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悠久の時にふれる恐竜博2019
あんたは恐竜って好きかい?
俺はご多分に漏れず、子供の頃は結構興味を持っていた気がする。
とは言っても、その情報源はほとんどドラえもんと学研の学習まんがくらいなもんだったけれどね。
のび太の恐竜、あんたも夢中で見ただろ?
もちろん大山のぶ代のドラえもんだぜ?
今回は、いま上野の国立科学博物館で展示されている恐竜博2019に行ってみたオッサンが子供のように興奮した話だ。
いやはや、この年になって恐竜が絶滅した隕石が落ちた場所を知ったよ。
あんた知ってる?
恐竜博2019の熱気
まずは恐竜博2019というイベントについてだな。
当日、俺は家族と一緒に行ったんだが、朝9時からの開場に合わせて行ってみた。ミス1。
なんつーか、このイベントの人気を軽んじていたんだな。
その日は朝から雨が降っていて肌寒いくらいだった。
でもそんなことではこのイベントにかけるみんなの思いは収められなかったらしい。
9時に到着した時点で、すでに数百メートルもの行列が国立科学博物館の入り口からはみ出ていた。
とは言え、行列にひるんでいる場合じゃない。家族ともどもその行列に並んだ。みんな目を輝かせながら傘を指して並んでいる。
小一時間雨の中を並んで、ようやく中に入ると、そこもヒトヒトヒトの大渋滞。
そんな中でも目を輝かせる少年少女に昔は少年少女だったオッサンとオバサン。
人間の好奇心ってのは、年齢によって霞む部分があるとは思うが、あの場にはそんな白けた感じはまったくなかった。
躍動感のある化石
会場に入って、最初に俺の心を掴んだのはデイノニクスという恐竜の化石だった。
俺たちが子供の頃って恐竜って爬虫類って話だったじゃんか?
最近は羽毛恐竜なんてものが発見されて、このデイノニクスも羽毛をはやしていたって再現図が一般的らしい。
で、そのデイノニクスの化石がこれな。
どうよ?まるで本当に飛びかかっているような見事な展示だと思わないか?
圧倒的な存在感のデイノケイルス
デイノケイルスという恐竜の化石が今回の目玉なんだが、このデイノケイルスって恐竜。恥ずかしながら全く知らなかった。
デイノケイルスってのは「恐ろしい手」って意味なんだと。それはこいつの腕の化石が最初に発見されたからだそうだ。
その鉤爪がついた手から獰猛な肉食恐竜だと想定していたらしいが、最近は草食だったってほうが有力な説らしい。
その鉤爪がこれな。
たしかに「恐ろしい手」だわな。
全体像はこんな感じ。
どうやら、くちばしがついていたらしい。巨大な手のついたアヒルって感じか?
恐竜を絶滅させた星
そんな大迫力な化石の展示もさることながら、宇宙大好きオッサンの俺としては、恐竜を絶滅させた隕石の話にガッチリと心を掴まれてしまった。
その隕石が残した地層のことを「K-Pg境界」と言うそうだ。
その隕石の衝突によって、地球はまさに壊滅的な打撃を受けた。地球上の75%の種が絶滅し、99%の個体が死に絶えたそうだ。
ちょっと想像が出来ないくらいの出来事だよな。っていうか、よく地球が死の星にならなかったもんだ。
で、その「K-Pg境界」には通常の何倍ものイリジウムが含まれていて、それが隕石からもたらされたという説明があった。
その隕石は直径10km程度の大きさで、その隕石が落ちた場所にはチクシュルーブ・クレーターと呼ばれる巨大なクレーターがある。
その場所はメキシコのユカタン半島北部だ。
その隕石衝突により、地表の温度は28度下がったらしい。
一説によると10年程度続いたその寒冷期の後は溶岩により蒸発した大量の石灰石から出た二酸化炭素によって数十万年は逆に温暖化が続いたそうだ。
その結果としての生物の大量絶滅。
よくこの地球から命が奪われることがなかったものだと思うよな。
俺たちは、そんな奇跡のような命のつながりの先っぽを今も生き続けているってわけだ。
恐竜博2019というイベントは、一般人代表のオッサンにそんな感動を与えてくれた。
まだ、あんたが行っていないとするなら、行ってみてもいいと思うよ。
ただ、休日の暑い日は避けたほうがいいかもしれない。
まだ、俺たち家族は雨が降っていて気温も涼しかったからなんとかなったけれど、これが晴れた暑い日だったら、並んでいる最中に熱中症になっちまってたかもしれない。
あんたが、もし行く時には暑さ対策は忘れずにな?
もうすぐ梅雨も明けるんだろうから。
さあ、あんたはどう思う?
人間の歴史なんて軽々と超える時空の旅がそこに待っているぜ?