無知が摘む未来・「新世界」を読む
ようこそ「新世界」の世界へ。
この記事はお笑いコンビキングコングの西野亮廣さんの著書「新世界」をその章立てごとに読み解くことで、より「新世界」という作品をあんたに楽しんでもらうための記事だ。
今回は7回目。「無知が摘む未来」の章を読み解いていこう。
目次はこちらね。
近畿大学の学生が挑んだあるクラウドファンディング
あんたは、クラウドファンディングにどの程度触れたことがある?
俺は購入型を中心に色々なものを見ているんだが、そのリターンってのは色々な工夫がなされているのが見て取れる。
有名所のキャンプファイヤーやシルクハットのサイトを見てもらいたいんだが、本当に色んな種類のクラウドファンディングが立ち上がっている。
まあ、シルクハットはその成り立ちからエンタメに関連するものが見られるのが特徴だし、キャンプファイヤーは老舗だから、本当に色んな種類のクラウドファンディングが立ち上がっていることがわかると思うよ。
そんな中、2018年7月。近畿大学の学生があるクラウドファンディングを立ち上げた。
学生がクラウドファンディングを立ち上げるってのは、なんとも時代を表しているよな。
で、そのクラウドファンディングというのが「スラム街の生活を肌で感じ、そこで得たものを、スラム街の子供たちや、自分の人生に還元したい」だ。
あんたは、このタイトルだけ見て、どう思った?
俺は「ほほう、なんか感じたものを共有できたら、それは俺の幅を増やせるかもな」だ。
あんたはもしかしたら「スラム街か。危なっちーな」かもしれないな。
で、このクラウドファンディング。実際にはいわゆる炎上の憂き目を見ることになる。
曰く「スラムなめてんの?おまいらが死にそうになったら日本が税金使っておまいら助けに行くの?」
曰く「何、上から目線なの?おまいらがスラムの子供たちにちっと会ったくらいでなにか出来ると思ってんの?」
曰く「何自分の経験積むためのカネを他人に無心してんのよ。てめーのカネでやれや」
1つ目の「スラムなめてんの?」論はいわゆる自己責任論ってやつだな。
多くのジャーナリストたちがこの論の洗礼を受け続けている。
最近だと安田純平さんのシリアでの拘束騒ぎがあったよな。
あんたはこの安田純平さんの騒ぎをみてどう思った?
俺は、「正義の暴力」だった。
安田さんはそれこそ命をかけてジャーナリズムを貫こうと行動していた。
だから、シリアという国で起こっている事実を世界に届けることに情熱を傾けた。
そう、そこにあるのは情熱だと思うんだ。
その情熱を「自己責任」という言葉はあまりにも容易に攻撃していたんじゃないのか?
安田さんを攻撃していた「正義」。
それは、俺たちが子供の頃から憧れ続けていた正義なんだろうか?
情熱を否定する正義。
それが俺たちの正義なのか?
それと同じことを近畿大学の学生たちが注いだ情熱の決勝であるクラウドファンディングに対して「自己責任」を突きつけた言論に感じるんだが、それは俺の独りよがりなんだろうか?
「危ない場所に行ってはいけません」
そりゃそうだが、じゃあ俺たちは世界で起きている出来事に目を向けなくていいのか?
断じて否だ。
俺たちはリスクを負ってでも世界を知る必要がある。
そしてリスクを負うことを覚悟した若者にするのは否定ではない。アドバイスだ。
どうすれば危険を避けやすくなるか。
危険なところに出くわしたらどうするか。
いざというときに、どうすれば身を守れるか。
近畿大学の学生諸君はあんたが持っている経験は持っていない。
だからこそのアドバイスだ。
安易な否定は何も産むことはないからな。
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