食料自給率が高まらない事情
あんたは食料自給率の低さって実態がリアルに俺たちの生活にエグい影響を及ぼしてきているってのを感じているかい?
コストプッシュインフレなんて言葉が一般的になっている中で、食べ物の値段がえげつない感じで値上げされていっているってのは、日々の台所事情を眺めているとめちゃくちゃ感じるところだと思うんだよな。
コストプッシュインフレってのは諸外国からの輸入を前提にモノやサービスを輸入することを前提にしている部分において、諸外国のインフレ状況と日本のインフレ状況の差だとか、円相場の状況だとかの影響がインパクトを及ぼした結果としてコストがでっかくなっちまったってやつだよな。
なので、普通に考えると日本国内で食料作ればいいんじゃね?って思うわけだけれどもそうはなっていない。
今回は食料自給率ってやつについて考えてみる回だ。
ちっと、日本の状況について想像を膨らませてみようぜ。
アメリカから食料を輸入するって意味
日本ってさ。
小麦を始めとしてアメリカからめちゃくちゃ食料を輸入しているじゃんか。
これ、ちょっと不思議じゃね?
何が不思議なんだって?
だって、アメリカの方が日本人よりも収入が高いんだぞ?
日本の収入の中央値は445万円。
アメリカの収入の中央値は567万円だ。
100万くらい違うんだぞ。
比率にすればアメリカは日本の1.27倍だ。
前にもアメリカでのウエイター、ウエイトレスさんの時給がチップ込で時給50ドル位になるなんて話もあった。
それくらい景気が加熱しているわけだ。
景気が上向き続けているアメリカからものを買うってのがどう言う意味を持つのか?
普通に日本の農家のヒトが育てた農作物とアメリカのヒトが育てた農作物で同じ時間をかけて育てたとして、アメリカの農作物を日本に売るためには1.27倍の価値を作り込まないといけない計算じゃんか。
なのに、日本はその1.27倍の人件費を使って作られている農作物をせっせと輸入している。
なぜなんだ?
やっぱ農業の規模が段違いなんだろうって想像するよな。
日本での小麦生産を眺めてみる
日本における小麦生産の主役はどうも北海道らしい。
2位の福岡の生産量と比べて2桁違うくらいの生産量なんだそうだ。
エグいな北海道。
でもそんだけ作っていても小麦の国内自給率ってのは15%程度なんだってよ。
ええ?!
それじゃ日本で小麦を自給自足するなんて夢のまた夢ってことか?
確かに日本の国土面積の67%は森林だって話も聞く。
これじゃあ、効率的な農業なんてデキッコナイスって思うのは普通だよな。
狭い面積での農業
じゃあ、日本は食料自給率を上げる事は不可能なんだろうか?
どうも、そうでもないって意見もあるらしい。
実際に狭い面積でスゴイ効率的に農業を営んでいる国もあるってんだよ。
どこだって?
オランダだ。
なんでも、オランダは農作物の輸出金額においてアメリカに次いで世界第2位なんだそうだ。
オランダって言えば日本の九州くらいの面積しか無いんだけれど、それでその輸出量ってスゴイよな。
どうもこの記事によると、ICTを活用して生産効率を極限にまで上げているってのと、生産対象品目を利益率の高い作物に限定することによって実現しているらしい。
生産対象品目の絞り込みってのは食料自給率向上とは微妙に噛み合わないところはあるかもしれないけれど、ICTによる生産性向上ってのは結構真似できる要素かも知れないな。
でも、そいつには結構でかい壁がある。
日本の農業は個人経営が基本だってことだ。
つまり、でっかいICTへの投資ってのが基本できない構造にあるってことだ。
こいつをどうにかするためには農業に携わるヒトを束ねて法人化することで、農業の規模を大きくするしか無いと思うんだよ。
ところが、農業が個人経営をしている事によって恩恵を受けているヒトがいる。
政治家だ。
農業が法人化する事により、その法人ごとに利益を出すための工夫をし始めるはずだ。
個人経営の場合、利益を出す方法ってのには限りがある。
オランダの様に利益率の高い作物を生育するか、労働単価の低い労働力を使うかだ。
利益率の高い作物を育成するためには、当然ながらノウハウが必要で、そのノウハウを手に入れるためには投資が必要だ。
個人経営ではその投資の種銭を作るのも一苦労だよな。
で、結果として農家のヒトが求めるものは安い労働力に落ち着くことになる。
つまり外国人労働者ってわけだ。
今の与党である自民党の票田の一つに農家があるって話、何かで聞いた時ないかい?
そう考えると、自民党が一貫して外国人労働者の受け入れを拡充しようとしている背景にはそう言う面もあるのかもしれないな。
そうすれば農家の票は何も考えないでも集められるわけだから。
でもそれだと、マンパワーでいくらひっぱたいても日本の国土面積は増えないので、農業全体としてはジリ貧になると思うんだよ。
ならさ。
政治が本来するべきなのは農業の法人化による大規模化を支援する様な補助金制度って事にならないか?
そうすればオランダの様に、日本の得意技を食料という安全保障の根幹につなげる事ができるんじゃないか?
なあ、あんたはどう思う?
俺たち日本人はどうやったらこの不安定な世界を生き抜いていけるんだろう?