「貯蓄から投資へ」を考える
あんたも「貯蓄から投資へ」ってフレーズをニュースで見ていたりするかい?
ざっくり言えば、銀行に貯蓄していてもお金が回らないから株式投資だとかの金融商品を経由して世の中のお金の流通を増やしましょうよって話なんだろうな。
ぱっと聞いた感じだと「はあ、左様でござるか」って特になにも感じない話かもしれないけれど、俺としては「何いってんの?」って感想だった。
今回はこの「貯蓄から投資へ」ってフレーズについて改めて考えてみる回だ。
ちっと日本がどこに行こうとしているのか整理しておこうぜ。
政府が貯蓄を嫌う意味
まず、なんで貯蓄がダメって言われているのかから整理しないとならんと思うわけだ。
シンプルに考えると、貯蓄ってのは「経済的余力」そのものだと思うわけだ。
つまり国民が抱えている貯蓄の総額ってのは国から見れば「おまいらの本気早く出せよ」って数字に見えるっこったな。
なので、本質的に考えると貯蓄を使って物やサービスを購入したくなるように仕向けるってのが本筋なわけだけれども、それが出来てたらデフレなんてなってねーよって話になる。
じゃあ、なんで貯蓄を使ってくれないんだ?ってなるんだけれど、そんなのはあたり前田のクラッカーだ。
#死語攻撃
そりゃぁ、デフレで商売がうまくいかないんだから、給料だって上る見込みはない。
持っている貯蓄額の総量ではなくて、お金の入り繰りという流れで消費出来るかどうかを個人は考えるわけだから、そりゃぁ貯めることが出来るときには貯めるってのは普通の感覚だわな。
でも貯蓄されちゃうと、その分消費がなされなくなって、またデフレスパイラルになっちまう。
なので政府は思ったわけだ。
「じゃあ、貯蓄を含めた資産が増えれば消費してくれるんじゃね?」って。
資産を増やす
で、今の日本は貯蓄に対する金利なんてないも同然くらいにしかつかない。
当然それじゃ消費を増やそうなんて誰も思わない状態なわけだ。
それなので、少しでも増える可能性のある株式投資を含む投資へとお金をシフトすればいいじゃんかって感覚なのかな。
現実問題、日銀は金融緩和の名のもとに円を事実上発行し続けている。
マネタリーベースってやつだな。
ところが、デフレなので円の総量が増えても、消費はされない。
結果として日銀当座預金に積み上がっていくだけになっちまうけれど、当然それじゃ利益が出ないから、本来は民間企業に銀行としては貸付をしたい。
でも、デフレだから民間企業はリスクを取って借金なんてしてくれない。
なので国債を始めとした金融商品で銀行はしのいでいるってスンポーだ。
結果として金融商品にお金が回るから全体的には金融商品は値上がりの方向性を持っていく。
こいつに国民を乗らせれば資産が増えて景気が良くなるって思惑なわけだ。
資産が増えても消費はしない
でもさ。
おかしいと思わね?
だって貯蓄という資産がある程度あるヒトでも消費はしていないからデフレなんじゃんか。
それが貯蓄から金融商品に形を変えたら状況が変わるってなんで思ったんだ?
俺たち庶民は、給料なり売上なりって言う未来にある程度見込みが建てられるお金の流れを想像出来ないと、いくら手元にお金がたくさんあっても消費できないってのが実態だ。
そして、その見込がたつ未来のお金ってのは消費がなければ生まれない。
投資ってのは、本来は見込まれる消費に対して経営者がリスクを取って行う行動のことだ。
だったら、消費を無理矢理にでも増やす方法を考えるときに、なんで貯蓄だけを悪者にして投資って話になるんだ?
どう考えても消費を増やしてから投資へ誘導するって順番じゃないと成立しないじゃんか。
そもそも投資によるお金の増加はGDPに勘定されない。
いくら株やらFXやらで儲かってもGDPは増えないんだ。
ならどうする?
民間が消費しない以上は政府が消費するしかない。
なにに消費する?
日本が災害に多く見舞われる国である以上は、橋や道路、建物をメンテする産業に最初にお金を流さないと行けないと思うんだよね。
あの民主党政権によって、日本の土木産業は壊滅的な打撃を受けている。
その結果、今の日本は大規模な地震などの自然災害が来ても十分な対応が出来ない状態になってしまっている。
マジで俺たちは命の危険にさらされているってわけだ。
なあ、あんたはどう思う?
この悲劇的状況の中で民間の投資を促すって政府の本当の意図ってどこにあるんだと思う?