓》のみであったリアニメイトへの下準備が大幅に簡略化されました。前者としてもブロックが困難で、後続やカウンターを呼び込むため、除去できなければそれだけで劣勢です。
こうした強力な脇役の登場により、《アトラクサ》や《残虐の執政官》を処理しても脅威が続くこととなります。以上から、普段はUBカラーのテンポデッキとして振舞いつつ、《納墓》+《再活性》の動きをゲーム内に絡めることでリソース勝ちするという動きが肯定されることとなりました。
加えてサイド後は相手に墓地対策を強いる一方で、《納墓》を外してビートダウンに体重を乗せつつ対策をすかす、リアニメイト側に有利なジャンケンの構図は前環境から引き続き健在です。
一歩下に存在するのがエルドラージと赤単ペインター。両者に共通しているのが、メインボードから無理なく墓地対策を取れることです。前者は《コジレックの命令》、後者は《アガサの魂の大釜》と《魂標ランタン》、そして"ダスクモーン"にて登場した《除霊用掃除機》が該当します。
まずエルドラージは、ご存知MH3でフィーチャーされた種族デッキです。レガシーにおいては《ウギンの目》がリーガルのため、全スペルに一段階バフがかかります。《苛立たしいガラクタ》や《魂の洞窟》から繰り出されるクリーチャーはおしなべてサイズが大きく、キャスト誘発で土地や場に触れるため中速以下のデッキ全てに有利をつけます。他方、《不毛》連打というわかりやすい弱点があり、《発展の対価》や《血染めの月》のようなキラーカードも存在します。今回EWを制した赤単ストンピィは、このエルドラージに優位を持ちつつUBリアニとも戦えます。この点で非常にポジションの良いデッキだったと言えるでしょう。
赤単ペインターは先述のリアニメイトやエルドラージに刺さるカードを自然と採用できるデッキです。メインから取れる墓地対策に加え、平均をして5~6枚を数える《紅蓮破》、更にサイドボードには《血染めの月》が控えています。《アガサ》と《ゴブリンの技師》が揃うと3killも見えるなど、以前と比較すると《丸砥石》+《絵描きの召使い》のコンボへの依存度が大きく下がっているのが特徴です。是非一度動きを見ておきましょう。
これらに共通して採用されており、存在感を増しているカードとして挙げられるのが、《苛立たしいガラクタ》です。青いデッキとしては事実上のマストカウンターでありつつ1マナと軽く、不要であればドローへ変換も可能。隙が少なく汎用性が上がった《防御の光網》といって差し支えないでしょう。これと《悲嘆》の禁止により、SnTも俄かに復権してきています。
また"ダスクモーン"で登場した《変化の狂信者》は、UBリアニに完全に定着しました。上振れたときのリターンがリスクに対してあまりに大きく、ミラーマッチの優劣を決めるカードとなります。"絆魂"付与も対テンポ、ストンピィデッキに有用な非常に強力な1枚です。
これらにより大きくポジションを落としたのが、リアニ要素を《ネザーゴイフ》と追加の《タミヨウ》、あるいは《秘密を掘り下げる者》に振ったUBテンポです。最序盤からのクロックがかかるためコンボデッキにより強く、また《ネザーゴイフ》の脱出が捌き合った後に"脱出"することで攻め手を継続することが可能です。UBリアニとは異なり、コンボ要素を排していることから安定性がより高いのがポイントです。
同様に《ドラゴンの怒りの媒介者》や《紅蓮破》を筆頭に赤を足したグリクシステンポも存在します。ただし環境トップのUBリアニが黒いスペルで完結するため、《紅蓮破》の強度が下がっているのが難点。《稲妻》も《超能力蛙》を退かすには力不足と、赤いカードの価値はやや後退気味です。他方《発展の対価》は前述の対エルドラージをして必殺の威力があり、それがこのデッキの魅力でもあります。
しかしながら、これらのデッキは《ガラクタ》でテンポ戦略を否定され、《狂信者》の"絆魂"にダメージレースを返されてしまいます。このことから環境上の優位が消失してしまっており、今後UBカラーのデッキはリアニメイトへの一本化が進むのではないかと予想しております。
これ以外には《緑の太陽の頂点》や《コーの遊牧民》によりその能力に拍車をかける"ナドゥ"、《聖遺のワイト》を主役とした土地デッキのクレイドルコントロール、このあたりが主要なデッキとなります。
豆の木コントロールが位置するのはここから更に2つ下くらいでしょうか。
■デッキリスト紹介
前置きが長くなりましたが、以下が調整していたリストの最終形になります。調整中のデッキをBMOで使用して7-2、その後にKMCを7-0で優勝するなどデッキとしての自力は保証します。
■問題点-EWで本デッキを使わなかった理由
今回のデッキ構築においては、初めに1つの仮説がありました。
「《タミヨウ》を最も強く扱えるのは、豆の木コントロールではないか?」
・マナが伸びやすく、"手がかり"を起動するタイミングに困らない
・《豆の木》や《思案》が重なると3ドローに届き、能動的に変身できる
・"-3"能力で除去を回収することで、間接的に自身を護れる
・同様に《意志の力》を回収すると、《豆の木》が再誘発する
・《虹色の終焉》を採用/回収できるため、《タミヨウ》ミラーに強い
そしてこれまで《タミヨウ》は多くて2枚、《超能力蛙》4枚が主流だったリストを《タミヨウ》4枚に変更。これが今回の調整の出発点になります。
そしてこの仮説は8割が正しく、非常に相性の良いカードでした。
除去を構えたターンに相手の動きがなければドローを進めることができ、《豆の木》と合わせてリソースが尽きません。またコントロールデッキにありがちな欠点が、相手の手札に余った除去の的になること。これも《タミヨウ》は《渦まく知識》で回避可能、あるいは2枚目の除去を要求できます。変身後のクロック低減はゲームを伸ばしたいこのデッキにとって非常に都合がよく、対ナドゥやクレイドルコントロールの《春心のナントゥーコ》を完封する場面もしばしば。"-3"能力は除去やドローを拾うのはもちろん、《意志の力》を選べば再度《豆の木》が誘発します。初動、壁、リソース源として非常に優秀なカードであり、4枚としたことに満足しています。
間違いなくこのデッキの第2の主役であり、一個人をして勝手に"Tamiyo Beans"と呼んでました。BMOで原型のリストが公開され、今となってはMOでもそれなりに使用者がいるようで何よりです。
さて、ここからが問題点です。仮説の残り2割となる部分ですね。
問題点1. クロックが細すぎる
見ての通り、ダメージ源が《オーク》と《ウーロ》、《濁浪》しかおりません。これは《タミヨウ》に枚数を割いたことの明確な弊害で、これが露になるのが対デスタク、白系コントロールです。
前者は《豆の木》が機能すれば、リソース面での優位を取りつつ《護衛募集員》を処理して押し切れるように見えます。しかし実際は《カラカス》の前に《タミヨウ》と《ウーロ》が機能不全であり、《オーク》はクリーチャー軍の前に攻撃が通らず、打点となるのが事実上《濁浪》に限られます。これが計8枚の《剣を鍬に》、《孤独》と潜るのは非常に困難です。
後者についても同様ですね。《オーク》の活躍が必須となります。
この対策として《タミヨウ》で回収できるスペルの勝ち手段を検討することとなります。赤をタッチしての《エオル》や《自我破摧》も試しましたが、やはり単体としての使い勝手が悪く没案となりました。
《タミヨウ》の奥義が通っても勝たない場合がある。悪い冗談ですね。
問題点2. 特殊土地に弱すぎる
まず、4cという土地事情から60枚構築で《不毛》に枚数を割くことは不可能です。クロックの細さから短期間でゲームを決めるのは困難であり、即ち《ウギンの目》を筆頭とした相手の特殊土地には正面から向き合う必要があります。更に今回のサイドボードでは対エルドラージを念頭に、刺さる範囲が非常に狭い《トキシクレイン》を3枚採っています。その中でこれ以上の土地対策を採る余裕はありません。
そしてこれが問題となるのが対ストンピィデッキ。最序盤の《古えの墳墓》や《裏切り者の都》を咎められないため、《意志の力》や《剣を鍬に》といった対処札でスペル側を的確に処理する必要があります。また、前述のとおり《カラカス》にも非常に弱いです。
問題点3. 対リアニメイトに微不利
はい、最後にして最大の問題です。
一個人の考え方として、トップメタに優位がつかない下位デッキに存在価値はありません。いえ、正確に言うならば優位はついていました。《執政官》や《アトラクサ》、《超能力蛙》は豊富な白い除去で処理でき、リソース差は《豆の木》で埋めることが十分に可能でした。
これを覆したのが、先の紹介にもあった《変化の狂信者》です。端的に言うと、除去と手数が追い付かなくなってしまいました。4/4"絆魂"が無視できるサイズではない上で、こちらの除去には限りがあります。《狂信者》は盤面に脅威が2体以上同時に登場する上に、マナの消費は僅かに1黒のみ。ここで響くのが《力線》が2マナでしかプレイできない土地事情です。《剣を鍬に》1マナ、《虹色の終焉》2マナ(対《超能力蛙》想定)を続けようとすると、どこかで《不毛》と相まって《目くらまし》が不可避の状況が現れます。これにより処理漏れが目立つようになり、序盤の《納墓》へはいよいよカウンターが必須となってしまいました。
問題点3よりは問題点1、2がより深刻であり、サイドボードに相応の枚数を割く必要があります。その前提で有用な墓地対策に枚数を取り辛いという現状があり、納得できるリストに仕上げることができませんでした。因みに次点となる対エルドラージは微不利、対赤単ペインターは微有利です。
以上が今回使用を断念した背景となります。
■採用カード紹介
先の説明の通り、このデッキ第2の主役です。初手にあった場合は喜んでプレイします。無理に《渦まく知識》と合わせて除去を避けようとする必要はありません。また過去の《ヴリンの神童、ジェイス》よろしく相手の攻撃をブロックし、その後に変身させることで攻撃を回避するテクニックは多用します。一方で相手の場にクリーチャーがおり、自分エンドステップに除去が飛んできた場合は反転させる必要はありません。結局は相手の攻撃で落ちてしまいます。素直に奥義を目指すのか、"-3"で手札を固めるかは相手のアーキタイプと合わせてよく検討しましょう。
コントロールデッキの常として、相手の《オークの弓使い》は非常に重いです。そして古典にもある通り、《オーク》への最良の対策は《オーク》です。但しデッキとしてのクロックが遅いため、テンポデッキのそれよりは圧倒的に弱い点には留意が必要です。それでも間接的な勝ち手段として貢献でき、クリーチャーを2体生成するため最終的には除去を複数枚要求できます。何より除去を損しつつ"オーク軍団"に殴られるよりは遥かに有意義です。
慣れていないプレイヤーにありがちですが、コンボデッキ以外の《思案》に対応してプレイする価値はありません。合わせるべきは常に相手の《オーク》か、《渦まく知識》だけです。あるいは完全にリソース差をつけてからプレイしましょう。
青緑カラーの低速デッキということで、是非採用しておきたい1枚。リソース交換を繰り返した後に悠々と脱出する動きは現代も健在です。但し《タミヨウ》と同様に《カラカス》に無力であり、《アトラクサ》や《執政官》、大型エルドラージなど単体で殴り合えない相手が増えていることからかつて程の強さはありません。メインボードに墓地対策が自然と取られる環境ということもマイナスです。2枚で調整していましたが、1枠を《濁浪》に譲ることとなりました。
《超能力蛙》と入れ替わる形でフィニッシャー枠に採用された1枚。《超能力蛙》は単純なパワーカードではあるものの、序盤からプレイするには青黒という色が厳しく、何より対エルドラージの《コジレックの命令》に引っかかるのが致命的でした。またUBカラーほど墓地が溜まらないため、飛行クロックとしての安定運用を目的とするなら《濁浪》に軍配が上がります。《タミヨウ》及び《ウーロ》と墓地利用が競合しますが、《濁浪》を早期プレイしたいマッチはスペルを連打するため《タミヨウ》の回収先には困らず、そもそも《ウーロ》は出している余裕がありません。この点で墓地の競合は意外と起こらないというのが実情です。《豆の木》のドローが誘発するのが地味に嬉しいのと、2枚目のプレイだけではなく《神秘の聖域》、《タミヨウ》の回収、《壌土からの生命》の"発掘"でもサイズアップが誘発します。
説明不要のドロースペルです。切り詰めている土地や《豆の木》など、明確な探すカードを考えてプレイしましょう。一方で《タミヨウ》の強制変身を回避するために我慢することや、《意志の力》のコストとして抱える場面も多いです。デッキトップ3枚、シャッフル後の1枚、そして《思案》自身の5択からカードを選ぶ感覚ですね。サイドボーディングで抜くカードが無い場合、これが抜けることが多いです。
レガシーを代表するドロースペルです。手札のリフレッシュが主な役割でしたが、MH3でめでたく《タミヨウ》の発火材という役割が増えました。このデッキは役割がはっきりしているカードが多く、マッチアップ次第で浮くカードが存在するため仕事量もそれなりに多いです。プレイする目安としては、《豆の木》が無いなら探しに行く。既にあるなら不要牌が溜まってから。《タミヨウ》がいるなら構えて"手がかり"の起動が本線。これくらいの基準でプレイすることをお勧めします。
レガシーを代表する除去です。最序盤の相手クリーチャーに対し、除去が複数あるなら《目くらまし》はケアしなくてOKです。これを打ち消して貰い、《豆の木》を通しに行きましょう。安易に突っかかって《渦まく知識》で変身されるのが最悪なので、除去のタイミングはしっかり選ぶ必要があります。
変身後の《タミヨウ》も問答無用で処理できる良カード。うっかり通ってしまった《ガラクタ》に触れるのも高評価です。タップアウトでなければドローで逃げられて損しますが、割り切った方が賢明です。一方で《超能力蛙》をこれで返そうとすると《目くらまし》に引っかかりやすいので要注意。1枚ドローを渡しても良いので、ケアできる状態でプレイした方が無難です。また《タミヨウ》奥義後は強制ドロー死を回避するために、"-3"能力を絡めて自分の《豆の木》を除去することも多いです。
テキスト通りではありますが、《濁浪の執政》や《カザド=ドゥームのトロール》は除去不能です。手札にある他の除去と比較して、対応できる範囲をしっかり確認してからプレイしましょう。
《不毛》と合わせて、ささやかに特殊土地へ抵抗する枠。特に《タミヨウ》と《ウーロ》を機能不全にする《カラカス》の破壊は必須で、対エルドラージのメインボードはこれと《不毛》を合わせ引くことが勝利への絶対条件となります。また基本土地が《島》と《平地》しか入っておらず、相手の《不毛》が重い一方で、土地嵌めプランを取られたときのカウンターカードとしては最高峰。言葉通り一瞬で勝ちます。《ウーロ》との相性もよく、1枚は採っておきたいカードです。
このカードのおかげで土地を削ることが可能となります。ブルーカウントの水増し、シャッフル手段、中終盤のリソース確保などデッキを円滑に動かす役割を担います。《Savannah》と《Bayou》をうっかり持ってこないよう注意です。2枚が適正です。
レガシーを代表するカウンターです。《豆の木》下では1ドローが付随するためギリギリまで引っ張りたくなるところですが、カウンターの基準は普段通りでOKです。除去が無い場面の《超能力蛙》などですね。これは手札に《豆の木》があり、次ターンにプレイできる場合でも同様です。このデッキには超汎用除去の《力線》があるため、本当にカウンターが必要なのか、という点については考慮しましょう。《豆の木》を重ねてリソースを稼ぎ、《神秘の聖域》や《タミヨウ》でこれを抱えることがゲームのゴールとなります。
なお《魂の洞窟》、《ガラクタ》下であっても《豆の木》のドロー目的でプレイすることが多々あります。これらを採用するデッキは相性が悪いものが多く、積極的にドローを進める必要があるためです。
モダン環境では禁止されているスーパードローソース。このデッキでは《濁浪》、《ロリアン》、《意志の力》、《力線》が誘発対象に該当します。cipで1ドローの最低保証があること、ドローが重複することから展開後はじりじりと手札差がつくことになります。相手の手札に《意志の力》があるなら間違いなくここに飛んでくるし、自分の手札にあるならカウンターで返します。それ程に価値のあるカードです。
《終焉》の欄で説明した通り、ドローは強制のため重ねてプレイする際は要注意です。基本的に3枚以上並べることはありません。クロックが細いデッキのため、平気でゲームが長引いてLOします。
《豆の木》と共存可能なのはパイオニア環境と同様ですが、レガシーにはフェッチランド及びデュアルランドが存在します。本リストでは赤を排しているため最低2マナでのプレイにはなりますが、それでも十分すぎる程に強力なカードです。欠点としてはパーマネント除去のため、対ジェスカイコントロールに《時を解す者、テフェリー》や《空の怒り》で対処されてしまうこと。一方で《実物提示教育》に対しては滅法強く、《全知》+インスタントの動きを強要します。
先述の通り《ザンダーの居室》のように《山》カウントを増やせば1マナでのプレイが可能ですが、確定タップインのため1枚目のプレイは実質的に2マナと変わりません。また1枚だけの赤マナ供給では《紅蓮破》や《エオル》のようなカードを採用するには不安が残ります。《タミヨウ》の採用によりタップインを許容できるターンが少なく、タップイン枠としては諜報ランドを優先したいため、本リストではお勧めできません。
色基盤は赤抜き4cの定番マナベースをそのまま使用しています。1t目に必要な青と白、《豆の木》の緑、その後の"版図"カウントと《オーク》の黒の順に優先度が高いです。時折《Scrubland》が欲しくなる場面もありますが、それ以上に素引きしたときに弱いのでこの配分がベストです。
《Tundra》+《Bayou》、あるいは《Underground Sea》+《Savannah》が2枚で"版図4"を達成できるため、2マナで《力線》をプレイできる観点で優れています。更に言えば最序盤に撃つカードが《思案》か除去なので、前者を揃える割合が圧倒的に高いです。
その後の3枚目のサーチに関しては、常に《不毛》を意識します。2枚目の白マナ確保に《Tundra》を持って来ると《Bayou》を狙われ、緑と黒の両方を失います。一方で《Tropical Island》を選ぶと《Tundra》に当たり、除去をプレイすることができなくなります。手札に4枚目の土地があれば話が早いのですが、無い場合は次にプレイしたいのがドロー、除去、《豆の木》、《オーク》、どれなのかしっかり考えておく必要があります。
《Tundra》+《Tropical Island》+《Underground Sea》にフェッチ1枚というのがマナベース的には最高の布陣ですが、これにも《花の絨毯》に当たるという弱点があります。緑デッキ相手のサイド後は要注意です。そのため《Savannah》の優先度が少しだけ上がります。
また《島》と《平地》があれば、《血染めの月》に対しても3マナの《力線》と現実的なラインで抵抗できます。一方で《不毛》のケアのために《島》→《平地》と入ると、どうしても緑と黒、特に緑マナの供給が浮いてしまい、《Bayou》をサーチしたところを狙われがちです。最低限《島》1枚だけあれば他の色は探せるので、2枚目以降はデュアルランドを持って来ると良いです。また《ウーロ》がいるにも関わらず緑マナの供給源は4枚のみ、《オーク》の黒に至っては僅かに3枚です。この保険としても《壌土》は1枚デッキ内に入れておきたいです。
レガシー環境においても定番となった諜報ランド枠です。最も使用頻度が高い色は青及び白ですが、これらは逆に初動として持って来る機会が多く、この枠を《行き届いた書庫》とした際に色供給が過剰となり、偏る場面が頻発しました。このため第3色である緑を含む《迷路庭園》を選択しています。
回収するのは専ら《意志の力》と《ロリアンの発見》、あるいは《剣を鍬に》です。前者は何れも中盤の《豆の木》下でのプレイを狙います。アンタップイン条件の《島》3枚が意外と厳しく、序盤に引いてしまうとタップインで置かざるを得ない場面が頻発します。この場合は諦めましょう。リソース獲得の手段は豊富にありますし、スペルの回収自体は《タミヨウ》でも可能です。
特殊土地、特に《カラカス》の対策は必須です。但し積極的に土地を攻めたいデッキではないため採れるのは1、2枚が限度。4cの色事情を考えると1枚まで削りたいです。対ポスト、エルドラージにはこれと《壌土》を循環させることが勝ち筋ですが、展開に差をつけるには追加で《ウーロ》が必要で、かつ相手に《ボジューカの沼》が入っているとプランが瓦解します。これらのデッキにメインボードで勝つハードルは限りなく高いです。
対エルドラージ最終兵器。序盤をカウンターと除去で凌ぎ、これが着地すれば勝利は目前です。無色マナの供給が断たれるため、手札のエルドラージ呪文の一切がプレイ不可となります。これを抜ける手段は《まばゆい肉掻き》のトークンを残しておくか、対応での《コジレックの命令》に限られます。各種タリスマンや《厳かなモノリス》は《力線》や《記憶への放逐》で対処しましょう。更には2/4接死というサイズが絶妙で、《難題の予見者》未満のクリーチャー全てが止まります。
一方でその性能を対エルドラージに特化してしまっているため、《古えの墳墓》や《裏切り者の都》といったその他の土地への効きは今一つ。そのためクレイドルコントロールやデスタクなどには、特殊土地を多用するデッキにも関わらず不向きです。エルドラージの影響により、サイドボードが大きく歪んだものとなってしまっています。
リアニメイトへの一番わかり良い対策カードとなります。また白いデッキ相手には《剣を鍬に》を選ぶことで無理やりクロックを通す、《意志の力》を抜いて《豆の木》のリソースゲームを一方的に進める、といった選択肢があります。本来であれば1枚損は許容し辛いのですが、圧倒的なアドバンテージ源を誇るこのデッキには些事です。ゲームプランを大きな枠で捉えていきましょう。
同じく環境上位の赤単ペインター、及び赤単ストンピィへの対策カードです。また《騙し討ち》にも強いため、《力線》と合わせてSnTには相当な優位を持つこととなります。これで《血染めの月》や《鏡割りの寓話》といった3マナのカードを対処できると、《思案》や《豆の木》で手札を整える余裕ができます。前述の問題点を埋める意味もあり、3枚採っています。
対エルドラージ、赤単系用のカードです。絶対に引きたいカードのため3枚。一時は4枚で調整している時期もあった程です。除去とカウンターが既にかなりの枚数入っているため、誘発能力を消す目的でのプレイは基本的には対デスタク、Doomsdayのピンポイントとなります。"複製"すると《虚空の杯》をすり抜けられる場面があるので、覚えておきましょう。
対デスタク、エルフ、ナドゥ、そして《ウルザの物語》。現環境でもクリーチャーが並ぶデッキは一定数存在しており、それらを全て単体除去で処理していくのは単純な枚数をして困難です。《渦まく知識》や《神秘の聖域》で能動的にプレイできるタイミングがあり、うまく直撃させられればそのまま勝ちます。1枚入れておくことを推奨します。デスタク等に採用されている《空の怒り》も強力ですが、同時に《豆の木》が流れてしまうため、このデッキでの採用は難しいです。
対テンポデッキ最強のカードです。通れば勝ちます。ドローカードの多さによるテンポの悪さ、そして4cによる色事故といった問題が一瞬で解決。更には《目くらまし》や《不毛》といった弱点が同時に消えることとなります。但し2枚重ねたいカードではなく、対青白系コントロールには《空の怒り》で《豆の木》ごと流されてしまうのが欠点です。2枚が適正です。
対《ウルザの物語》、及び各種クリーチャーへの緊急回避用に。対ストンピィにはこれと《ウーロ》で無理やり早期クロックを作ることもあります。汎用性が非常に高く、アドバンテージも損しないカードなので1~2枚は採っておくことをお勧めします。
"ダスクモーン"より登場した墓地対策。このデッキにおいて6マナまで伸ばすことは決して難しくなく、1マナの墓地対策としては最高峰の性能を誇ります。リアニメイトを対策するなら是非欲しい1枚ですね。一応、これでも《濁浪》のサイズアップが可能です。
●《超能力蛙》について
一般的なリストでは4枚採られるなど、強力なカードであることは間違いありません。但し《豆の木》というデッキにマッチしているかと問われると答えは否です。シナジーといえば《壌土》の"発掘"を絡めたサイズアップ、《タミヨウ》奥義からの超打点程度です。リソース源としては《タミヨウ》と《豆の木》で十分すぎる程に足りており、勝ち手段としては耐性のない一クリーチャーということで他と大差ありません。
最大のウリである対コンボ、ストンピィに最序盤から展開できる巨大クロックという側面ではどうでしょうか。前者は《タミヨウ》でのリソースゲームとすることで優位があり、後者としては《濁浪》の項で紹介したように対エルドラージにおいて《コジレックの命令》で処理されてしまいます。《濁浪》自身も《豆の木》でドローできるため、カササギ能力に特段の優位はありません。
更に言えば、黒マナの要求は後ターンにズレるほど良いです。最序盤に欲しい色は除去の白、ドローの青、《豆の木》の緑であり、黒は4番手です。これを2t目に持ってきてプレイするのはマナベース的にもリスクがあり、更には《Underground Sea》+《Savannah》の"版図4"パッケージ2番手の場合にはプレイできません。以上の理由から、今回のリストではカットしました。
■プレイ指針
●マリガン基準について
・除去とカウンターのような受けるだけのハンドはNG。《オーク》と《濁浪》のようなクロック源のみのハンドもNG。但し、どちらかに追加で《思案》のようなドローソースがある場合はOK。
・1t《タミヨウ》は原則キープ。2枚目の土地が無い場合は《思案》or《渦まく知識》が必須。
ざっくり以上を踏まえて、次の手札はどうでしょうか。
初動となる《タミヨウ》、カウンターに除去、2枚の土地と完璧な手札です。毎回こうありたいという好例です。先手、後手どちらもキープです。
土地事情が心もとないですが、同じく《タミヨウ》、カウンター、除去と揃っています。今回は《思案》があり2枚目の土地を探せるので、先後に関わらずキープします。《タミヨウ》へ除去が飛んできた場合は受け入れましょう。
キープします。《Scrubland》を採っていないため《力線》は3マナでのプレイとなりそうです。しかし《豆の木》があり、1t目のアクションとして"諜報"から入るのは決して悪くありません。但し盤面に後れを取る手札のため、後手かつ相手のデッキが分かっている場合には一考の余地があります。
マリガンです。除去以外にプレイできるカードがなく、《濁浪》のプレイもかなり後になってしまいます。《濁浪》か土地の何れか1枚が《思案》や《豆の木》の類であればキープします。
キープです。《渦まく知識》があるためギリギリ許容できるか、といった手札ですね。このようにドローソースをワイルドカードとしつつ、ゲームプランを立てられるならばOKです。ドロー能力に秀でたデッキのため、緩めのキープを推奨します。
●初動について
《目くらまし》が入っていないデッキは比較的簡単です。とにかく早期に《豆の木》をプレイし、除去と《意志の力》でゲームを引き延ばします。あるいは不利デッキに対しては早期の《濁浪》で殴りに行きましょう。
さて、難しいのがUBカラーを主とする対《目くらまし》テンポデッキです。これは先手後手、相手のクリーチャーの有無、そして自分の手札によって大きく異なってきます。
1. 1t目で《タミヨウ》、《豆の木》、《剣を鍬に》がある場合
先手ならば当然《タミヨウ》をプレイします。《不毛》されて良いだけの土地があるため、《Underground Sea》から入って問題ありません。後手で相手にアクションが無かった、あるいは《思案》のように手札を整えただけの場合も同様です。次ターンの《溢れかえる岸辺》からは概ね《Tropical Island》をサーチします。
1-1.相手が先手で《ネザーゴイフ》をプレイした場合
《タミヨウ》をプレイします。最序盤の《ネザーゴイフ》はサイズが小さいため、除去は後回しにして構いません。
1-2.相手が先手で《タミヨウ》をプレイした場合
《剣を鍬に》で相手の《タミヨウ》を除去します。《目くらまし》された場合は先後が入れ替わり、次ターンに《豆の木》を安全にプレイできます。されなかった場合は次ターンに《タミヨウ》をプレイし、《渦まく知識》を構えます。
これは仮に変身された場合に触るカードが無く、2tの猶予内に《虹色の終焉》か《力線》を探す必要があるためです。後手の都合もあり、後者だと《目くらまし》にかからない保証はありません。であれば、ドローが進んでいない初手の内にリスクを取った方が良いです。
また、変身に備えて《剣を鍬に》を構え続けるプレイは存在しません。《目くらまし》まで加味して2マナを立たせ続けるのは論外です。ケアしないのであれば、後手1t目に除去しない理由はありません。
さて、ここで一考の余地があるのが《タミヨウ》をプレイするものの、《岸辺》から《Tundra》をサーチすることで、自分が白いデッキと明かすことです。これによりパーマネント除去を匂わせ、能動的な変身を咎めることが可能です。但し今回の手札では《渦まく知識》があること、相手が《不毛》を採っている可能性が高いこと、デッキ内の"諜報"ランドの存在からフェッチランドは可能な限り温存したいです。以上から、私としてはこのプレイは選択しません。
2. 1t目で《タミヨウ》、《豆の木》、《虹色の終焉》がある場合
さて、この場合はどうでしょうか。端的に言えば、《タミヨウ》の早期変身が受かるようになりました。先手の動きは変わらないため省略します。
2-1. 相手が先手で《ネザーゴイフ》をプレイした場合
《タミヨウ》をプレイします。ここも特に変わる理由がありません。
2-2. 相手が先手で《タミヨウ》をプレイした場合
《タミヨウ》をプレイします。変身をケアする必要が無くなったため、此方もリソース源として展開を進めていきましょう。除去されたならそれで良く、次ターンは《迷路庭園》の諜報、翌ターンに《豆の木》を続ける展開となります。
3. 2t目で《オーク》、《豆の木》、除去がある場合
さて、選択肢がぐっと増える2t目です。まず先手の場合、《豆の木》はプレイしません。動きが無いなら相手の終了ステップに諜報、《超能力蛙》が出て来るなら《剣を鍬に》。もし相手の手札が弱く、《渦まく知識》が飛んでくるなら《オーク》を合わせます。
要するに《タミヨウ》のような他のリソース源がないなら、1枚目の《豆の木》は《目くらまし》をケアします。一時的に土地が0枚になり2t目の《超能力蛙》が出て来なくなりますが、今回は除去があります。更に言えばゲームスピードの遅いこのデッキでは、相手の序盤の動きを1t遅らせることに大した価値はありません。
3-1. 相手が先手で《超能力蛙》をプレイした場合
自ターンに《剣を鍬に》で《超能力蛙》を除去します。自然に《目くらまし》をケアできる形となり、最高のスタートといえるでしょう。この時、相手アップキープまで待つ理由はありません。《否定の力》が入っていることが考えづらいため、《渦まく知識》で選択肢が増えることを防ぎます。
4. 2t目で《豆の木》が2枚ある場合
先手後手関わらず、《目くらまし》はケアしません。《豆の木》を叩きつけていきましょう。この他に、盤面の《タミヨウ》が生き残った場合も突っ張ってOKです。但し、基本的には常に《超能力蛙》の除去を優先します。
5. 2t目で《豆の木》があるが、除去が無い場合
これだけであれば3. のパターンと同じです。先手後手関わらず、《目くらまし》ケアで《豆の木》はプレイしません。
5-1. 相手が先手で《超能力蛙》をプレイした場合
問題となるパターンです。このときは《豆の木》をプレイします。一刻も早く除去を探す必要があり、ここで1マナ浮かしを考えると《超能力蛙》の攻撃を概ね2度通してしまうことになります。続くターンに脇の展開が無いとも限らず、そのまま負けてしまいかねません。もし手札に除去がなく、《意志の力》があるなら《超能力蛙》には必ずカウンターを撃ちましょう。
まとめると、最序盤の動きは下記になります。
・リソース源は必ず1枚確保。2枚目以降は雑に扱ってOK
・《豆の木》の設置より《超能力蛙》の除去を優先
・余裕が無いなら《目くらまし》はケアしない
デュアルランドのサーチの順番と合わせて、間違いなくこのデッキにおいて一番難しい箇所になります。経験と感覚が必要となる部分なので、大会前には友人と回しておきましょう。
■個別マッチアップガイド
参考までにサイドボードのインアウト、及びゲームプランを記載します。
なお今回の記事より、inoutの画像表示にはNoriyuki Mori氏作成のSide Bode Shareを使用しております。逐一カード名をタイプする手間が省くことができ、非常に楽になりました。浮いた時間は文量へと還元させて頂きます。
●エルドラージ
メイン:無理 サイド:微有利
メインボードは絶望的です。相手が50点以上の回りをした場合はまず勝てません。《まき散らす菌糸生物》が《ウギンの目》をサーチし、2体目の《菌糸生物》からは概ね《不毛》が飛んできます。これが基本土地と合わせて2枚の土地を飛ばし、そのまま押しつぶされる展開となります。頼みの《濁浪》や除去の一端を担う《力線》も、《運命を貪るもの》で容易に処理されてしまいます。《イス卿の迷路》が入っていないことを願いつつ、《濁浪》を《意志の力》でバックアップ、早々に殴り切るのが唯一の勝ち筋となります。カウンターの当て先は《コジレックの命令》です。
《不毛》を引けた場合の優先度は《ウギンの目》>>《エルドラージの寺院》>《古えの墳墓》です。《古えの墳墓》は非エルドラージ呪文にも使用可能ですが、2点ダメージが《濁浪》プランの1tを左右する可能性があります。
サイド後は専用必殺技《トキシクレイン》と、3枚の《放逐》により相性が劇的に改善します。カウンターと《力線》を投げつけて時間を稼ぎ、《トキシクレイン》にオールインします。豊富なドローとカウンターで、それなりな再現性があります。なお、この過程で《難題の予見者》が出てきた場合、あるいは《四肢切断》をプレイされた場合は諦めましょう。プレイの前後では無色マナの供給を断てるよう、《落とし子》トークンにも除去を撃つ、《タリスマン》を《力線》するなど徹底する必要があります。《荒景学院の戦闘魔道士》キッカーで抜けられる可能性があるためですね。
さて、これが定着すれば負けはありません。《ウギンの目》も《魂の洞窟》も全て止まります。合わせて此方は色トラブルから解放されるので、順々にパーマネントを並べていけばOKです。色マナが出るだけで基本土地タイプは与えないため、《力線》のコストが下がらないことには注意です。
●UBテンポ
メイン:有利 サイド:有利
有利マッチ筆頭。除去でゲームを伸ばして《豆の木》が機能すれば勝利は目前です。除去の優先順位は《超能力蛙》≧《濁浪》>《ネザーゴイフ》>《タミヨウ》です。負け筋は《不毛》で色基盤が機能不全になること。そこに《目くらまし》が絡んで殴りきられる場合ですね。
《タミヨウ》は反転しても《虹色の終焉》と《力線》で触れるため、無理に除去を消費しないことが肝要です。プレイ指針の箇所がこのUBテンポを念頭に置いたものになっているので、是非参考にしてみてください。
青いテンポデッキに対しては、サイドボード後は《花の絨毯》に色基盤を頼ります。《厚かましい借り手》以外に触る手段がなく、1マナと軽いため《意志の力》を強要することが可能です。一度通ればマナが倍増、色基盤も無視できるため、前述の手数の問題が解消されます。但し《不毛》が4枚のため、土地をキープできるよう此方も《不毛》を残します。無理に起動する必要はありません。
《掃除機》は《ネザーゴイフ》の完全処理、《バロウゴイフ》のサイズダウンに有効なものの、カード1枚分の仕事としては不足です。《濁浪》をカットし、リソース差をつけての《オーク》、あるいは《ウーロ》脱出を繰り返すゲームを目指します。
●グリクシステンポ
メイン:有利 サイド:有利
UBテンポと同様ですが、《ドラゴンの怒りの媒介者》の"諜報"により《不毛》を探されるためマナ基盤にはより注意が必要です。《媒介者》が《オーク動員》トークンでのブロックが不可であることと、《稲妻》が入っている分だけライフ管理がシビアになります。それ以外はほぼ変わらずです。除去を連打して相手のリソースを枯らしていきましょう。
サイド後も同様です。《発展の対価》が入ってくることが予想されることと、《媒介者》を処理できることから《水流破》を1枚のみ追加します。前者の存在から必要以上に土地を並べるのは厳禁です。《花の絨毯》を引けているのであれば、無理にマナを伸ばす必要はありません。また、《紅蓮破》が入るため《タミヨウ》の奥義は目指しません。"-3"で利確し、次ターンも生きるようであれば"+2"→"-3"でリソース差をつけてそれで優勢です。
●UBリアニメイト
といったところで、ここからは有料部分とさせて頂きます。
続きには残る環境デッキ9個へのサイドボーディング、及びゲームプランについて記載しておりますので、宜しければ是非ご覧下さい。
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