IEP (1/2)
〈米国オハイオ州に駐在帯同の障害児について、関連情報をまとめています。〉
IEP=Individualized Education Program
直訳すると個人の教育プログラム。つまり、日本の個別指導計画や特別支援計画のことです。
Dublin cityでは、公立校に通う生徒がIEPの対象と認められると、無料で支援を受けることができます。
また、registrationの際に自己申告した方はもちろん、対象外で入学した生徒でも、学校に通う中で必要と判断されてIEPが始まることもあります。
つまり、公立校に通う生徒であれば誰でも平等に受けることができるものです。
ここではIEPがenrollされるまでの流れを書きたいと思います。
アメリカの学校制度については他に良記事がたくさんあると思うので、ここでは省かせていただきます。なお、Dublin city schoolへのregistrationは既に駐在されるご本人やその会社の方が済ませてくれているものとして書きます。
IEP、非常に素晴らしい制度なのですが、申し込みからenrollまで時間がかかります。時間がかかると知らないよりも知っている方が気持ちが楽だと思い、ほとんどそのためだけに説明します。つまり、このページを読んで効率的にIEPがスタートできる!というようなお得な記事ではありません。
ちなみに我が家は8月初旬にオハイオ入りし、長女は8月中旬の新学期初日から登校、長男のIEPがenrollされ登校し始めたのは10月下旬です。義務教育ではなかったことも影響していると思います。
まず申し込みの際に、子供に障害があると伝えます。すると、Dublin City School つまり市の教育部門の担当者とのコンタクトが始まります。連絡は主にメールで取っていました。Dublin City は日本人に慣れているので、専門用語を使った電話会話が難しい場合は遠慮なくメールでの連絡を希望した方がスムーズです。皆さん親切なので、安心してください。
はじめは書類作成です。生まれた時の状況、発達の状況、家での様子などなど。診断があるなら病状も詳しく書きます。日本の問診票以上に大量ですが全部英語です。気持ちが死んでしまっては元も子もないので、少しずつ取り組みます。
作成したら書類をDCSの担当者に送って確認してもらいます。ちなみにこの書類は紙でした。郵送でのやりとりです。
市のほうで書類の確認と審査が終わったら、次は本人を審査していきます。本人の審査は、home visitとschool assessmentの二つです。
はじめにhome visitがあります。我が家の場合は、DCSの担当者、通訳、心理士、言語聴覚士の4名の方が我が家に来てくださり、親への聞き取りと本人の様子の観察が同時進行で行われました。
本人の観察は、日本でOTSTを受けたことがあれば、それをイメージしていただくと早いと思います。家にあるおもちゃや本で遊ばせる中で、手先の使い方や、色や言葉の認識能力を確認するために「これをやってみて」「これは何色?」などと聞いていました。言語聴覚士の方は、ご自身でもおもちゃを持参していました。
親が聞かれることも、日本と一緒です。発達の状況、できること、できつつあることなどを、一つ一つ詳しく確認していきます。全部で一時間と少しかかったと思います。
home visitの後に、home schoolでのassessmentがあります。学校に出向き、学校の教室で本人の観察を行います。我が家は、親はカフェテリアで待っていましたが、子供が混乱するようだったら同行できるような雰囲気でした。内容は後から聞いたところ、階段を登ったと言っていたので、PT的なこともやったのだと思います。こちらも一時間ほどで終わりました。ちなみにこのあたりで、スクールバスを利用するかどうかが決まったと思います。
本人の観察が終わると、その結果を市で審査します。審査が終わると、IEPミーティングに呼ばれます。
IEPミーティングとは、DCS担当者(おそらく初回のみ)、担任の先生、担当のセラピストの方々と親で、半年間のIEPの内容を確認しすり合わせすることです。専門家の先生方から、作成したIEPの内容の説明があるので、疑問点や不備があったらこの時に指摘します。ミーティングはIEPを持っている限り、半年に一回開催されます。通訳さんは希望すれば来てくれます。
このIEPミーティングでIEPの内容が全て承認され決定し、その次の日から登校できました。
これでやっとスタートです。ここまで長いと分かっていれば、その間にプライベート療育を準備したり、歯医者に連れて行ったりしておけばよかったなあと今は思っています。やることは山積みだと思うので、少しずつ整理していけたら理想ですね。
2/2では、我が家のIEPの内容や、受けた感想などを書きます。
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