税金の無駄遣いって勘違いを考える
税金の無駄遣いってキーワード、あんたも聞いたことがあるかい?
ちょっと「税金の無駄遣い」で検索するだけで嫌ってほど情報が出てくるよな。
直近だとアベノマスクなんてのは税金の無駄遣いだ!って叩かれていたと思う。
でもさ?何を持って無駄遣いだって言っているんだろう?
アベノマスクだって使い勝手の問題はあるにせよマスクとして機能はしていたわけだし、何しろそのマスクを政府が発注することで、民間に売上が上がっているって事実をなんで皆して無視するんだろう?
今回は政府の支出ってやつについて調べてみる回だ。
ちっと反射的に感じてしまう問題だけれども、一緒に考えてみてくれよな。
2021年度一般会計予算
2021年度の一般会計予算が100兆円を超える見込みってニュースが出ているよね。
このニュースへの反応をyahooニュースのコメントで確認してみると「税金の無駄遣いやめろ」って反応で溢れかえっているのがわかる。
でもさ?なんで政府の支出額が多いとダメなんだっけ?
税収を超えた支出はイクナイってのはなんでなんだっけ?
政府の借金である国債が膨らみすぎたら将来国債を償還するときに税金が足らなくなるから?
え?でも国債を返すために国債を再発行とかしているんだし、必ずしも税金で返していくってのは実態と違わないか?
国家予算は税金だけでは出来ていない
日本政府の予算って当たり前だけれども税金による収入だけでは賄っていない。
ちっと古い情報だけれども2018年の決算ではこんな感じだったらしい。
出典:財務省
ちっと見えにくいかもしれないけれど、政府の歳入は105兆円あって、そのうち税金は60兆円。
それ以外は公償金収入、つまり国債で調達した資金とその他収入、前年度繰越金で出来ている。
もはや予算を成立させるために国債による資金調達は避けて通ることが出来ないんだよね。
なので、いろんな政府の施策を実行するためには必ずしも増税は必要ないはずなんだよね。
だってその分国債発行を増やせば良いんだから。
そう考えると、「我々の血税を無駄遣いするな!」って意見ってちょっとずれていると思わないかい?
政府の借金とインフレ率
そんなことしたら政府の借金がまた増えて大変なことになるだろうって?
何が大変になるんだろう?
まずは国債残高の推移から調べてみるかね。
出典:財務省
いわゆる赤字国債と建設国債の残高(政府の借金の額)は右肩上がりになっているよね。
じゃあ、このときの国債金利の推移ってどうなっていたのか?
出典:財務省のデータから香坂がグラフ化
国債金利は平成初期に上がっているけれど、基本は下がり続けているのが見て取れると思う。
国債をじゃぶじゃぶ発行すればするほど金利が下がっているってわけだ。
これはどういう意味なのか?
金利は下がりまくっていて、最近ではマイナス金利なんて意味のわからない状況になっている。
つまりだれかが国債を買うとその利子を逆に日本政府に払わなければ行けないって状況だ。
そんな状況になっても日本国債は取引されているってのが現実にあるわけだね。
このことから国債を発行しすぎてだれも国債を買わないって状況はすぐさま出るとは思えないってわけだ。
じゃあ、物価はどうなんだってことだよね?
出典:上記サイト
このコアコアCPIってのが生鮮食料品とエネルギーの価格を除いた物価の推移だ。
これを見ると2009年以降、一貫して物価は下がり続けているのがわかる。
日銀のインフレ目標2%ってのはコアCPI(生鮮食料品だけ抜いた物価推移)で測っているけれども、それだって0%近辺をうろちょろしている状況だ。
なので、国債を発行しすぎるとハイパーインフレになるってのも当てはまらないことがわかる。
そりゃそうだよな。国債を発行しただけだと政府の日銀当座預金が積み上がるだけで、世の中にはお金は出回っていないんだもんよ。
きちんとインフレにする(景気を良くする)にはその政府のお金を使って民間に発注してもらうしかない。
そうすることでようやく民間にお金が流通するわけだもんよ。
ところがさっきのニュースのコメントを見る限り「政府の支出が増えるのはけしからん」って意見ばかりが目立っているってのが現状だ。
新型コロナウイルスの影響で日本経済は待ったなしの状況なのに、政府の支出を抑えたほうが良いって意見は自分で自分の首を絞めている状況だってことを感覚として俺たちは共有する必要があると思うんだよね。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちはどうやったら政府の支出を増やすことが出来ると思う?