【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#13
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
まだ企画に混ざっていないヒトのキャラクターを絡めちまったw
で俺の持ちキャラはこいつ。
今回は久しぶりに元記事なしで書いてみるかね。
ただ登場人物はこのヒトたち。
のちゃぼさんこと茶保先生と
のガッキーこと垣野先生だ。
本稼働翌日
まったく、本稼働2週間前の仕様変更なんてのがあったにしてはノートラブルで本稼働初日を過ごせたってのは奇跡に近いぜ。
そんなことを考えながら俺は葵に足を向けていた。
とりあえず初日をクリアした。
後は月次連携が山場ってところか。
でも月次連携後のPA会が一番めんどくさいんだよなぁ。
まあ初日にノートラブルってのは主張して書いていくことで、なんとか凌げるかな。
でも、だいたいあんな仕様変更を受け入れないで運用で凌ぐ方法をあの会議で提案できてりゃ、こんなめんどくせーことにはなってなかったんだよな。
あの会議から頭を冷やして考えてみたら、運用回避の方が現場にとっても良い面があったのによ。
とか、「後悔、役に立たず」のお見本みたいなことを考えながらぷらぷらと歩いていったんだよな。
葵にて
カランコロン。
いつもの葵のドアを開ける。
「あら、田中さんいらっしゃい」
ママがいつも通り迎えてくれる。
「うへぇ、ようやく一区切りだぜ」
仕事の内容は触れずに、単純に感情を吐露する。
ここはそんな場所だ。
「お疲れ様」
いつものアルカイックスマイルでママが答えてくれる。
「田中さん最近見ないと思ったら、なんか大変だったんだ」
カウンターに座っていた女性が声をかけてくる。
「おう、ガッキーじゃん。なんか久しぶりな感じがするな」
「田中さん時々レアポケモンみたいに姿を表さないんだもん」
ヒトをポケモン扱いするんじゃねぇよ。
とか思いながら苦笑する。
仕事ってままならんよなぁ。
「まあ、いろいろあるだろ?お互いにさ。ママI.W.ハーパーロックダブルで」
「はい」
ママは冷凍庫から丸い氷を取り出しながら作り始める。
カランコロン
またドアベルが響く。
「うん?ちゃぼさんも来たんか」
「あら、田中さん。ガッキー。なんか珍しい組み合わせね」
ガッキーがにこやかに手を降る。
へぇ。この二人知り合いだったんだな。
「NINJAが入院中だからね。ここにくる回数が増えたわ」
ガッキーが思い出したかの様にムッスリ顔になる。
「あら、結構重症だったのね」
「そうよ。エンジンバラして部品交換だもん。心臓手術するようなもんよ」
そんなことを話しながらちゃぼさんはガッキーと俺の間のカウンターに座る。
「ママ、ジントニックお願い」
俺の所にI.W.ハーパーを持ってきたタイミングでちゃぼさんがママに頼んだ。
「はい。ちゃぼさんもお疲れ様」
「ったくなんで飾り付けの質問を私にしてくんのかしら……」
「あら、ちゃぼさんとこにも行ってんだ」
「そうよ。私にはそのセンスはないってーの」
二人の会話を聞いて「同じ職場なんだ」となんとなく言ってみる。
「まあね。部署は違うけれど」
ガッキーが答える。
おっと仕事の話は無しだったな。
「そう言えばさ、田梨木高校ってあるじゃん。なんかあそこの文化祭に行くことになってさ……」
とか話し始めたらガッキーとちゃぼさんが一斉に俺を見る。
「うん?なんだなんだ?」
『え?来るの?』
二人が異口同音で俺に問うてきた。
「うん。なんかまずいか?」
「いやぁまずくはないけど……」
ちゃぼさんが言い淀む。
そしてガッキーがこう言った。
「私達、その田梨木高校で働いてるのよ」
「へぇそれは意外なつながりだ」
俺は素直に感想を述べた。
「なんか田中さんが職場に来るってすごい違和感があってさ」
「ガッキー。でもあんたの職場の少年少女は立派に考えてるっぽいじゃんか」
「……なんで知ってるの?」
「なんか色んなところで田梨木高校の少年少女と会うもんでね」
今度はちゃぼさんが言ってきた。
「田中さんも律儀ねぇ。普通だったら子どもの話なんてスルーでしょ」
「いや、だってよ。なんか困ってるっぽい感じを撒き散らしてんだもんよ。
なら声をかけないといけない気持ちになるじゃんか」
俺がそう言うとガッキーが
「ホント、お人好しよね」
と斬り捨て御免。
「まあ、少年たちの音を楽しみに伺うよ」
そう言って、俺はI.W.ハーパーを一口飲んだ。
少年たちの頑張った結果ってやつを想像しながら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?