【コラム】私たちフリーランス母親の産後戦争
子どもが出来たら、産休・育休までどうしたらいいかと考えますよね。
実は、フリーランスや経営者の女性は、会社員と違って産休・育休はないんです。
フリーランスや経営者の女性たちは、雇用関係にないため産休・育休が取得できません。出産手当金(出産に伴う休業期間中の所得補償)と、育児休業給付金(育児に伴う休業期間中の所得補償)もないため、働きながら妊娠・出産・育児をしているのが現状です。
産休・育休0日で、どうやって乗り越えているの?
そんな率直な疑問が浮かんできますね。
フリーランスや経営者の女性にとって特別な課題なのですが、なかなかこの実態を調べても事例があまり明かされていないのです。
フリーランスママのリアルな産後
そんなフリーランスや経営者の女性たちは、出産後いつから働いているのでしょうか。
出産を経ても働き続けているフリーランスや経営者の女性のうち、44.8%が産後1カ月以内に仕事復帰しているという衝撃の調査結果が明らかになっています。(産後2カ月以内に仕事復帰している人は59%)
筆者が定期的に開催している、フリーランスや経営者で出産経験のあるママたちが集まる座談会でも、こんな話がありました。
一昨年に出産されたYさん。
妊娠7カ月目の早産だったため、予定より3カ月も早い出産となったとのこと。そのため周囲にもあまり告知をしておらず、前日はもちろんのこと、翌日も予定外の出産で仕事も途中になっていたため、病院でパソコンを開けて仕事をしたそうです。(もちろん、病院には怒られたとのこと。)
生まれてくる子どもにちょっと待ってとも言えないので、これだけはしょうがないですよね。
実際にフリーランス・経営者のママの声を聞いても、1-2カ月に再開されている方が見受けられます。
実際のところどうなっているのかを聞いたところ、「できるけど大変」と口を揃えて言ってました。
みなさん、出産ってどのくらいのダメージを受けるものかご存じですか?
お母さんの体が出産後に受けるダメージは、車にひかれて交通事故にあうのと同じくらいのものと言われています。
それを考えると、産後1カ月以内に復帰している実態は、心も身体も非常に無理している状況だとお分かりでしょう。
ただでさえ、フリーランスや経営者の女性たちは、覚悟してこの働き方を選んでおり、“仕事上のリスク”も背負っております。その中で、さらに生命・身体のリスクも取っている状況は過酷なものだといえます。
妊娠も出産もですが、計画どおりに進まないもの。進められないというのが正しいかもしれません。
いつ、どうなるかわからないからこそ、仕事の体制も、自身の心と身体の変化も、家族やパートナーなど周囲との協力体制も、妊娠する前から早めに準備をしていくことが大切ですね。