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ランバ・ラルの強さと弱さ

あんたにも心の根っこの方に残っているキャラクターってのがいるかい?

俺も結構な作品に触れてきたと思うんだ。

小説だったり、マンガだったり、アニメだったり。
場合によってはバラエティで描かれたキャラクターだって俺たちを魅了してやまないよな。
#最近はスネーク斎藤がお気に入り

今回はそんなキャラクターの中でガンダムに登場する一人のキャラクターについて考えてみる回だ。

まあ、あれだ。
俺の好みで突っ走る姿をほくそ笑んで見てくれよな。

ランバ・ラルというキャラクター

まあ、ガンダムという作品群を眺めていても、ホントに印象に残っているキャラクターってのは実のところレアだよな。

アムロとシャアを軸にしながらも、俺的にはガトーだとか、クエスだとか、マリーダとか。

実に多くの魅力的なキャラクターが描き出されている。

その中でも異彩を放っている存在。
それがランバ・ラルだと思うんだよね。

ランバ・ラルと言えば1stガンダムの中でホワイトベースクルーと接触を持った初めての「大人の敵」ってことになるんじゃないかと思う。

ぶっちゃけ、シャアは大人とは言い難い若さだし、何よりもヒトとしての接触を持ったことはない。

会話を交わした最初の敵ってことになるよな?
#違ってたら指摘プリーズ

で、そんなランバ・ラルだけれども、実に不思議な立場に追い込まれている。

「青い巨星」なんて二つ名が与えられるほどの航宙戦での活躍を見せておきながら、それほどの出世をするわけでもなく、逆に部下にはめちゃくちゃ慕われている。

そして、軍人でもない内縁の妻という小学生に説明することが難しい存在であるハモンを戦場まで連れ回している。

いや、どんだけ人たらしなのよ。

ランバ・ラルが出世を求める理由

そんなランバ・ラルは実のところ出世することを望んでいた。

その理由は自分の幸せのためと言うよりは、周りのヒトの幸せのためって認識が明示的に表現されている。

自分が出世すれば自分の部下も不遇の立場に甘んじている今の状況から抜け出せる。
逆に言えば、ランバ・ラル自身が不遇の立場に追いやられていることで部下たちを巻き込んでいる。

自分のことを好きでいてくれるヒトを不幸にしてしまうその時点でのランバ・ラルの立場はランバ・ラル自身が受け入れがたいものだったことをそのセリフは物語ってくれているわけだ。

その軸が自分の中ではなく、仲間にあったってのがオッサンの俺にはめちゃくちゃ響くものがあるんだよな。

ランバ・ラルがハモンを「妻」にしない理由

でもだ。

そんなヒトとしての魅力にあふれているランバ・ラルはなんでハモンと正式に結婚しなかったんだ?って話になるよな。

よく聞く話としては軍人としていつ死ぬかわからないから結婚って縛りを入れたくなかったからって理由があるってのがある。

でもそれとは別の見方もあるらしい。

その理由はザビ家からハモンを遠ざけたいからって理由だ。

もともとランバ・ラルの父であるジンバ・ラルはジオンという思想の元締めであるジオン・ダイクンとめちゃくちゃ近い存在だった。

おそらくは、ランバ・ラルが戦績に対して出世が遅れているのもこのジンバ・ラルという存在が関わっていると思う。
そして、ジンバ・ラルはそのダイクンの子どもたちをザビ家から逃すための直接的な行動すらしている。

つまりは、ザビ家が抱えている闇を直視してきた人物ってわけだ。

要するにザビ家の権力を揺るがしかねない一家。それがラル家ってことになる。

ランバ・ラルが不遇の立場になっている理由が自らの出自によっているってことになるわけだけれども、その不遇の立場に愛するハモンを巻き込みたくないって言うヒトとしての「弱さ」がそこに見えてくるわけだ。

いや、めちゃくちゃ矛盾していると思うよ?

だったら戦場でその愛するヒトを連れ回すなよとかさ。

でもさ。
ヒトとしてのランバ・ラルの「弱さ」ってさ。

オッサンとして見てみると、結構グッとくるもんがないか?

ヒトがヒトとして生きていく以上、弱さってのは抱え込んでいかないと行けないケースが普通にあるのを俺たちは知っているじゃんか。

あのランバ・ラル。
漢の中の漢。

そんなランバ・ラルにも「弱さ」って表現がされていた意味。

なんかさ。
泣きたくなるやつじゃんか。

なあ、あんたはどう思う?

「強いやつ」って枠で表現された「弱さ」に俺たちは何を感じるんだろうか?

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