国旗損壊罪という法律
あんたは日常の中で法律が出来上がることについて考えることがあるかい?
普通に生活をしていれば法律の縛りを感じることはあったとしても、それほどその法律について思いを馳せることなんてレアケースだろうし、その法律がどう出来上がっているのかってのなんて、もっと考えないと思う。
そう言うのが俺たちにとっての現実なわけだけれども、日々国会という場で様々な法律が出来上がっているってのもまた現実だ。
今回はとある法律についての議論があるってことが俺の低めのアンテナに引っかかってきて、ちょっと考えたくなった俺の感覚をまとめてみる回だ。
ちっとオッサンの思考散歩に付き合ってくれよな。
国旗損壊罪という罪を作る法律
よく知らなかったんだけれども、国旗損壊罪って罪を作るって話が出ているらしい。
その名の通り「日本の国旗を壊したら罪だかんね」って法律だ。
このリンク先では自民党政調会長の高市早苗さんがその必要性を語ってくれている。
ぱっと見で、最初は俺も「まあ、いいんじゃない?あっても」くらいに思ったんだけれど、実のところ、この話って結構難しい側面がある話らしい。
こう言う文面になる想定らしい。
ポイントは侮辱を加えられたらダメってのが「日本国」というものなんだよな。
日本国政府でもなく日本人でもなく「日本国」だ。
この「日本国」ってものが何者なのかってことを語れるヒトってレアなんじゃないか?
なに?んなもん地図見れば一発だろって?
そいつは「日本列島」だ。
「日本国」そのものじゃない。
右っぽい言い方をするならば、国体ってやつだな。
天皇陛下か?
いや、そしたら天皇陛下が崩御なさってから次の陛下が即位するまで「日本国」はない状態なのか?
皇室という存在か?
皇室の皆さんが身罷ってしまったら「日本国」はなくなるのか?
日本政府か?
じゃあ、徳川幕府が倒れた時に「日本国」はなくなったのか?
ぶっちゃけ「日本国」というものを明確に意識しにくいんだよ。
もちろん様々な法律で定義ってのはなされているんだろうけれど、何を持って「日本国」なのかって共通意識は結構曖昧なものだと思うんだよね。
その曖昧なものを「侮辱」させないための法律ってわけだ。
これさ、マジで誰を何から守るための法律なんだろう?
国旗を守る法律
実際に他の国ではこの国旗を守るための法律が施行されているらしい。
結構な問題がこの手の法律では起きているってのも現実なんだそうだ。
中国では、不法占拠した場所に国旗を貼り付けることによって、強制退去ができなくなるようなケースも有るんだと。
そんな風に悪用されることも想定される法律を作っちまって大丈夫なのかって意見も出ているんだそうだ。
なるほどなあ。
アメリカではこの国旗を守る法律ってのはなくて、ない理由として「表現の自由」を守るって発想があるんだそうだ。
確かに、日の丸がプリントされたシャツを着ているヒトが喧嘩して、相手にシャツを破られたら「国旗損壊罪だ!」となるケースも想定されるから、おいそれと日の丸を日常の中で使えなくなるようなことも考えられるもんな。
日の丸がデザインされたハンカチを洗濯して干していたところを風に飛ばされてなくしたら「国旗損壊罪!」なんてなったら、どえらいディストピアの出来上がりだ。
なに?それは「日本国を侮辱する目的」を持ってないだろって?
そいつを証明できないじゃんか。
なんつっても「日本国を侮辱する」ってのが何を指すのかさっぱりわからないんだから。
だったら疑わしきは罰せずってんだから良いだろって?
なら、そもそもこの法律いらなくないか?
作るのだってただじゃできない。
貴重な国会議員の時間を費やすことになるんだから。
こんなことに時間をかけるより消費税を減税することを真剣に考えてほしいじゃんか。
なあ、あんたはどう思う?
なぜこの法律が議論されているんだろう?