炎上と表現と
あんたもこのnoteってプラットフォームを使っているからちっとはこの記事の顛末ってやつが気になっているかい?
ざっくり言えばnoteが運営しているcakesという有料メディアでの作家さんであるあさのますみさんがcakes編集とうまくやり取りできてなかったって事実に対して、そのcakes編集の対応があんまりにもひどくね?って内容だ。
とか、こんなふうにまとめてしまうと味も素っ気もないし、ケンカはよそでやってちょってなるけれども、このあさのますみさんの書こうとしていたもの、そして、この書かれた文章は抗議の文章でありながら、なんか特別な感じがする。
なんというか、白湯のようなやわらかさみたいなものが感じられるのは俺だけか?
まあ、そんな文章としての素晴らしさは元記事を読んでもらうとして、この中で俺が気になったのは「本当になんでこのコミュニケーション不全は起きたんだ?」って疑問だった。
今回は個人と企業のコミュニケーションについて考えてみる回だ。
ちっと俺の思考整理に付き合ってくれよな。
経緯を整理してみる
まず、あさのますみさんはcakesクリエーターコンテスト2020で入選することでcakesでの連載を持つ権利ってやつをゲットしたんだそうだ。
その時点で選ばれた記事がこれ。
この時点で、あさのますみさんはご自身の友人の自死ということを主題とした文章を書いていて、それをcakesクリエーターコンテストとしてcakes編集部は入選させている。
これが2020/06時点だ。
そこからあさのますみさんは連載用の執筆に入る。
当然、商業誌に乗るわけだから編集担当がついて、綿密なやり取りで加筆・修正・リテイクなどを繰り返しながら編集部のOKをとっていったそうだ。
そして、2020/10/19にcakesの別の記事が炎上。
その数日後「マイルドに書き直して」と担当編集から連絡があるも、今までOKをとってきた経緯があるため再考を担当編集に依頼。
次は編集長から「内容に問題があるから書き直して」との依頼あり。
結果、11月からの連載は止められた。
って流れなんだな。
なぜcakes編集は自死のテーマを扱えなくなったのか
ここからは、俺の完全なる想像で書くので、事実とは違う前提で読んでほしいんだけれど、何個かパターンがありそうだよな。
(1) cakes編集は当初から「自死」のテーマを扱うことはNGだった
(2) cakes編集は当初は「自死」のテーマを扱うことは途中からNGになった
(3) cakes編集は「自死」のテーマを扱うことはOKだが経営判断で止めた
まず(1)のケースから。
編集部としては「自死」を扱うのがNGなのにも関わらず、そのことを担当編集が把握していなかったってパターンだ。
まず、このパターンは相当に無理がある。
だって、最初にcakesクリエーターコンテストで「自死」テーマで入選させてるんだもんよ。
なので残るは(2)か(3)だ。(2)と(3)は判断するヒトが違うってだけで、何らかの理由で「自死」をテーマにした連載がNGって判断が途中でされたってパターンだ。
なんで途中でダメになったんだろう?
実際、cakesは今年何度か炎上騒ぎを起こしていて、実際問題組織改編まで含めて、会社としての対応をとっていた。
組織改編までやって「ダメでした」って結果を2020/10/19の記事は出しちまったってのが実態なんだろう。
もはや、誰かが責任をまたとるってことになれば、もう編集部としての体をなしてない状態になりかねない。
必死に組織を守ろうとしている組織人の姿が見て取れると俺は思ったんだよ。
組織を守るためには組織外に理由を求めるしか無い。
みっともなくても生きていかないといけない。
そう言うことなんじゃなかろうか?
当然、だから今回のcakes編集部のやり方しか無いとは全く思っていない。
むしろ悪手だと思う。
このやり取りの記録の大半がデジタル化している状況で経緯の整理なんてあっという間に出来るし、それを公開するって手段を個人は持っている。
っていうかcakes執筆者だったら、その影響力もひとしきりある。
今回のような編集部の悪手が世の中に出るのは必然だった。
じゃあ、cakes編集部はどうすればよかったんだろう?
思うに、cakesって媒体は「書き手の自由」ってのが最大の魅力なんだと思うんだよな。
だからこそセンシティブな内容もあるし、誤解を生じさせる表現も混ざってくる。
だからこそ、編集部は炎上が起きた時点で「なぜそのコンテンツを良しとしたのか」ってことを丁寧に世の中に説明するしかなかったんじゃなかろうか?
あさのますみさんの連載も改めて開始して、それに批判が来るようであれば著者とともに丁寧に説明する。
少なくとも一度はOKと判断したコンテンツなんだから、その判断を説明すればいいし、判断が間違っていたとなれば、何が間違っていたのかを総括して、その判断ミスが起きないように打つ手を説明する。
愚直ではあるけれど、これしか無いと思うんだよな。
なあ、あんたはどう思う?
炎上による言葉狩りなんて世界を俺たちは望んじゃいないよな?