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牛丼に見る戦略

あんたも牛丼、スキかい?

俺たちオッサンが子供の頃、キン肉マンって漫画があったんだよ。
なんか今も連載を再開したらしいけどさ。
そのキン肉マンのアニメの中で「牛丼一筋300年~早いの美味いの安いの~♪」ってフレーズがあったよな。

そのくらい、牛丼ってやつは俺たち子どもたちのど真ん中にある食べ物だったような気がするんだよね。

ところが、大人になった今。
牛丼業界といえば、デフレのアオリを真正面から受けまくって、ジリ貧になっている業界ってイメージがある。

そんな中、吉野家がV字回復をしたってニュースが飛び込んできた。

今回は、吉野家がやったことを振り返って、その工夫からなにか学べることが無いかを考えてみる回だ。

俺も、あんたも、工夫の余地ってやつはいくらでもあるのかも知れないぜ?

吉野家のブランド戦略

吉野家の主力製品って言ったら、なんつっても牛丼だよな。

吉野家の創業は1899年。明治32年だ。何やらNewsweek誌で初めて「自動車」って言葉が出てきた年らしい。

で、そのころの牛丼はものすごく特別な料理だったそうだ。

確かに「るろうに剣心」でも牛鍋屋って特別な時の料理っぽかったよな。
で、その特別な料理を日常に持ち込んだのが吉野家だったってことらしい。

吉野家は創業当時から、「日常」ってやつのブランドだったってわけだ。

「日常の中の牛肉」っていうブランド軸を強みとして持っている。
吉野家の常務の伊東正明さんはそのブランドの強みをどうやったら今という時代にフィット出来るのかを考えまくったらしい。

その末にたどり着いた商品が「超特盛」「小盛り」「ライザップ牛サラダ」だったそうなんだよ。

「ライザップ牛サラダ」と「小盛り」が捕まえるニーズ

健康系がもてはやされるなか、「小盛り」やら「ライザップ牛サラダ」が流行るってのは、わりかし想像しやすい。
俺たちはどうやってダイエットするかってテーマに躍起になっているからな。

特にライザップ牛サラダは糖質制限ブームを意識していれば、ラインナップに盛り込まざるを得ないメニューだと思う。

更にはトッピングをチョイス出来るようにすることで、客単価を上げるって戦略は非常に的を射ている。

トッピングによるメニューの多様化は、糖質制限の中で問題になる「食事が単調になりがち」って課題に対する答えだと思うんだよな。

「超特盛」が捕まえるニーズ

ところが吉野家は、それとは真逆の商品を同時にぶっこんできている。

そいつが「超特盛」だ。

この「超特盛」をメニューに加えることにはどんな意味があったんだろうか?

そいつが「従来客」ってやつだ。
俺たちが牛丼にもとめていることってのがなにか?って問に対する答えがそこにある。

俺たちは「お手軽に腹いっぱい食べたい」って思って牛丼屋に行かないか?

そのシンプルなニーズに対する錦の御旗。そいつが超特盛ってわけだ。

超特盛は大盛りのご飯に大盛りの2倍の牛肉をぶっこんでいる。
非常に見た目が派手だ。

ただ、この超特盛は毎回食べたいってメニューじゃない。
話のネタに一回食べてみようかなってメニューだよな。

そうなんだよ。超特盛は毎回食べてもらうためのメニューじゃない。

お店に足を向けてもらうためのメニューだってことだ。

お店に足を運んでもらって「お?小盛りとかもあるんだ。なら小腹が空いたときにもいいかもね」とか思ってもらったら超特盛の役割は完璧に果たしたことになる。

そいつが超特盛というメニューに込められた戦略だってことだ。

次なる戦略

超特盛で店には来てもらえた。
小盛りやライザップ牛サラダで新たなニーズも取り込めた。
では次は何をするのか?

吉野家は店に来てもらったお客様を捕まえるツールに着目しているそうだ。

つまり、メニューそのものだ。

ライザップ牛サラダの強みはトッピングによる味わいのバリエーションだ。
このチョイスを出来るということを全面に押し出したメニューの作成。
そいつが吉野家の次の戦略だそうだ。

次から次に考える。立ち止まらない。

そいつは俺たちオッサンにとっても同じことだよな。
考えろ。前に進め。

まるで吉野家が俺たちの背中を押しているように思わないか?

なあ、あんたはどうする?

俺たちはどんな戦略で世の中に挑もうか?

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