航空機事故と教訓
あんたは過去に起きた痛ましい事故について考えるようなことがあるかい?
今年の1月2日の羽田空港で起きた痛ましい事故では、悲しむべきことに海上保安庁のヒトが犠牲になってしまった。
それでも、民間人の被害者はでなかった。
下手をすれば数百人単位で犠牲者が出ていてもおかしくなかった状況だったってニュースでは伝えられている。
なぜ助かったのか。
BBCとかの海外メディアでは、どうも「教科書通りに避難したから」って評価をしているらしい。
なんでも、避難する乗客は指示通りに自分の荷物を抱えるようなことはせずに、速やかに避難したからこそ、被害者がでなかったってことなんだそうだ。
それを聞くと、改めて移動時の荷物ってのは最小限にしとかないといかんなぁと思ったんだよね。
で、それと同時に思った。
その教科書ってどうやって作られたんだ?ってさ。
今回は過去の事故や災害から何かを学ぶってことについて考えてみる回だ。
ちっと過去の記憶をたどってみようぜ。
日本航空350便
俺の記憶に直接残っているでかい航空機事故って言うとこの日本航空350便の事故になると思う。
いわゆる「逆噴射事故」だ。
機長が精神的な不調を来してしまって、あり得ない操作をしてしまったことで起きてしまった事故だ。
なんでも、精神的な異常ってのはワリカシ前から認識されていたらしく、ただその異常に対応するための仕組みがまだ確立されていなかったために起きてしまった事故って話だったみたいだ。
当時はガキンチョだった俺としては「大変な事故が起きたらしい」ってだけ思ってた記憶が残っている。
機長がどうのこうのとかの感想を持ったのはもっと後になってからこの事故についての振り替えり番組みたいなのを見てからだったと思う。
この事故が起きたことによって、乗務員の精神的なケアってのが重要視されて対応するための機関も出来たってことらしい。
まあ、その時代は今とは比べ物にならないくらいにヒトが馬車馬のように働くのが当たり前だった世界だったもんな。
そう考えてみると、環境が引き起こしたヒューマンエラーが課題認識された事故だったと思うんだよね。
日航ジャンボ機事故
もうひとつ思い出すのは日航ジャンボ機事故なんだよね。
この俺の記憶のなかではもっとも多くの命が奪われてしまった事故の原因は修理ミスってことで結論になっているらしい。
ってか、この事故を起こした便に深田恭子さん(当時2歳)が乗る予定だったのに、予定変更で難を逃れていたんだ。
ジャニー喜多川さんもか。
で、修理ミスってことだと話はめちゃくちゃ難しい。
なんつってもミスなので、そのミスをどうやって見つけられるのって話になるわけだもんな。
で、案の定この事故への対応は「ちゃんとせいよ」って勧告が主なものになっていたみたいだ。
さすがに100%ミスを防ぐ手段ってのはないから、キッチリ確認してねって言うしかないもんな。
そう考えてみると、日航ジャンボ機事故は事前に予測できない事故に対してどうヒトは対応できるのかって課題を突き付けたってことになるのかもしれない。
教科書通り動けた理由
こう振り返ってみると、このデッカイ二つの事故は2024年1月2日の事故での対応には直接的には影響をもたらしてはいないように見えるよな。
ただね。
二つの事故に共通しているのは、ヒトが何かできたことがあるはずってことなんだと思うんだ。
350便については、乗務員のメンタルの課題だった。
日航ジャンボ機事故は、起きてしまった事故への対応でまだやりようがあったようにも思える。
その二つの事故に対応するために必要だったものはなにか。
冷静さと信頼だよな。
二つの痛ましい事故から得たその二つの教訓のどちらが欠けていても、2024年1月2日の事故での犠牲者は増えてしまったと思うんだ。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちは俺たちの仕事でこの二つをどうやって維持していけば良いんだろうな?