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「知らない」が生み出す攻撃性

あんたも東京オリンピックを楽しんだかい?

各国の選手が極限にまで鍛え上げた肉体と精神を駆使して競技に挑む様は俺たちに確かな感動ってやつを与えてくれたと思う。

もちろんパンデミックの状況を鑑みて東京オリンピック2020を開催すべきではないって意見もわかる。
ただ、そのことと、選手が頑張っている様子で感動することとは無関係なんだよな。
だって、そうだろう?
東京オリンピック2020を開催するってのは国だとかオリンピック委員会だとか、そこにまつわる企業だとかの開催するべきって圧と、感染状況を鑑みて安全性を確保するべきだって言う圧とのシンプルな力比べの結果に過ぎない。
それと選手が頑張っていることとは本質的になんにも関係がないと思うんだよ。

ところが、その頑張っている選手への誹謗中傷ってのが問題視されているってことらしい。

前にも大坂なおみさんへのバッシングが起きているってことについてnoteに書いてみた。

この選手たちへの誹謗中傷ってなんなんだろうな?

今回は国際試合における選手への誹謗中傷について考えてみる回だ。

ちっとこの悲惨な状況の原因ってやつを考えてみようぜ。

国際試合における選手という存在

オリンピックに限らず、国際試合となると国の威信を賭けて戦うみたいな味方をされることが多いと思う。

選手本人もその感覚を背負って戦っているヒトも多いんじゃないかって想像をするよな。

選手はスポーツマンシップに則って、勝負の勝敗に関わらず相手の選手に対する畏敬の念ってやつを忘れていないことが多いと思う。
そうでなければ、試合のときに殴りかかってしまうくらいの闘争心を抑えられないかもしれない。

そもそもが過酷な練習をこなしてきた選手ばかりなんだから、その状況が相手にもあるって思ったらおいそれと否定なんて出来やしない。

その思いを競技にぶつけることで選手たちは輝いているってわけだ。

見る側にとっての国の威信

で、その国の威信ってやつを見る側も感じている。

オリンピックの競技は普段見慣れている競技はごく一部で、ほとんどが日常的には見ることのない競技だと思うんだよ。
最近はスポーツの多様性がクローズアップされて以前のように野球かサッカーしか放送されないなんてことは無くなってきてはいると思うけれどね。
それでも、「普段から『空手の型』競技を注目してます」ってヒトはレアじゃんか。

そう言う普段見ない競技での勝敗を見ると、シンプルにルールがわからなかったりするから、審判の判定に不服を感じるヒトも多いと思う。

ルールが良くわからない中で、国の威信を背負っている自国の選手が負けた!
不正判定だ!
そんなんで勝った相手が憎い!

その感情が選手に向かうことで誹謗中傷という形になってしまっているってことなんだろうね。

誹謗中傷を俺たちがしないための工夫

そう言う国の威信って言う虚構に伴う俺たちの感情が動くことそのものは、俺たちには制御が出来ない。

感情を感じてしまうことそのものは俺たちにはどうすることも出来ないのはヒトという生き物の特性だからどうしようもない。

なら、誹謗中傷を放置するのか?
んなわけには行かないじゃんか。

ポイントは感じた感情をどう表現するのかって話なんだよな。

「うわ!負けた!悔しい!!」

「あんなに頑張ってきた選手が負けるなんて信じたくない!」

「あの判定がおかしいよ!」

「そんな判定を受け入れてのうのうと勝利を手にしている相手の選手が許せない!」

こんな負の感情の流れを俺たちはどこで止めれば良いんだろう?

「うわ!負けた!悔しい!!」

「あんなに頑張ってきた選手が負けるなんて相手の選手はどんだけ努力を積み重ねてきたんだ?」

相手の選手を調べてみる。

「相手の選手もこんな努力を積み重ねてきたんだ……。応援してきた選手も努力してきたけれど、同じくらい努力しているじゃないか」

「この素晴らしい切磋琢磨の結果を見せてもらえた事に感謝しよう」

って流れかな。

要するに俺たち見る側のヒトはあまりにも知らなすぎるんだよ。

相手の選手のことも相手の国のことも競技そのもののことも。

知らないからこそ安易にわかる結果という指標でしかものを見ることが出来ない。
その結果としての誹謗中傷なのかもな。

そして、そのことはスポーツに限ったことじゃない。
俺たちは本当に多くのケースで「知らない」ことを理由に誰かを非難している。

知らないことって、自分自身の弱点みたいに捉えるのって結構普通の感覚だと思うんだ。
だからこそ、その弱点を突いてくるかも知れない「知らないことをするヒト」を無意識的に攻撃してしまう。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは誹謗中傷という愚行を自らが侵さないために自分の知見を広げるという努力を積むことが出来るだろうか?

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