宇宙が持つ無限性
冬の夜空を見上げながら、宇宙に思いを馳せる。
そんな瞬間、あんたにもあるかい?
神奈川出身の俺にとって冬といえば、乾燥した空気が素晴らしい夜空を提供してくれる季節だ。
望遠鏡から月を眺めたり、星を眺めて過ごした少年時代。
中学、高校で学んだ物理の授業は、そんな美しい世界が数学という人間の考えたもので描き出すことを教えてくれた。
これって、多分、俺の中の世界観が固まった瞬間なんだと思うんだよな。
そして、今年の冬空も変わらず美しい。
今回は、そんな変わらない宇宙についてオッサンになった俺が感じていることが少年時代とどう変わってきているのかを振り返ってみる回だ。
まあ、あれだ。宇宙ってすげぇよな。ホント。
宇宙について考えたきっかけのニュース
今回、宇宙について考える切っ掛けをくれたニュースがある。
なにやら、ケプラー宇宙望遠鏡の後継機であるトランジット系外惑星探索衛星ってやつが地球から100光年離れた場所に生き物がいるかも知れない惑星を発見したってんだよ。
この文章だけで、宇宙に興味がないやつは何いってんだっけって単語のオンパレードだよな。
まず、ケプラー宇宙望遠鏡ってのは、有名なハッブル宇宙望遠鏡のように光学的に観測するためのものではなくて、トランジット法に基づいて、惑星を観測するためのものだ。
トランジット法ってやつは、要するに惑星が恒星の周りを回っているときに、惑星が恒星を隠して、その分恒星の明るさが暗くなることを利用して、惑星の構成要素を測定しようって方法だ。
つまり、ケプラー宇宙望遠鏡は厳密には望遠鏡じゃなくて、計測器なので単純にケプラーって呼ぶのが正しい呼び方らしい。
で、そのケプラーの後継機がトランジット系外惑星探索衛星、略してTESSってやつだそうだ。
で、そのTESSが今回ハビタブルゾーン(惑星上で水が液体として存在できる恒星と惑星の距離感)にある新しい惑星を発見しましたよってニュースだ。
よく知らなかったんだが、ケプラーはすでに数千のそう言うハビタブルゾーンの惑星を観測しているんだと。
なんか、もうSFだよな。
子供の頃に感じていた宇宙
宇宙は俺にとってアニメーションが教えてくれたものだった。
当時、宇宙戦艦ヤマトに夢中になっていた俺は、大マゼラン星雲への長旅に思いを馳せながら、宇宙というとてつもないフロンティアに心を奪われていった。
エンケラドゥスの間欠泉やら、木星にも輪があることやら、カイパーベルトで太陽系が包まれていることやら。
そのすべてが少年の冒険心を掻き立てるのに十分なことだった。
さらにブラックホールという物理現象は少年の俺の興味を総ざらいしていく。
そこにある「空間の歪み」と「時間の歪み」。
時空間という言葉の持つ響きがスゲーカッケーって思ったわけよ。
しかも、空間の歪みが極まっているブラックホールは他の宇宙につながっているかもしれないときたもんだ。
そりゃー、もう夢中になるさ。
オッサンにとっての宇宙
オッサンになった今となっても、その宇宙のかっこよさってやつについては微塵もゆらぎない。
ハッブル宇宙望遠鏡がもららしてくれる様々な情報は俺たち宇宙大好きオッサンに興奮をもたらしてくれる。
宇宙がビッグバンからビッグクランチで終わるってのが間違った認識だって発見はワリカシ印象に残っているニュースだよな。
上のNASAのサイトにも書いてあるけれど、宇宙は膨張する速度をどんどん加速しているってのが観測の結果として導き出された結論なんだ。
つまり、ビッククランチ(宇宙が縮小に転じていつか特異点にまで収縮する)という宇宙の最後の想定は間違っていて、実際にはビッグチル(宇宙が無限に拡張しきってしまって、ブラックホールですら蒸発してしまう状態)で終わるってのがハッブル宇宙望遠鏡の観測結果が導き出してくれたことだ。
で、こう言うことに対する興奮は子供の時と変わらないんだが、一つ変わったことがある。
宇宙のことを「理解する」なんてことはヒトには不可能なんだと思っていることだ。
おそらく、宇宙的な発見はどんどんされていくことだろう。でもその発見が「しつくされる」ってことは多分ない。
これは果たして絶望なんだろうか?
いや、これこそが無限に発見がなされていくという希望だよな。
オッサンが子供のころに抱いていた宇宙への憧れ。
宇宙はそれこそ無限にその憧れを持ち続けてくれる。
その確信こそがオッサンになった俺が得た最大の宝物なのかもしれない。
さて、あんたはどう思う?
あんたにもあると思うかい?無限の希望ってやつが。