アトキンソンさんから日本を守れ
あんたにも身悶えるほどの怒りってやつがくすぶっていたりするかい?
俺くらいのオッサンともなれば、なんもかんもについて「そんなもんだろ」と達観できるのが常ってもんだろうけれども、中にはまだ自分の中にこんな熱量が潜んでいたのかってほどの感覚が沸き起こってきたんだよ。
何にだって?
デービッドアトキンソンさんの東洋経済の記事だ。
な?記事のタイトルからして刺激的だ。
もぉ、ドリフターズの島津豊久並にヒトを怒らせる天才だ。
今回は怒りに任せてこの記事の内容について考えてみる回だ。
まあ、このヒトに日本の中枢を握られているって事実をちっと一緒に想像してみようぜ。
まずは言いたいことを聞こう
この記事の冒頭でこう言うくだりが書かれている。
では、企業の投資需要の低下の原因は何なのでしょうか。政府の緊縮財政や「デフレだから」で片づけられるほど単純なものではありません。
出典:上記記事
記事の骨子としては企業が社員に給料を払ったり投資するよりもお金を貯め込むことに注力しているからデフレになってんだボケってことのようだ。
ああん?まずそれが事実かってのが気になるけれども、仮にそうだとして企業が支出を抑えるという行動をとっているのは緊縮財政やデフレのせいじゃないってか?
それってどうやって証明すんの?
まずデービッドアトキンソンさんが書き出したのが購買力調整済み生産性と言うのはインフレと負の相関にあるってことだ。
ああん?なんだそりゃ?
まず言葉がわからん。
購買力調整済み生産性ってなんだよ?
ネットで調べてみたけれどもそのものズバリの言葉は引っかかってこない。このあたりにズルが潜んでるっぽいな。
文脈から言うと、要するにお金と実際に購入できるモノやサービスを比較して同じものを買うために必要なお金の比率を考慮した生産性ってことらしい。
あんたも聞いたことがあるかもしれないけれども、ビッグマック指数って数字がある。
こいつはビッグマックを買うのに各国でどのくらいのお金が必要かって指数だ。
これを見ると、日本のビッグマックは390円なのに対して、アメリカは590円相当なんだと。
まあ、これは極端な例かもしれないけれど、調整済み生産性ってのはこう言う指標で生産性を調整した数字ってこったな。
でもそれっておかしくね?
それで言ったら、日本のGDPはアメリカの1.5倍で換算しないとおかしいって話になるじゃんか。
さらには生産性向上の企業がお金を出し渋っていることには直接の関係がない。
話をはぐらかすのもいい加減にしとけってやつだ。
個人消費の堅調さの理由
更に俺を激怒させたのが次のフレーズだ。
個人消費が堅調なのは、安倍政権の間に、生産年齢人口が減っているにもかかわらず雇用が大きく増加したからです。
また、戦後から長年問題視されてきた家計部門の高すぎる貯蓄率が下がっていることも貢献しています。
出典:上記記事
……あんたも見たよな?俺のコピペミスじゃないよな?
国民の貯蓄が減ることを「貢献」とぬかしやがった。
個人消費が横ばいな理由は明確だ。
もともと国民は生活するための最低限の消費になっていて、これより下がりようがないからだ。
だから給料が下がろうともどうなろうとも横ばいに「せざるを得ない」んだよ。
それを自分の貯蓄を切り崩してなんとか維持しているのと取り上げて「貢献」だと!?
まじでふざけんな!。
社員の給料が増えないのはなぜか?
更に俺の感性をたわしでゴシゴシするくらいに刺激する言葉が続く。
原因は、主に「モノプソニーが強くなって、労働者の交渉力が低下している可能性が高いことを示唆している」とあります。モノプソニーは、特にサービス業で働きやすいので、先進国の労働力がモノ作りからサービス業に移動すればするほど、労働分配率が下がりやすくなります
出典:上記記事
なんだ?モノプソニーって?
つまりは大企業と下請けの階層構造があるから、下請けは発注元に文句言えなくてだから「給料上げろ!」って言いにくくなっているって言ってんだな。
だから、別の会社としてすごしていんじゃなくて、一緒の会社にM&AしちゃいなよYouってわけか。
言ってることおかしくね?
なんで内部コストが上がるのにM&Aなんてすんのよ?
そんなの大企業にとってなんのメリットもないじゃんか。
中小にとったってそうだ。
日本の基礎部品産業の技術力は中小企業に支えられているって言われている。
事実、日本の提供している半導体の基礎部品(シリコンウェーハとかそれを切り出す機械とか)がなければ韓国も中国もアメリカも半導体部品を作ることさえままならないんだ。
それも中小企業がたゆまぬ努力で自分たちの「尖った技術」を維持してきた努力の賜物にほかならない。
しかもその尖った技術は基礎研究的な分野を多分に含んでいるので研究してすぐに利益が上がるような技術じゃないから他の国では見向きもされてこなかった技術だ。
それを身に着けている中小企業を大企業にM&Aしてしまうと、利益構造からその技術を捨てるという判断をくだされかねない。
日本の基礎体力はそう言う中小企業の意地とプライドで作り上げられているんだ。
それをM&Aという形で身動き取れなくしてしまった時に起こるのは何か?
そんなの産業構造の崩壊と経済危機以外にありえないだろ。
結局のところこの記事では「企業の投資需要の低下の原因」がデフレでも政府支出の少なさでもないってことをなにも説明していない。
ただ、企業支出が少なくなっているって言っているだけだ。
なんで少ないのかって?
当たり前だろ?
その企業が潰れてしまわないようにするための予防策としてだ。
デフレで出口の見えないしのぎをしている企業にとって、内部留保ってのは企業の存続の要だ。
問題は出口が見えない状況であって、それを打開できるのは唯一政治じゃないのかよ?
このデービッドアトキンソンさんは、菅首相肝いりの成長戦略会議の議員だ。
同じく竹中平蔵さんも議員に名を連ねている。
この成長戦略会議ってのは民主的なプロセスを一切経由せずに成立している政府組織だ。
つまりだよ。
このデービッドアトキンソンというヒトの意見は日本の中枢に直接言葉を届ける立場にいるってことなんだ。
なあ、マジで終わってないか?
俺たちは俺たちの生きる術そのものを奪われつつあるってことじゃんか。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちはこのヒトが日本の舵取りに影響しているって危機にどう対処すれば良いんだ?