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作品を楽しむ頭のチャネル
あんたにも突然、思い出すことのあるセリフってやつがあるかい?
俺くらいのオッサンともなると、映画やアニメに漫画に小説と結構な数の作品を堪能してきている。
中には綺麗サッパリストーリーを忘れてしまっているようなものもあるが、その中でもふとした瞬間に俺の中に鮮烈に思い出されるシーンってやつがいくつかある。
今回はそんな俺の中にリフレインされるシーンとセリフについて語ってみる回だ。
まあ、あれだ。
俺の趣味に付き合ってくれよな。
ガンダムWという美少年アニメのハシリ
ガンダムWというアニメをあんたは知っているかい?
まあ、ガンダムが好きだって言う奴らの中で、このガンダムWが一番好きだってやつは結構レアだと思うんだが、わりかし挑戦的な物語だったと記憶している。
※ちなみに俺は宇宙世紀ものが大好物
いわゆる1stガンダムは「子どもたちが戦争の中で生き延びる」というテーマの中で物語が展開する。
それは形を変えた十五少年漂流記なわけだが、その続編のZガンダム以降では戦争の方により焦点が当てられ、「戦争に翻弄される人々」というテーマに変容していっている。
そして、逆襲のシャアでは「戦争の中での母」がテーマとなり、ガンダムUCでは「戦争の中での父」がテーマとなった。
そんな一連のいわゆる「宇宙世紀もの」とは違う世界観でガンダムWは描かれている。
まあ、∀ガンダムで一緒のモノ扱いになっているが、そんなもんは知らん。知らんって言ったら知らん!
ガンダムWでも地球と宇宙という対立構造をベースにその戦果の中で美少年たちが別々のガンダムで大活躍というオタク女子に全力でおもねったガンダムだ。
その物語の中に登場してくる様々なキャラクターたちは、リアリティのある重みのある魅力というよりは、どこか超然として、ちょっと聞いただけでは主張の骨子が読み取れないようなミステリアスを含んだ魅力で作り上げられている。
なんというか、きちんとアニメのキャラクターとして魅力的って感じだな。
トレーズ・クシュリナーダというキャラクター
そんなキラキラキャラたちの中で、ひときわ異彩を放つキャラクターがいる。
その名はトレーズ・クシュリナーダ。
この24歳の青年は物語の中での仕上がり、最終的には地球側の最高司令官になっちまう御仁だ。
で、まあ、このキャラクターのセリフがいちいちキラキラしている。
「ことは全てエレガントに運べ」
出展:新機動戦記ガンダムW
だの
「私は……敗者になりたい」
出展:新機動戦記ガンダムW
だの、前後の文脈がすっ飛んでしまうほどのキラキラセリフのオンパレードだ。
で、このトレーズ君は戦争というものが人間同士の闘争であるということに重きを置いている。
人道主義の観点からも戦闘が自動化されていく世界観の中で、一人圧倒的なカリスマを持って人々を戦地に赴かせる。
数え切れないほどの屍の上に自らを立たせているわけだ。
その前提を踏まえて、俺の大好きなセリフがある。
主人公の美少年の一人である五飛との戦闘の中でのセリフだ。
五飛:「貴様のために、何人の人間が死んだと思っているんだ!」
トレーズ:「聞きたいかね、昨日までの時点では99,822人だ」
出典:新機動戦記ガンダムW 第48話「混迷への出撃」
詳しくは動画を見てみてもらいたいが、このトレーズ君。自分が起こした戦争で死んでいった者たちの名前を敵味方別け隔てなく全員の名前を覚えているってんだよ。
トレーズ君なら今まで食べたトーストの枚数も覚えていそうだ。
な?キラキラキャラも振り切ると魅力的になるって見本だろ?
で、このセリフの後に、どうやら10万飛び10人目の死者に自らがなる。
どうだい、このプラスチック製品のような輝きっぷり。
あんたも、このガンダムWを見るときには、ちょっとばっかし頭のチャネルを切り替えて見てみるといいと思うよ。
そうだなぁ。聖闘士星矢を見る時の感じで丁度いいんじゃないかな。
……何?例えが古すぎてわかんないって?
じゃあ、黒子のバスケあたりか?
……それも新しくはないって?
しゃあないだろ、こちとらオッサンなんじゃ!(開き直り)
さて、あんたはどうだい?
あんたの大好きなセリフ、きっちり日常使い出来ているかい?